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サカキシンイチロウノホトンドゼンブノブログ
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    サカキシンイチロウ
    年齢:
    64
    性別:
    男性
    誕生日:
    1960/01/26
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    あぁ、冷たい担々麺の季節が来た!って、それで九段にやってくる。

    sankibo.jpg九段下にある「三希房」という中国料理のレストラン。
    ここの冷たい担々麺がボクの中では最高クラスのゴチソウで、それを食べると体の中が夏の準備を正しくはじめる。
    しかも週末ランチは、コストパフォーマンス抜群のランチコースがある。
    事前に予約しなくちゃいけないゴチソウ、それで予約しワクワクそわそわ。
    やってくるのでございます。

    表通りからみると、ココにこんなお店があろうとは思わぬ店で、なのにいっぱい。
    週末だから近隣のオフィスはほとんど動いてなかろうと思うのだけど、ランチ客が続々やってきてたちまち満席。
    週末を仕事をしているサラリーマンや近所に住んでる人たち、あるいはココをワザワザ目指してくる人たちと多彩な顔ぶれ。

    さてまずアミューズ…、夏に向けて冷たい茶碗蒸しをとやってきた小さな器。
    一番下にはそら豆を潰したピュレ。
    上にスープで割った玉子をのせて蒸して冷やしたモノでそこに茹でたエビとユリの蕾にシメジ…、塩で揉んだネギを油で合わせたソースをあわせてフルっと食べる。
    sanki.jpgお腹の入り口がパッとひらくようなゴチソウ。
    それに続いて、小さな前菜が三種類…、コリコリとしたクラゲの頭は出汁のうま味と柑橘系の酸味に芥子でさっぱり味わう、コリコリゴリゴリ、奥歯が楽しい。
    それからタコに山椒、胡麻に塩ダレでもみクニュっと味わうカルパッチョ風。
    麻辣ダレに漬け込んだ牛ハチノスはムニュンと食感なまめかしくて、山椒と辛子の痺れと辛味がかわるがわる口の中に広がっていく…、食欲わかすよき一品。

    それにしてもこの前菜。

    4073431e.jpeg酸味・塩味それから辛味とどの料理もが違った味わい、風味でまとめられているのにさすがと感じる。
    顎においしい食感の素材を使っているのも噛んで味わうコトでお腹が空いているコトを思い出させてくれる工夫でありがたい。

    それからココの名物、棒餃子。
    棒状に作った餃子をこんがり焼く。
    表面乾いて焼きあげるのがココのお店の餃子の流儀。
    小麦の皮がパリッと破れて中のあんが出てくるんだけど、これまたちょっと乾いた食感。
    豚ひき肉の食感がガッシリしていてホロッと口の中に散らかる。
    とても不思議な食感で、噛んでるうちに口がお酒をねだりはじめる。
    オモシロイ。

    スープをどうぞと、やってくるのがフカヒレスープ。
    さすがにランチコースのフカヒレだから、ドッシリたっぷりというわけにはいかないけれど、プルンと舌を撫でる食感、ほどよく感じる。
    ホタテの繊維と、蟹肉が代わりに舌をたのしませるのがうれしくて、しかもそれらそれぞれのうま味に香りがレンゲですくって味わうごとに、口いっぱいにひろがっていく。
    やさしいとろみも味わう深く、中国料理を食べに来たんだ!って、今更ながら気持ちにお腹がほほえむ感じ。

    そこからたたみかけるように料理が次々。
    fdbef69d.jpeg豚バラ肉を皮ごと煮込んだ見事な角煮…、脂がツヤツヤうつくしく豚の香りがドッシリしつつも口の中でトロリととろけてゼラチン質が舌をスベっとなめらかにする。
    下に敷いたカボチャの素揚げが豚のうま味を吸い込んで、ビックリするほどおいしくなっているのにウットリ。
    大きな大正エビにぐるりと細い麺を巻きつけカラッと揚げたところに甘辛チリソース…、揚がった麺がひと噛みごとにパリパリ砕けて口に散らかる。
    ブリンと歯ごたえたのしいエビが甘くて、しかも味噌がタップリ…、この贅沢に身も心までもとろけるような昼のゴチソウ、ボリューム感もまたオゴチソウ。

    77d7557b.jpegほぼお腹が一杯寸前にして、けれどまだ料理のご用意がございますと。
    テーブルコンロがやってきて、そこに鍋。
    火鍋ですか?と聞いたら、いえいえ、「汁なし鍋です」と。
    スープを使わず、焼いて仕上げる鍋料理という。
    鍋の底に豚バラ肉や鶏のせせり身が敷き詰められて、それらが焼かれて鍋の底に脂がにじむ。
    そこにタップリキャベツやネギ、キノコ。
    赤唐辛子をのっけて、醤油風味のタレをジャジャっとかけまわし、蓋して蒸し焼き。
    確かに鍋の体裁で、けれどスープを使わず素材の味や風味を直接、体にとりこめる。

    脂がツヤツヤうつくしく、シャキシャキとした歯ごたえ、歯ざわりなかなかたのしい。
    うま味もギュッと凝縮されてて、キャベツの甘さにウットリします。
    これを炒め物と呼ばず「汁なし鍋」と言い切るところが発想の転換といいますか、ネーミングの妙といいますか。
    やりやがったなぁ…、って思いはするけど、オモシロイ。

    そして〆の担々麺の夏バージョン。
    冷たいスープ担々麺で、茹でてギリッと冷たくしめた麺。
    噛むとバサッと歯ぎれる硬さと、小麦の香りはそのままにツルンと唇すべるように口の中へととびこんでいく食感とても色っぽい。
    スッキリとしたスープの辛味とほどよき痺れ。
    シャキシャキとしたモヤシにホツホツ、奥歯で潰れてうま味を滲ます豚ひき肉にナッツの食感。
    冷たくしてもおいしいように、脂のうま味やコクを借りずに料理ができているのにいつも感心しつつ、冷たくしても体が冷えぬこの味わいにも感心しながらズルズル味わう。
    スゴい期待をしながら食べて、いつも失望させられることがないこのおいしさに今年も感激…、今年は何回食べられるだろうって思って今日は〆とする。



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