昼、有楽町で仕事を終えて、それで「桃園」。
前から来たくてしょうがなかった店。
交通会館の地下にある。
有楽町の駅前にあり、昭和な風情が色濃く残るランドマーク的なるビル。
最上階に回転レストランがあって今でも回ってる。
1970年代に日本中に作られて、けれど今ではほとんどのところが回ることをやめてしまった高度経済成長時代の象徴がまだ、今でもある。
なんてステキなコトなんだろう。
その地下は一曲二癖ある飲食店が集まるフロア。
建物の中にあるのに路地裏みたいな小さな通路に面してギッシリ。
そんな中でもひときわただならぬ気配があるのがこのお店。
中を覗き込むこともできるくらいに開放的な作りなんだけど、知らない人は入りづらい不思議な気配。
ショーケースの中にはもう20年くらいはココにあるんじゃないかというほど、古ぼけていて色も変わってしまった商品サンプルが並んでる。
ヤル気があるのか無いのかわからぬシンミリとした風情があって、常連さんがついているのか、いつ前を通っても必ずお客様が入ってる。
長崎ちゃんぽん。
皿うどんとかオモシロイのが炒めビーフン、スープビーフンなんてメニューがあってそうしたメニューが全部で10種類くらいあるだけの店。
お店の中に入るとまずは食券を買う。
気のいいおばぁちゃんがニコニコ元気に注文を取り、お金を払って代わりにプラスティックのプレートもらって席につく。
おにぃさん、カウンターでよろしくお願いできますか?なんて。
「おにぃさん」って呼ばれると、くすぐったくなる。
ボクの後からやって来た人は「おとぉさん」って呼ばれていたけど、おにぃさんとおとぉさんはどこに区別の境界線があるんだろう…、って興味津々。
聞きたかったけど我慢する(笑)。
カウンターの中に厨房。
家族でやっているんでしょうネ。
麺を茹でる厨房の一番奥にはもう80歳を超えてらっしゃいそうに思えるおじぃさま。
盛り付けをする人はその人の奥さんかなぁ…。
鍋を振っているのはお嬢さん風…、家族でやってるように思えてしかも平均年齢推定60歳のちょっと前。
みんな元気で一生懸命料理を作りサービスをする様に胸が熱くなる。
選んだのは皿うどん。
うちの皿うどんは太麺で炒めるタイプなんですが、御存知ですか。
注文する時そう釘を刺された通りのこれ。
どっさり山盛り。
まず見えるのが野菜がタップリ。
モヤシにキャベツ、チンゲンサイ。
ネギにニンジンと色とりどりで、ところどころに何かを揚げたようなモノ。
てっぺんに錦糸卵がタップリ乗っかり、ボクがしってるどこの皿うどんとも違った姿。
普通皿うどんといえばあんかけ。
揚げた細麺か焼いた太麺のどちらかにタランとかけて味わうというモノなんだけど、ココのはたしかに炒めたモノで、上海焼きそばみたいに見える。
上から下へとひっくり返してお皿の底をみるとうっすら、スープが溜まっているのが見える。
ちゃんぽんスープを吸い込ませつつ炒めて仕上げた、つまり「焼いたちゃんぽん」みたいな食べ物で、食べるとたしかにちゃんぽん風味。
ただちょっとだけ焦げた醤油の香ばしい風味がしてきて、食欲そそる。
若干もさもさした太麺が、歯ごたえたのしく噛むたのしみにウットリします。
スープを吸い込み麺を噛み締め味わうと、うま味がジュワッと滲んでくるのが今まで食べたコトがない不思議な味わい…、オキニイリ。
揚げたように見えたのは、鶏のカラアゲと肉団子。
唐揚げの方はムチュンと歯応えシッカリしててうま味が中まで入った鶏のむな肉で、一方団子の方はボソッとまるでおからの団子のような噛むとモソモソ、口の水分奪ってくなんだか不思議な食べごたえ。
ズルズルむしゃむしゃ、我を忘れて食べられるシッカリとした味わいで、時折お酢をかけて食べるとスキッと風味がさわやかになる。
野菜の状態がとってもよくて、しかも分量タップリで、最後に、ちゃんぽん味の野菜炒めになって終わってくのもまたオモシロイ…、ちょっとハマった、オゴチソウ。
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