渋谷の天厨菜館にて会食…、日本全国から集まった飲食関係の人たちと勉強会を終えての会食にて、スタート前から気持ちがたのしく盛り上がる。
大人のお店の少ない渋谷にあって、ずっと昔から上等な中国料理をたのしむコトができる店として有名なココ…、古いビジネスホテルの中に入っていたのが2年ほど前、ビルが新しく建て替りキレイなお店で再登場。
客席ホールを宴会場に仕立ててもらっておいしくたのしい夜のはじまり!
乾杯に続いて前菜料理が並び、杯かさねて盛り上がる中、宴席の真ん中にて北京ダックのパフォーマンスがスタートします。
北京ダックという料理。
中国の人のおいしいモノへの執着心がこれほど凝縮された料理はないんじゃないかな。
だってまずは作る手間。
ダックの表面に何度も何度も熱い油をかけまわしパリッと仕上げる。
その皮だけを剥いでたのしむ。
なんたる贅沢。
しかも北京ダックを宴席において味わうときには、こうして目の前で最後の仕上げをしてくれる。
やってくるのは総料理長。
白い手袋。
磨き上げられた中国包丁。
そぎ切った皮を小麦粉を焼いた皮で包み込むためのお供を従え、みるみるうちに料理が仕上がる。
細切りキュウリに白髪ネギ。
噛むとジュワッと脂が口にひろがっていき、野菜のシャキシャキした食感とみずみずしさが口の中をスッキリさせる。
味噌がおいしい。
鶏の皮というものがあまり好きでないボクでもこれを食べられるのは、味噌のうま味が味わい深く冷たく冷やした紹興酒がおいしくたのしくたのしめるから。
黒酢に赤酢をくわえたソースで煮込んだ豚肉、小籠包、揚げ点心や魚の料理が続き、どれもおいしい…、でも今日はひさしぶりにあう人たちとの会話がたのしく、あそこのテーブル、ここのテーブルと落ち着くことなく杯もって飛び回る。
気づけば写真も撮らずにバクバク、食べて楽しむ…、それも良し。
それからココの名物料理。
丸鶏の中にフカヒレを詰めてグツグツ、土鍋で煮込んだ熱々料理。
取り分ける前に土鍋をもって、テーブルの間を回って説明をする…、その気配りがうれしくて、なにより土鍋を満たすトロトロとしたスープの状態。
ゼラチン質と鶏の脂がまじりあい、キラキラ光ってまぶしいゴチソウ。
オイスターソースの甘い香りがフワッと広がる…、早く食べたいって気持ちがせいて、お腹が再びすいてくるのがオモシロイ。
鶏をばらしてお椀に一杯。
骨がスルンととれてしまうほど、肉はほろほろ。
しかもスープの中で煮こまれていて、だから肉がシットリしている。
上湯スープの上等な味。
オイスターソースのうま味と鶏の脂のコクがひとつにまじりあう。
スープと言えばいいのか、ソースと言うべきなのか、コッテリとした味わい、そして濃度にウットリ。
中に混じったフカヒレの、ハリとコシがみなぎる食感。
スベスベ、スルスル、口の中を滑る食感。
なんとも上等。
めでたい味が体を満たす。
そしてもうひとつ、ココの名物料理で〆。
ほうれん草のチャーハン。
具材は単純。
刻んだほうれん草と玉子とネギというモノ。
ほうれん草の緑色が目に鮮やかで、すがすがしい。
ご飯がムッチリ、パラパラさせずモッチリとした噛みごたえがある…、油をご飯にまとわせた炊き込みご飯のような食感独特で、緑の香りが鼻から抜けていくのもたのしい。
テーブルの上に食べ散らかした料理をおかずのようにしながら、パクリパクリとお腹に収め、杏仁豆腐で夜のお腹に蓋をする。
日本の外食産業が産声あげた1970年代からずっとこの業界を支え、一緒に作ってきた人たちの話を聞きつつ勇気づけられ、同時にそんな業界も時代に合わせて再構築をしないと正直で一生懸命な人たちがシアワセになれない変な日本になっちゃう。
だから再び、新しい外食産業を生み出すためにみんなで力を合わせましょう。
そんな気持ちで盛り上がる。
ボクたちは一人で戦っているわけじゃないんだと、みんなでこうして集まると勇気がもらえてたのしくなった…、そんなステキな夜のコト。
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