昼を新宿伊勢丹の中にある、「アジオ」でとります…、ひさしぶり。
「ここからはじまった」と言われるお店がいろんな業態、いろんな業種において存在しているのが飲食店というモノで例えば「オープンキッチンでピザとパスタを売り物にした」イタリアンレストランというお店。
今ではいろんなところにあって、珍しくもない当たり前なものになってしまったけれど実はここからブームがはじまったんだ…、とボクは思ってる。
三笠会館がこの場所で、このお店をやったときには業界の人はビックリしました。
消防法による規制とか、いろんなコトがおそらくあったはずなのにそれでも敢えてビルの中にピザ窯を置きカジュアルなイタリアレストランのビジネスモデルを完成させた。
今でも変わらず。
あまりに変わっていないところが、ありがたくあると同時に、今となっては物足りなくもあり。
例えばピッツァ。
ナポリ風のポッテリとした分厚いピザが主流の今でも、サックリとした軽い生地がまるでクラッカーみたいな食感のミラノ風。
あまりお腹に溜まらない。
だからみんなでシェアして食べたり、あるいはコース料理の一部をなすような商品構成ならばいいのだけれど、これをメインで食事をさせる。
お腹一杯にはなかなかならないかもしれないなぁ…、って。
具材は結構、工夫をしててイタリア風ではないオリジナル。
例えば「アジオ名物」と称するミートソースのピッツァをたのむと、なかなかたのしい。
粗挽きのひき肉にトマト風味の味が入って、食感たのしくしかも味わいオモシロイ。
一口目がちょっと餃子のような風味があるのもこれまたオモシロク、食事というよりこれでワインを飲めればいいのに…、って思ったりする。
もったりとしたチーズもピザがパブレストランの料理だった時代のコトを思い出させる、大人味。
それからパスタ。
開店当初は、当時でもまだ珍しかった自家製の手打ちパスタをメインに扱っていた。
それがかなり珍しくって、専門店って違うんだなぁ…、って感心をした思い出がある。
今では普通の乾麺も使った商品構成になっている。
けれどいくつか。
昔ながらの手打ちパスタも健在で、例えばタリオリーニのペペロンチーニ。
断面が正方形の角ばった麺。
色も黄色く、卵麺って感じがしてくる。
それを塩とオリーブオイル、ニンニク、鷹の爪だけで仕上げたモノで、これは本当に昔のまんま。
ホツホツとした噛みごたえ。
パスタの角が唇にあたって麺の存在感を味わえる。
昔はこの麺にイカスミ練り込み、真っ黒なイカスミスパスタを作ってて、それをアリオオリオであおって出してた。
イカスミの味わい、風味はそのままでけれど唇汚さない、洒落た料理で好きだったんだけど隣の人がたのんだイカスミパスタをみたら、スパゲティーをイカスミソースで練り上げたモノ。
あぁ、勿体ない、って思っちゃう。
昔ここによく来てたとき…、それってもう15年以上も前のことなんだけど、大抵たのんでいた前菜料理の名前を探す。
そしたらなんと同じ料理の名前があって、たのんでみたらば昔の通り。
大根とホタテ貝のマリネサラダ。
薄切りにして軽く塩したまるで大根の浅漬けみたいなしんなりしたのに、ホタテ貝の缶詰をほぐして汁も一緒に混ぜ合わせ、マヨネーズと一緒にあえる。
柚子の風味をそえて和風と洋風の中間みたいなやさしい味で、しんなりしながら、シャキシャキ歯ごたえある大根がとても軽快…、なつかしい。
粉ふきいもをホワイトソースで軽くあえベーコンと一緒に炒めてチーズをのせる。
オーブンにいれてそれを溶かして出来上がりという、これも昔のまんまの料理。
昔は1時間待ちが当たり前の待ちの行列ができていて、今ではそれほどのことはないけれどやっぱり何組かのテーブルを待つ人がニコニコしながらお店の外に座ってる。
やっぱりいい店なんだろうなぁって思ったりする、そんな午後。
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