小笠原伯爵邸のイベントにお招きいただく。
名前の通り、小笠原伯爵の邸宅が朽ち果てようとしていたモノを復元、修復、しかも人が集まり賑わう場所にしようと、ココをレストランにしたのが今から10年ほど前。
かなりの費用と手間をかけ、見事昔の華やかだった時代が今にキレイに蘇る。
本格的な洋館建築はたくさんあるけど、本物の洋館というのはこの東京にもあまりなくココは本物…、かつてココで人が住み、人をもてなし社交があった。
その華やかを今でも味わうコトができる貴重な空間。
普段はエル・ブリゆずりの、モダンスパニッシュの料理のお店。
エレガントなテーブルサービスで、非日常的な美味の世界にたわむれるようなシアワセなる時間を味わえる。
けれど今日と明日の二日間。
建物全部をスペインにしちゃおう。
いつもは入るコトができない邸宅のすみずみを歩きまわって、料理やお酒をたのしもうっていう催しをする。
スペインナイトという名のイベント。
ウレシイことに空気の澄んだ気持ち良い夜。
ずっと立ってても、表にでても汗もかかない秋らしさ。
建物の中だけじゃなく、庭園にバーベキュウグリルやバフェのテーブルや、あるいはハモンのカービングテーブルが置かれてお客様は建物の中や外を行ったり来たり。
テーブルの上に料理が並んでいるだけじゃなく、建物のそこここにトレイをのったスタッフが料理をもって立っている。
あるいは椅子に座っていると、スタッフの方から近づいてきていかがですかと、料理の方から近づいてくるバフェのようで王様気分。
スペイン名物のピンチョという、一口大の料理があれこれ。
串にさしたスパニッシュオムレツや、スプーンに乗せたオマール海老のトリュフ添え。
スペイン各地のチーズを20種類ほども揃えてつまんで食べ比べ。
歩きながら口が止まらぬたのしい一時。
邸宅の中に入ればアントニ・ガウディのサグラダ・ファミリアを模した氷の彫像の前に氷のベッドが置かれてて野菜やシーフードの料理が並ぶ。
子供銀行のお札を使ってたのしむカジノや、マジックショー。
フラメンコやら小さなオペラと、ちょっと小さな海外旅行をしているみたいな気持ちにさせてくれるのがいい。
紙のカップに入った色とりどりのカップケーキのようなお料理。
最近、スペインで流行っているという出来損ないの蒸しパンみたいな新しい料理。
赤いビーツやイカスミに、白トリュフなどの香りをつけて、フックラふくらむ軽い食感。
味はチーズムースを固めたみたいで、指でつまんで舌にのせるとたちまちポワンととけていく。
ソーセージやスペイン風のバーベキュー。
イカやホタテのグリルなど、贅沢料理があれこれある中、一番人気はやはりパエリア。
大きな鍋を2つ並べて、そこでグツグツ作ってく。
ご飯や具材を炒めたところに、スープをはってブクブク沸騰させながら、水気を飛ばして仕上げてく。
ボクらが思う「ご飯を炊く」って料理ではなく、ご飯にスープを吸い込ませつつ炒めて仕上げる焼き料理。
何度も何度もスープをかける。
そのたび香りが濃厚になり、遠くにいてもそろそろパエリアが仕上がっていく。
そんな予感がやってきて、並ぶとさぁさぁ出来上がり。
小さなカップに入れてもらって、何度も何度もおかわりするのがなんともたのしい夜のゴチソウ。
気づけばお替りが注がれる、まるでワインが湧いて出てきてるんじゃないかと思うような魔法のゴブレットを片手にもって、ニコニコ会話も盛り上がる。
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スペインの夜といえばおそらく、ギターにそれからフラメンコ。
今日のイベントでもずっとどこかでギターの音が鳴っていたけど…、そんな名残の動画を一本、これスゴいです、スゴすぎる。
イギリスのアーチスト、Jon Gommtという人の「Passionflower」っていう曲。
クラシックギターは一人で奏でるオーケストラって言われるコトがあるけれど、たしかにその通りだなぁ…、ってウットリ、聞き惚れました。
ギターのボディーを叩いてパーカッション代わりにしたり、本来、弦をおさえるだけの左手の指で弦を弾いて音を出すっていうのは他でもみたことがある。
けれどペグをいじってチョーキングみたいな効果を奏でるなんて、もうビックリでしかもそうしたテクニック以上にステキなメロディー、歌声。
今日のステキを思い出しつつ、ユックリしましょう…、また明日。
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