銀座の近くで仕事を終えて、それで銀座で夕食とろう…、と。
それで近所で仕事をしてる友人誘って居酒屋にくる…、「三州屋」っていう店で銀座、新橋と何軒か系列店がある中の、一番人気のあるお店。
居酒屋と書きはしたけど正式には「大衆割烹」というのがお店の業態で、確かにボクが小さな頃、居酒屋って呼び方よりも大衆割烹って名前の方がずっと一般的だった。
板前がいて、季節の料理がおいしくて、しかも気軽に定食なんかも食べられる…、言葉自体は古臭いけど、案外、今の時代に一番ピッタリしている最先端の業態かもネって思ったりする。
表通りから小さな路地を歩いたそこの突き当り。
袋小路なったところに入り口がある。
のれんをくぐると、5時をちょっと過ぎた時間というのに8割方の混み具合。
しかもみんなほどよい加減にほろよい状態。
大人の夕方。
いい気分。
なんとワタクシめ。
一番最初にカニサラダ!って注文しました。
野菜を最初に食べる運動。
鋭意続行中でござって、割烹にきてまでもサラダ。
ズワイの脚の部分をドサっとレタスやトマトのサイドにのせて、ドレッシングはマヨネーズ。
パプリカだったりレモンも混じって、いたずらに和風を装わないのがなんとも潔い。
サラダはサラダというコトでしょう。
それから魚…、割烹料理屋は魚料理が花形で、刺身や煮魚、定食なんかじゃサバの味噌煮なんかが人気。
けれどメニューにあると絶対たのんでしまうのが、味噌漬け、あるいは麹漬け…、メロの西京漬けっていうのがあってそれをたのんで食べる。
脂ののった切り身に箸を添えるとプルンと零れ落ちるように一切れ、とれて、口に運ぶとムッチリ旨い…、端の焦げたところがパリッと香ばしくもある。
魚のうま味ってなんて自然で、体に染み込むようなんだろう。
肉の脂と違ったおいしさ…、たくさん食べても決して体に負担がかからぬ、だからこんなにおいしく感じるに違いないって。
それから唐揚げ…、カレイをもらう。
包丁で切り目を入れて、そこがブリンとはじけるようにめくれて仕上がる…、皮も一緒にバリバリ食べる。
朝に残した鮭の皮…、あれはテロンとやわらかく、だから「皮」って感じでどうにも食べられないけど、油で揚げてサクサク口の中で壊れる皮の食感は決して嫌ではないのであります。
シットリとしたカレイならではのやさしい食感。
油の香りと魚のうま味。
尾っぽやヒレもバリバリ食べる。
それからココの名物料理。
鳥豆腐。
牛肉や豚肉と一緒に豆腐を煮込んだ「肉豆腐」って料理はいろんなところで見かける。
けれどココのは鶏肉豆腐。
鶏のセセリや胸の端っこ。
皮をあんまり持っていないところを選び、醤油と出汁でクツクツ煮込み、そこに豆腐。
ほんのり醤油の色が付くまで煮込む。
スープの上にはキラキラ、キレイな脂。
少ないとはいえ、鶏は煮込まれると脂を吐き出す…、それと一緒に、鶏の匂いが出てくるんだけどこの鳥豆腐。
一緒に春菊も煮込んでて、ハーブな香りで鶏の匂いが気にならない。
スープの味がどこかナツカシイ味でこれって一体なんの味なんだろう…、って飲んでいたらば友人が「お雑煮の味じゃない?」って言う。
たしかにそんな味であります…、オモシロイ。
安くてしかもおいしくて、飲んでるお腹があったまる。
こういう料理がある店って、なんてステキでやさしんだろう…、って思ったりもする、そして〆に定食もらう、エビフライ。
ココのエビフライ…、和食のお店らしからぬラード混じりのコッテリとした油で揚げる、だからバリバリ、細かなパン粉が歯切れてたのしい。
しかもエビはムチュンと歯ごたえたくましく、甘みすらある。
尻尾もガリッと香ばしく、一緒にやってくる赤出汁が出汁は濃厚、なめこがタップリ入っててポッテリとしたまるでポタージュみたいな喉越しで、ご飯がおいしく食べられる。
オモシロイのがこの店のエビフライのサイドの野菜…、千切りキャベツと一緒にざく切りコールスローがのっかっていて、それに缶詰の黄桃が混じっているのがオモシロイ。
何故なんだろう…、なぜかしら(笑)。
お店の人のサービスが、もうちょっとでも親身だったらこの店、文句なしの名店なのに。
それも個性と思いましょうか、お腹が満ちてさようなら。
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ところで…。
ちょっと考えさせられる動画を発見。
アメリカの何かスポーツイベントの開会式での出来事なんでしょう…、アメリカ国歌をブラスバンドが演奏していて、その最中にシンバルが片方脱落。
それを演奏していた少年の、健気にして咄嗟の対処が収められているのですけど。
国歌は何に捧げられているのか、といえば、それは星条旗。
だから演奏ができなくなったときに起こすべき行動と言えば、その星条旗に敬意を払うべきコトで、だから彼は敬礼をする。
その敬礼の仕方が堂に入っている上、極めて真剣。
太鼓を近くで叩いてる女の子が腹を抱えて笑ってるんだけど、彼女。多分、叱られたろうなぁ…、ボクらはこれだけ真剣に敬意を払うべきモノを持ってるんだろうか?
ボクらが生まれたこの国を、ボクらを生かしてくれているこの国のコトをボクらはどれだけ誇りに思い、敬意を払っているんだろうか…、と、思ってちょっと背筋を伸ばす。
明日も背筋を伸ばしましょう…、日本人として誇りをもってゴキゲンに。
[8回]
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