池袋にて朝をむかえる…、それでさくりと朝ご飯。
タカセという店。
洋菓子やパンを作っている老舗のひとつで、池袋東口からほど近い駅前ビルにケーキの売り場やレストラン、コーヒーラウンジなんかを持ってる。
新宿の中村屋みたいな存在といえばいいでしょうか…、昭和なムードがビンビン伝わる。
池袋というしおれた街にぴったりとくるしおれたビルで、その二階にある喫茶室。
朝から営業していたよね…、とやってきたらば開店直後、やっていました、朝ご飯。
池袋という街。
交通の要所っていう性格がとても強くて駅の周りの道路の整備が行き渡っている。
整備されすぎて道路が広く、それでちょっとだだっ広くさえ感じる駅前。
特に東口におりると、名古屋駅にきたみたいな感じがするのですよネ。
駅前広場と言うにはいささか、まのぬけた虚ろな空間。
にもかかわらず路地を一本入るとゴミゴミ無秩序。
再開発がなされた地域と、そうじゃない昔ながらの場所のギャップが激しくて、街の特色を一口で表現するのがむつかしい。
この店があるこの界隈。
かつて三越ががんばっていて、西武や東武がありはするけどやっぱり買い物は三越じゃなきゃ…、っておじさま、おばさまが集まっていた。
そうした人たちが贔屓にしていたお店でもあり、その三越も今ではビックカメラになって上品ロケーションじゃなくなっちゃったのがちと残念。
けれどここは昔のまんま。
古びてはいる…、しかもちょっとしおれてて、けれど枯れてるワケじゃないひっそりしてて、けれどなかなか上等で、ほっと落ち着く。
昔のコーヒー。
酸味の強めのドリップコーヒーで、入ってやってくるコーヒーカップも鳴海陶器のホテルラインとこれまたかなりのなつかしめ。
モーニングセットをたのむとこのコーヒーが、おかわり自由になるのがステキ。
ABCとあるセット。
まずはピザトーストのセットをもらう。
特別、厚切りというわけじゃないトーストブレッド。
ピザソースを使わず、チーズと野菜、それから最後にケチャップをプチュっ。
だからちょっと甘めの仕上がり。
けれど具材がピーマン、玉ねぎ、ベーコンという組み合わせ。
だから食べると、ピザトーストの味が立派にするのでござる。
朝のお腹にほどよい分量、ほどよい刺激。
それにしてもこのパンがスゴクおいしい。
トースト加減もいいのだろうけど、そもそも生地がキッチリ細やか。
それをカリッとかなり強めにやいているから、上に乗っけた具材の水気をはじいてサクサク状態が長続きする。
小麦の香りも甘く、強くて、けれど必要以上に甘くない。
耳もカチッと仕上がっててこれをそのままトーストで焼いた食べたらおいしいだろうってウットリします。
そういえばこのセットって「トーストかピザトーストが選べます」って内容で、ピザトーストを選んでも値段が変わらぬ不思議なチョイス。
でもこれならたしかにパンが主役で、チーズの代わりにバターとジャムでも満足度がそれほど変わることはないかもって思ったりした、オキニイリ。
ピザトーストに、サラダとゆで卵がつくのです。
レタスとトマト。
どちらも新鮮。
色鮮やかでトマトは甘くレタスはシャキシャキ、葉っぱの食感、とても鮮烈。
それだけ食べても十分おいしい。
だから最初からドレッシングをかけて出すっていう無粋なコトはしないのでしょう。
ドレッシングが別ぞえでくる。
しかもビニールパックに入って。
給食についてやってくるマヨネーズみたいなパックに入ったフレンチドレッシング。
サラサラしてて、酸味がほのかで油分もすくない…、野菜の味を壊さぬ配慮。
そもそもこうしたドレッシングがあるってコトに、ビックリしました。
オモシロイ。
大きな玉子。
よく茹でられてて、まだほっかほか。
エッグスタンドに入ってやってくるのにかなりウットリしました。
ナイフやフォークもズッシリ重たい上等なモノ。
コーヒー用のミルクピッチャー。
あるいはケチャップやマスタードが入ったガラスの容器もキラキラ…、食べる道具や小物にしっかりお金をかけて、揃える余裕があるお店って今はとっても珍しい。
もうひとつ。
ホットドッグのセットをもらう。
ホットドッグにスクランブルエッグ。
ピザトーストのセットと同じサラダがついてデザート替わりのフルーツがつく。
かなりのボリューム。
しかもシッカリ手がかかってる。
ホットドッグのロールブレッドは、胚芽が混じったフッカリタイプ。
しかも軽くトーストしてある。
それでサクサク、香ばしく、パンが乾いているから挟んだソーセージのみずみずしさが強調される。
自分の好みにケチャップやマスタードを使って味をととのえられる。
なんだかおしゃれな感じでたのしい。
スクランブルエッグはほんのり甘めの仕上がり。
砂糖とミルクをまぜてフックラさせてる。
それそのもので十分おいしく、けれどケチャップ添えて食べると酸味と甘みが引き立って口の中がやさしくなってく。
黄桃、それからみかんにパイン。
缶詰フルーツが一切れづつ、銀紙ホイルのカップに入ってやってくるのに、あぁ、これこそが昭和の景色…、ってちょっとニッコリ。
しかも真ん中にちょこんと缶詰チェリーが一個。
不思議なコトに、フレッシュのさくらんぼうより缶詰チェリーの方が好きかもってときおり思ってしまったりする…、それもまたよし、朝のコト。
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