新宿伊勢丹の地下でお食事…、キッチンステージにやってきます。
いろんなシェフや調理人のいろんなレシピを期間限定ではあるけれどたのしむことができる仕掛けで、しかも一人前の料理の値段や調理器具、実際の調理スタッフはいつもおんなじ。
にもかかわらず、できる料理はそれぞれ独自。
食器もまるでおなじものを使っているのに、出来上がってくる料理の姿や印象が、まるで違ってみえるところがとてもたのしく、勉強になる。
目の前にオープンキッチンが広がっていて、それを間近に眺められるというのもたのしくメニューが変わるたびにどんな料理なんだろうって見にはくる。
けれどここしばらくは、ちょっと食指が動かなくってそれで今日はひさしぶり。
不思議と和食や創作料理の類には、あまり気持ちが向かないのです。
このしつらえ。
コックコートを着た人がいて、ナイフフォークが並んではじめてさまになる、この空間で食べたくなるのはやっぱりフランス料理やイタリア料理であります。
今日は若いイタリア料理のシェフのお料理。
しかも佐渡のシーフードを使ったソースをもとに書いたレシピを使って料理を作ってるという。
ワクワクしながら席につく。
冷たいお水とパンがまずきてそれから前菜。
大きなお皿に料理が3つ。
鯵と焼き茄子。
オリーブオイルと柑橘酢、それから塩で軽くマリネしたモノにタップリ、からすみを削ってあしらった冷たい料理。
大麦の粒がホツホツ、そして噛むとネットリ。
魚の香りとナスの甘みが、あぁ、夏なんだとニッコリするような季節の料理。
それから鶏のグリルのサラダ仕立てと、芋と白身魚のサラダ風…、それら料理が白いお皿にうつくしくキレイに盛られて食欲誘う。
前菜というのはお腹のゴチソウである前に、目や耳や鼻、唇だったり体のいろんな感覚をやさしく刺激し、空腹だった自分を気づかせてくれる存在…、そう思う。
それにしても鶏のグリルのおいしいコト。
分厚い切り身をじっくり時間をかけて低温で焼き上げ、だから身はフックラと縮まず分厚いまんま、中もシットリ、やさしい歯ごたえ。
最後に高温で皮目をパリッと焼いていて、鶏の脂が焦げた香りが肉全体を覆ってそれが口の中で花開く…、鶏のむな肉ならではのムッチリとした粘る食感もまたオゴチソウ。
魚の白身と茹でたじゃがいもを合わせたサラダをそのまま食べればただのサラダ…、それをトーストした極薄バゲットに塗って食べると前菜料理になるのがたのしい。
それからメインのリゾットがくる。
パスタかリゾットのどちらか選べる今日のメニューで、ソースの基本はどちらもトマト。
けれどリゾットの方だけバジルの風味がついているというのでそれでリゾット。
おいしいバジルソースってなかなか出会えずこれはどうかと、やってきたらば、香りがスゴイ。
トマトの香りや、魚の風味に混じってバジルの爽やかな、緑の香りがフワッと立って鼻から抜ける。
さてはとひと口。
ホツリとお米が奥歯を叩き、ソースがトロンと米の硬さを包み込む。
ソースのベースは魚のうま味。
そこにトマトの酸味と甘味が加わりコッテリ味のアメリケーヌソースのようになってる。
ビスクをネットリさせた感覚。
ただそれだけだと単調になる…、そこにバジルが風味を添える。
旨さで疲れた舌がバジルのスッキリとした香りにすがって救われる…、そんな感じのよきレシピ。
なにより具材のホタテがタップリ。
柱や紐と、個体全部をぶつ切りにして、だから柱のポッテリ感や紐のクニュンとした食感が多彩でたのしい…、ときおり魚の切り身が口にやってきて、それがホロッとほぐれて口がホっとする。
これはおいしい…、お店でソースを売ってるらしく、買って自分でパスタを作ってみようかなぁ…、って思ったりもした、オゴチソウ。
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