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2025/02/01 (Sat)
ジュピター
映画をみます…、ひさしぶり。
選んだ映画は「ジュピター」。マトリックスで衝撃的なデビューを果たしたウォシャウスキー兄弟あらため、ウォシャウスキー姉弟(お兄さんが性転換をしてお姉ちゃんになっちゃったからネ:笑)の監督作品。
マトリックスから16年とポスターにもデカデカと書かれてて、それまで彼らが撮った様々をなかったコトになっちゃっている。最近、不調の2人の作品。
この作品もパッとしないよ…、と言われてて、それでも彼らのゴージャスな映像表現をみるだけだって価値があるだろとやってきた。
確かにスゴイ。盛りだくさんです。
めくるめく宇宙船同士のチェイスシーンや、スターウォーズを彷彿とさせる異形の宇宙生物がゾロゾロでてきたり。
テリー・ギリアムの「未来都市ブラジル」と同じ官僚主義的シチュエーションとかあんな映画のこんなシーンやあんなシーンが次々出てきて、でもそれってイマジネーションの枯渇の証明?って、思ってしまうほどに既視感バリバリ。
あれ、やってみたい。これ、やってみたいと言うことにお金がついてしまうからなんでしょうネ…、まぁ、笑っちゃう。
それになんだかゴチャゴチャしてるんです。画面の隅々にまでいろんなコトが書き込まれていて、肝心の部分に目や気持ちが向かっていかない。
それに過剰に装飾された宇宙船や建造物。
まぁ、こういう宇宙モノを描くときゴシックな意匠を用いることが常套手段なのだけれど、それにしてもあまりに過剰。一度でいいから、ジョナサン・アイブ監修のスペースオペラを見てみたくなる(笑)。
いつまでもクロムハーツっぽい世界ばっかり描かないでよ…、と、思ってしまう。
登場人物、ひとりひとりのキャラクターが弱いのもインパクトにかける上、物語もなんだかかなりとっちらかってる。
まもなく公開期間も終わっちゃうだろうからあらすじちょっと書いちゃうけれど、人間を家畜のように扱う宇宙の支配者一家が、中でも一番生産性の高い地球の支配権を巡ってドンパチ。
それに怒った地球育ちの王家のひとりが、彼らと戦ううちにボディーガードと恋におち、ココぞというときにキスで時間を無駄遣いしたもんだから、最後の最後までハラハラドキドキ…、ってそんな内容。
トレーラーを貼っておきます。
本編がこれ以上でないのが切ない。3Dも今どきレベルに達しておらず、コストパフォーマンス悪すぎました。とても残念。なやましい。
ただ、唯一の見どころがダグラス・ブースというこの俳優。
宇宙を牛耳る王族のひとりを演じているんだけれど、彼が劇団ひとりにそっくりなんです。
静止画で見るより映像。口の動かし方とか首のかしげ方。ちょっとシニカルな表情とかが本当に似てて目が離せなくなる。
「オレ、ブース。ダグラス・ブース」って、いつ自己紹介するんだろう…、ってハラハラしながらみておりました。そんな程度の映画です。
[3回]
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2015/04/13 (Mon)
映画・音楽・アート
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日曜日
日曜の朝…、パスタを作る。
平打ち麺のタリアテッレを時間通りに茹でて引き上げ休ませる。
赤唐辛子とニンニクをオリーブオイルで軽く煮て、そこに玉ねぎ。生クリームとパルミジャーノをくわえてつめて、パスタを入れたら生ハム投入。ディルの葉っぱで香りをつけたら、瓶詰めホワイトアスパラガスをくわえてタプンと揺すって、すべてに味をなじませる。
パスタがムチムチ。チーズクリームソースもからんで、朝のお腹があったまる。
野菜を食べます。レタスにニンジン、トレビスと冷蔵庫の中の野菜を細かくきざみチーズクリームとオリーブオイルでソースを作ってドレスする。
クルトン、それから乾燥わかめをバリバリ砕いてパラリとかけて、シャキシャキ食べて、体を潤すオゴチソウ。
今日はお外でちょっと活動。出かけてきます…、ニッコリと。
ところで週末、家で仕事をしながら再びDVD。キツネにつままれたような、不条理で不可解でけれど気になる映画が一本。
スカーレット・ヨハンソンが主演している「アンダー・ザ・スキン」という映画。
サブタイトルが「種の捕食」となっている通り、異星から来た美しき捕食者が人を食べるという内容。
エロティックSFホラーなる不思議なジャンルを作った「スピーシーズ」なる映画をモチーフにしながら、それとはまるで違った1970年代あたりにヨーロッパで好んで作られた実験映画のような雰囲気の、コッテリとした映画でビックリ。
何しろ台詞が極端になく、この上の画像は異星人と人間とのセックスシーンを描いたものなのだけれど、観念的でうつくしい絵で物語がつづられる。
直接的にいやらしいシーンは無いのだけれど、スカーレット・ヨハンソンのちょっと緩んだボディーラインがあまりに無防備。ドキッとします。
主演のスカーレット・ヨハンソンには役名がなく、他の登場人物も名前を持たぬただの男たちというところ。つまりすべては一時地球で過ごしただけの異星人の主観と目線でできあがっている。
仕事をしながらのつもりが結局、見入ってしまった。オキニイリ。
それからもう一本。「ラスト・デイズ・オン・マーズ」という作品。
原題の「Last days on Mars」直訳という珍しい邦題の付け方にちょっと気持ちをひかれて買った。
ただ、火星モノは当たり外れがあまりに激しい。
それにこれ…、新宿ミラノ座のクロージング記念作品。ボクにとってミラノ座は外れ作品を引く鬼門。ブレア・ウィッチ・プロジェクトを指定席まで買って観て、見終わった後立ち上がれないほど打ちのめされた…、そんな場所。
それで少々心配しながらみたのだけれど、なかなか上等な作品だった。
火星モノにしてゾンビモノ。閉鎖空間で繰り広げられる、行き詰まるドラマに結構見入ってしまう。
ただこれだけ予算を使って、しかも丁寧な画面作りで、にもかかわらず地味なところが勿体無いなぁ…、って思いはしました。及第点。
[1回]
2015/04/12 (Sun)
映画・音楽・アート
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空飛ぶサメにキョンシー、それから5つ星
週末、書物をしながらひさしぶりにDVDを借りてぼんやり。流し見できるようにと重たくなさそうなモノを選んで何本か。
笑っちゃったのが「シャークネードカテゴリー2」。
アルバトロスっていう配給会社が配給する、アサイラムっていう会社の制作した映画。
ロストワールドとキングコングに便乗した「キングオブロストワールド」だとか、スネークフライトならぬ「スネークトレイン」。エイリアン&プレデターがヒットした年にはよりもよって「エイリアンvs.エイリアン」だとか、ヒット映画をパクった作品を次々作る。
ディザスター系が結構得意で、エグくてチープで失笑さそう情けなさが持ち味のジャンクフードのような作品…、それが案外、嫌いじゃないのね(笑)。
これもサメが巨大竜巻に飲み込まれ、空から降ってきながら人を襲うという内容。
そんなバカな!な設定、映像満載で、5分に一回は絶対笑える。
こういう作品の正しい見方は、誰が死ぬかというコトじゃなく、絶対死なない主人公の周りの人たちが、どの順番で、どのようにして死ぬかというコト。
こいつ、死ぬな…、と思ったら人が必ず死んでくれるようになったら完全に、ココの映画にハマった証拠。
今回ボクも神の如き正確さにて、死を予見できてしまったのでありました(笑)。
こういう作品が気軽に作れる。映像処理技術が進化したからなんでしょう。技術やセンスなんかより、勢い勝負のやりたい放題。こういうおバカが日本の映画にあってもいいかも…、って思ったりもする。悪くない。
もうひとつ、「キョンシー/殭屍」っていう香港映画。
これはまじめにすごかった。
キョンシーっていうと、額に御札を貼って手を前に出し、ぴょんぴょん飛び跳ねる中国の滑稽なお化けのように頭のなかにインプットされていたんだけど、こいつは一切、飛び跳ねたりはしないのですネ。
呪いに呪術に、謎の儀式に呪縛に憎しみ。
人のココロの闇に巣食っているありとあらゆるものがひとつにないまぜになり、キョンシーというアンデッドの体の中に乗り移る。
香港映画だけあって、途中からはクンフーアクション映画のようになるのだけれど謎めいた舞台設定。個性的なキャスティング。
ちょっとわかりづらい設定もありはするけど、そんなコトなんて気にならないほどにうつくしい映像処理に、キャラクター。
そして最後は愛の物語に昇華していく。
かつてJホラーが我が世の春を謳歌した頃。こういう映画が次々できた。そんな時代を思い出させる、いい映画です…、オキニイリ。
箸にも棒にもかからないモキュメンタリー系のホラー映画を借りて観て、一本ぐらいはまともな映画を観ておきたい。
それで「はじまりは5つ星ホテルから」という映画を借りた。
高級ホテルのレビューをする覆面調査官の女性を主人公とした映画で、ホテルをレビューしているシーンはたのしく、ちょっと勉強になりはしたのだけれど…。
肝心のドラマ部分がひとりよがりで、何がいったい言いたかったんだかまるでわからぬ珍作でした。
ひとつだけ、はっきりしたのは「人やモノを評価するだけの人生を送っていると人のココロがわからぬ薄っぺらな人間になっちゃう」んだというコトで、そうはならぬよう気をつけなければとわかった次第。
リスクをおそれず、考え行動する人よりも、評価する人が偉い世の中なんて変な世の中。間違っていると、思ったりした。気をつけよ。
[4回]
2015/04/06 (Mon)
映画・音楽・アート
Comment(0)
Chef
映画を觀ます…、「シェフ」というアメリカ映画。
日本での題名は「シェフ・三ツ星フードトラック始めました」という長ったらしいだけのちょっとイカさぬモノで、けれど中身は一流でした。
有名店のシェフがちょっとした問題を起こしてお店を首になり、フードトラックで起死回生を狙う物語。
自分の作りたくもない料理を作る「仕事」をしている時の主人公のシェフの顔。ドヨーンと死んでて人間関係もギスギスしてる。それが一転、自分の作りたい料理を作りはじめた途端に「調理人という人生」を笑顔で送るようになる。
シェフには離婚を契機に別居してしまった息子がいます。どこか2人はギック尺していて、ところが主人公がシェフとしての自信を取り戻すコトでシアワセな親子の関係を手に入れる。
それがこの映画の主題でしょう。
「自分は父親としては最低。男としても中途半端かもしれないけれど、調理人としては一流なんだ」と、そういう父親に息子がついていくんです。
しかもこのシェフ。誰かを叱ったり意見するときはキッチンの外に出てする。キッチンの中はゴキゲンに料理を作ってお客様を喜ばせる場所。そんなところで喧嘩はしない。働く姿勢をおそわれたりする…、感心します。
とはいえ、料理がスバラシイ。
おいしそうな料理が次から次へと「作られる」。おいしそうな料理が食べられる映画はたくさんあるけど、これほど料理が作り出されるシーンを臨場感をもって表現している映画ははじめて。
お腹をすかして観に来たら、気が狂ってしまっていたに違いない(笑)。
しかも料理の写し方とか音であるとか、すべてがとても色っぽく、例えば主人公が彼女であるスカーレット・ヨハンソンにパスタを作るシーンなんて18禁クラスにセクシー。
映画が終わったタイトルバックでグリルサンドイッチの作り方をクッキングスーパーバイザーが主演俳優に教える映像が流されるんだけど、今すぐ、真似て作りたくなる。食いしん坊にはたまらぬサービス。
しかも見事なハッピーエンディング。絶対おすすめ。オキニイリ。
アメリカ版のトレーラーと、日本のプロモーション用のフィルムを貼って比べてみます。まずアメリカ版。英語でサブタイトル無しなのだけどこちらの方が解像度高くて、それにエンディングが好きなのでコレ。
それで続いて日本語版。ほとんど同じなのですけれど、根本的に売りにしようとしているところがアメリカ版とは違ってボクはそれが嫌。
まずところどころでTwitter的コメントが出る。それが邪魔。
たしかにTwitterの大炎上がすべての話のキッカケだったり、起死回生もSNSによる口コミがキッカケだったりしはするのです。
ですけれど、それが重要なのかというと決してそんなコトはなく、多分、「間抜け顔しか映らないワイプ画面」と「親切ごかしのテロップ」無しでは制作側が安心できない今の日本のテレビ事情を鑑みてでしょう。そこにすがった。
しかも後半がキャスト紹介にまるっと入れ替わってしまってて、あぁ、コレが今の日本の映画の売り方なのね。中身よりもキャスティング。
そんなに誰が出ているか?ってコトが大切なのか。
確かにロバート・ダウニー・ジュニアやダスティン・ホフマン、スカーレット・ヨハンソンとハリウッド的スターも出てる。でもみんなちょい役。なのに彼らが出ているか見に来なさいってメッセージ。それが目当てで観に来た人は、狐につままれちゃうんだろうなぁ…。変な売り方、笑っちゃう。
[9回]
2015/03/09 (Mon)
映画・音楽・アート
Comment(4)
アナベル
ところで今日は映画の日。映画を觀ます。
「アナベル」っていう、ホラー映画。昨年10月、「日本を除く」全世界同時公開でかなりの評判をとった映画で、にもかかわらず東京でたった3館。しかも新宿以外は赤羽、昭島と小さな箱でしかかかっていない。
有名なキャストが出てない映画は日本じゃ、どれも不遇な扱い受ける。
もったいないなぁ…、って思います。
1100円という映画の日価格と、折しもの雨。それででしょうか…、劇場の中はかなりの人出。
いつもは映画を観る習慣のない人までもが映画館にきている結果かもしれないけどよりにもよって、なんでこんな怖い映画を選ぶんだろう…、ってちょっと笑った。
ちなみにこの映画。2年前に公開されてスゴイ評判をとった「死霊館」という映画の前日譚を描いたもの。
不気味な人形に乗り移った霊がいろいろ人に悪さする物語。
その人形がどういう経緯で生まれて、どのようにおぞましい存在になっていったかというコトをドキュメンタリータッチに描いていたりするのだけれど…。
こわかった。
内容自体もこわかったんだけど、映像と音。特に「闇」で心臓をグイッとつかむような演出に、劇場中が飛び上がるのがわかるほど。
日本語版のこのポスターの「死ヌマデ、遊ンデ」ってこのキャッチコピー。案外この物語の本質を上手に表現してると思う。
それにしても人形という存在。
たしかに何かが宿っているんじゃないかとおもうコトがある。人の形をした人形ばかりか、動物だったり何か架空のキャラクターだったりしたとしても、こいつの中には何かがいる?って、気配を感じるコトがある。
しかもこんな造形。まるで殺人人形チャッキーみたいな邪悪な人形が、悪いことをしないはずがない…、なんて見ているうちに思えてくるのが、なんだか不思議。
アメリカという国の郊外住宅街が、鍵をしなくても安心できた平和な時代。隣同士の近所づきあいが当たり前にありキリスト教教会がコミュニティーの中心的な存在だった時代の話。
主婦は家で家族の帰りを待つのが仕事。
男は家族を守るコトが当然なんだと思われていた時代背景の中にあって、なおさらズシンと響く愛の物語り。
そんな感じで手に汗握り、ちょっと体重減りました(笑)。
[2回]
2015/03/01 (Sun)
映画・音楽・アート
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