昼を鰻で元気をつける。
ステーキとか焼肉とかで手に入る元気は即戦力的元気で、つまりスタミナ的。
けれど鰻の元気は、じんわり効いてくるようなやさしい元気。
滋養というか。
体の栄養というよりも、ココロの栄養のような感覚。
食欲の秋にたちむかうための基礎体力を作るためにも、鰻を食べたくそれでココ。
登亭。
大衆的で、けれどキチンとしたうな丼を食べさせてくれるサラリーマンの味方的なる店であります。
新宿の店。
甲州街道と明治通りの交差点という幹線道路が交わる場所。
車の通行量は多いのだけど、歩行者的には町外れ。
伊勢丹という街の中心。
そこから高島屋というもうひとつの街の中心に向かう動線途中にあって、一時期、かなりの人が前を通った。
けれど今では地下街ができ、メイン動線から外れてしまった。
だからでしょうか…、近所は漫画喫茶やちょっとエッチな大人のお店。
ファストフードがひしめいて、雰囲気的にはニューヨークのブロードウェイと42丁目の交差点界隈みたいな感じがするのが、ちょっとオモシロイ。
ランチの限定丼、食べます。
1000円。
一日50食という数量限定。
やってきたのはランチタイムの終わりかけという時間帯。
今日の分はもう売り切れか?と、おそるおそる聞いてみたらば、あと少々のご用意があります…、と。
ちょっと待って入ったお店はほぼ満席で、けれど50食分が全部売れたワケじゃない。
すべての人が安いからって、それをたのむというワケじゃない。
自分が食べたいモノが一番おいしいモノ。
飲食店ってそういう場所に違いないんだ…、って思ったりした、オモシロイ。
陶器の丼。
ズッシリとしてご飯がタップリ入ってる。
鰻は二切れ。
ココの鰻は関西風のパリッと焼けた食感と、関東風のジックリ蒸してフックラとした鰻の中間。
ほどよくやわらかく、ほどよく焼いた香ばしさもある。
タレは甘めで、ご飯がすすむ。
山椒をパラリとふりかけて、ハフハフ食べる。
この値段にして、肝吸いがつくというのが良心的で、みればお店の中は100%オジサンたちでありました。
ココロの元気をみんな求めてきているのかな…、って思ったりした、腹いっぱい。
関連ランキング:うなぎ | 新宿三丁目駅、新宿駅、新宿西口駅
食事を終えて、お茶を飲む。
お茶といってもカプチーノ…、セガフレード・ザネッティでコクリとします。
フックラとした泡がタップリ、小さなカップの上にコンモリ。
ゆすると当然、ユラユラ揺れる。
2階の客席にトントン上がって、テーブルに付く。
そのあいだ中、ずっとタプタプ、泡が揺れててなのにカップから零れ出すことも、泡自体が壊れてしまうコトもなく、ポッテリ、カップの上で揺れてる。
健気なさまが愛おしい。
ズズッとすする。
まずは泡がポッテリ、トロリと口の中へと入ってきます。
噛むようにして。
泡を味わう。
噛むとズブズブ潰れていって、ミルクの甘味とエスプレッソの香りを発して消えていく。
なんとも儚く、けれどたしかについさっきまで泡がそこにあった名残りがおいしく、たのしい。
トロンと泡の下に隠れた液体が、口に広がり喉うるおした。
甘い。
そしてほどよくぬるい。
カプチーノって熱いとあんまりおいしく感じぬ。
エスプレッソの風味や味を感じる前に喉が焼けてしまうから。
ふうふうせずともゴクリと飲める…、だから泡と液体がひとつに混じって喉の隅々をミッチリ満たして流れこむ、その食感をたのしめる。
お腹にたまる、まるでデザートみたいなコクある飲み心地にて、午後の仕事に立ち向かう準備ができる…、さぁ、仕事。
[0回]
PR