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2024/11/25 (Mon)
オステリア・ナカムラ
昨日に続いてたのしい会食…、今日も同じ六本木。
料理はイタリア料理を食べよう。
昔、贔屓にしてた「オステリア・ナカムラ」という店を選んだ。
気さくなご主人が厨房の中で腕をふるって、凛々しい奥様がホールでサービス。
たのしく気軽で、料理がドッシリ、ガツンとおいしく元気がもらえる夫婦ふたりでやってらっしゃるゴキゲンな店だったのだけど、久しぶりにやってきたら厨房の中にもう一人。
若いスタッフが働いていて、聞けば5年前に調理師学校を出てやってきた…、今では立派な戦力になってくれたんですよと言います。
5年ぶりかぁ…。
会社の整理とかで気持ちがなかなか前向きにならず、それで来るのを控えてた。
仕事が落ち着き元気になったら…。
気持ちの余裕ができたら来なくちゃと思っていまだにアドレス帳の「オキニイリ」カテゴリーにランクさせてるレストランの数々。
その中で、まず一番最初に一軒どこかを選ぶなら、絶対ココ!って思ってた。
そして今日のこの訪問。
店の風情はそのままで、メニューも昔、贔屓にしていた料理がしっかり顕在で、ちょっと違っていたのがご主人。
コロコロ太って貫禄ついてた…、そういうボクもコロコロ太ってオアイコですねとニッコリ笑う。
うれしいったらありゃしない。
厨房の中を見通せるカウンターの席をもらって、さていただきます。
まずは前菜。
ポロネギをトロンとなるまで煮込んだモノを、オリーブオイルでこんがり焼いたやさしい一品。
ネギの甘みが容赦なく、しかも焦げたところがカラメルみたいに香ばしい。
厨房の中から次々作られる料理のおいしい匂いが漂い、それをお供にツルンと食べる。
オリーブオイルのドレスをまとったルッコラのみずみずしさと苦味で舌をひきしめて、みじんに刻んで酸味をくわえたブラックオリーブを薬味のようにしながら味わい、お腹の入り口を開いてあげる。
それからトリッパ。
牛の胃袋をアラビアータソースで仕上げた一品がくる。
ネットリとしたトリッパが、ピトッと舌に貼り付く食感。
ムチムチ。
しかもトロンとなめらか。
肉感的で、頬が赤らむような味。
トマトのスッキリした酸味。
仄かな甘みに、赤唐辛子がピリッと辛く、しかも口が涼しくなるようなたのしい味わい。
一緒に白インゲンを加えて炊いてて、それがホツホツ。
表面固くて噛むとトロリと崩れてとろける。
トリッパのムチュムチュとした食感と好対照で、互いが得する組み合わせ。
それにしてもこの界隈。
ここのお店ができた頃には、まだ薄暗く六本木の中でもどこか場末感がただよっていた。
なのに今では近所にミッドタウンができて、夜もにぎやか。
飲食店のよいロケーションになっている。
冷たい雨が降る今日の夜…、それでも通りはにぎやかで周辺の店も、そこそこどこもにぎわっている、ココも得しているみたい。
それからココの前菜の中でどうにもこうにも好きで好きでしょうがないコレ。
焼きテリーヌという料理で、牛すじ肉をトロトロに煮て繊維をほぐしたところに緑のレンズ豆をギッシリ詰め込みテリーヌ型で固めたモノ。
それをこんがり焼いて食べるという、昔からのココの名物。
ガリッと表面揚がったようにこんがりやけて、その表面に守られた中はムチッと、コーンビーフのような味わい…、肉の繊維がネットリからみ合ってうま味を吐き出していく。
豆がホツホツ、その食感もまたオゴチソウ…、ひさしぶりのおいしさに気持ちがグイグイあがってく!
それからパスタ。
イカスミを練りこんだ平打ち麺を使ったパスタ。
4種類のチーズのニョッキの2酒類。
蟹のほぐし身とネギを使った、オリーブオイルベースのパスタはここの昔からのスペシャリテ。
ハリのある麺。
シットリとした蟹の身の食感、それからうま味が口に広がる。
トマトの酸味とみずみずしさが、塩の風味をふくらまし、タップリ使ったニンニクも食欲さそいあっという間に一皿なくなる。
ほうれん草のニョッキはムッチリ。
なによりチーズソースのコッテリとした味わいと、ドッシリとした香りがワインをおねだりするのがうれしい一品。
うれしいなぁと思うのが、昔の料理が今も顕在。
昔のままにおいしくて、5年というインターバルをまるで感じさせないところ。
変わらなくてもいいお店。
変わることを必要としない料理を持ってるお店はとてもシアワセ。
しかもそうした料理を若いスタッフがひきついで、ご主人と二人で仲良く調理しているところを見ると、あぁ、ステキだなぁ…、って胸がジンワリあったかになる。
そしてメイン…、カジキのカツレツをまずは選んだ。
子羊のカツレツっていうのがココで昔はオキニイリ。
骨付きの子羊肉に細かなパン粉をギッシリまとわせガリッと揚げた男ぶりの良い料理で、今日もメニューにあった…、けれどカジキのカツレツは初めてで、こりゃ食べてみねばとそれで思わず。
カジキマグロはイタリア料理の定番素材。
けれど日本でそれをおいしく食べさせてくれるお店が少なくて、それでどうかと思って食べたら、これば見事な出来栄え。
ガッシリとした衣で包まれ、カジキがフックラ…、衣自体に塩味とチーズの風味がついていてそれで十分、おいしくなってる。
オリーブオイル風味のルッコラ。
甘いトマトと一緒に口に運んでやると、それらがソースのようにふるまう。
甘み、酸味がカジキの味をふくらまし口の中がホっとする。
何より色合いうつくしく、肉のカツレツにはないやさしさに今日の食事も終盤近く。
にもかかわらず、お腹が再びすいてくる。
今日のメインのもうひとつ。
お店のマダムが「これは絶対おいしいから」とひっそり耳打ちしてくれた「牛モツ煮込みのフィレンツェ風」をもらって味わう。
塩味でコトコト煮込んだモツに野菜。
モツのうま味を吸い込んだ野菜をまずは取り出して、お皿にもってそれから再びモツを強火で煮込めてく。
オリーブオイルを注き鍋をタプンタプンと揺すっていくとトロミがついて出来上がり。
タップリの湯気。
湯気に向こうにシェフの姿に出来上がってく料理の数々。
ここのカウンターに座っていると出来上がってく料理をみんな自分のモノにしたくなる。
それもたのしく、また来なくちゃってモティベーションがあがってく。
ムチムチとしたモツの食感。
おいしい脂がタップリまとって、噛むとネットリ。
口の隅々撫で回すようにふるまって、トロンととろけてうま味を残す。
ほのかな酸味をくわえたジェノベゼソースを使うと、スッキリとした緑の香りがモツのうま味をさわやかにする。
パプリカに赤唐辛子の辛味をたしたソースを使うと、モツの甘みが今度は引き立つ…、これで今日の料理は終わりと思うとなんだかさみしくて、ゆっくりジックリ味わいお腹もやさしく満ちる。
またまいりますと挨拶をして、今日のゴチソウディナーを終える。
ステキなレストランは、人をシアワセにしてくれる場所…、そんなコトをニッコリ思う夜の今日。
オステリア・ナカムラ
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2012/12/29 (Sat)
東京の他エリアのレストラン
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