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サカキシンイチロウノホトンドゼンブノブログ
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    映画を觀ます…、「セッション」っていうアメリカ映画。



    世界的に今観るべき映画といえば「アベンジャーズ」の新作なのに、日本じゃ去年の作品を最新作と称して公開。
    日本語版のポスターのキャッチフレーズ。「アカデミー賞が飛びついた」というその一説は、そのまま「日本の配給会社が飛びついた」アカデミー賞受賞作品と読めるさみしさ。
    世界の先進国の中で一番最初に朝日がやってくる日本という国は、映画が世界で一番最後にやってくる国でもあるワケ。なやましい。



    ちなみに原題は「Whiplash」。
    鞭がしなってビシッとなる…、というような意味にでもなりますか。
    まさにそういう緊張感と、どこか湿った痛さにあふれたこの映画のタイトルとしてこれほど見事なタイトルはなく、なのに邦題はセッションという。
    ジャズが題材でだからセッションってコトになったのかもしれない。確かにセッション的なる演奏シーンもあるけれど、それが主題ではまるでないのです。



    追い込む。ひたすら追い込む。
    手を血だらけにしながらもドラムと戦う物語。
    数あるポスターの中でも、狂気と正気を隔てる壁。高くてしかも薄い壁を、狂気の側に落ちぬように必死にもがく主人公のさまを一番よく表現しているのが、このポスターかなぁ…。
    夢は人に叶えてもらうものじゃなく、自分で叶えるものなんだと、見ていてジーンとしてきます。



    それにしてもこれほど息を詰めて見入った映画は最近なかった。
    歌舞伎町のできたばかりのシネコンの、一番大きなスクリーンで、その客席が8割方も埋まってましたか。
    そこにいる何百人ものの人が息をひそめて身じろぎもせずスクリーンの中に飲み込まれてしまったようなスゴイ映画。音のよい大スクリーンで観るべき映画と思いもします。オキニイリ。

    ところで、「Whiplash」。



    この映画のタイトルであるだけじゃなく、Hank Levyっていう人のジャズの名曲。映画の中では主人公がチャンスを手にするキッカケの曲でもあるんだけれど、これがかなりのかっこよさ。
    この曲があってこその物語でもあるワケで、だから日本でのタイトルも「ウィップラッシュ」ってして欲しかったって思ったりする。まぁ、しょうがない。
    ひさしぶりに楽器を持ってみたくなります。いい映画。

    拍手[5回]

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    同感デス
    セッションって、この映画の内容と違うイメージを持ちますよね。
    スポ根映画といっても、過言ではないので、原題のままがよかったのに。
    はるのにがみさん / 2015/05/07(Thu) /
    センス足らず
    > はるのにがみさん
    日本の配給会社の邦題の付け方のセンス。
    あまりにひどいですよね。
    淀長さんの時代の、観る人に見てもらいたいと真剣に考え名タイトルをひねり出した時代とは、まるで比べ物になりませんね。
    サカキシンイチロウさん / 2015/05/08(Fri) /
    無題
    私も高校時代、音大受験の時に練習で爪が割れて血が出て、友達を驚かせたのを思い出しました。日本人の留学生も、音中受験の時にやっぱりそうだったそうです。
    私の先生方は物を投げる方はいらっしゃらなかったけど、「食べられちゃうかな?」と思う位熱心に教えて頂きました。苦しかったけど、今になると、本当にあの熱情で育てて戴いたんだなと身に染みます。(今はモラル規制も厳しく、厳しくやると学生がやめるか、評価表で文句を言われてクビになるとか、になっていて、それがアメリカ人のピアニストが育たない遠因とも思いますー関係無い事で御免なさい)。
    ボルテイモアのおかずさん / 2015/05/09(Sat) /
    楽器のたのしみ
    > ボルテイモアのおかずさん
    ボクも楽器をやっていたとき、先生が厳しくて厳しくて。タクトが飛んでくることなんて日常茶飯事。たいていは金管楽器あたりに飛んで行くんですけど、たまにスポンとスッポ抜ける。
    するとオーボエとかフルートのあたりを直撃でした。動体視力はそのとき鍛えられたのかもしれません(笑)。
    楽器は鍛錬。
    苦しいと思った先にたのしさがやってくるという典型的なモノなんじゃないかと思います。
    サカキシンイチロウさん / 2015/05/09(Sat) /
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