夕方から、移動それから打ち合わせを何度かリピート…、ちと、忙しい。
それで移動の途中に軽く、夜をとる。
新宿西口のメトロ食堂街。
改札口のちょっと上。
地上からみればちょっと下というちょっと不思議なロケーション。
永坂更科布屋太兵衛という蕎麦屋があってそこの立ち食いコーナーにくる。
この食堂街のオモシロイのが、何軒かのお店が立ち食いっぽい売り場を持ってるというところ。
肉の万世はカレーコーナー。
そこの排骨カレーはワザワザくるだけの価値のある不思議な食べ物。
スタンド天ぷらのつな八は、天丼専門のカウンター。
どちらも結構流行ってて、安いだけじゃなくちゃちゃっと食事を済ますことができて急ぎのときにはウレシイ。
地下街の通路を歩いている途中途中に、カウンターで食事をしている人の背中をみるのもたのしい。
お腹がグーッとなるのです。
で、こうした売り場のさきがけが、ココの立ち食いコーナーでかなり前からやっている。
隣の蕎麦に比べて安い。
安いとはいえ、一杯640円と安い蕎麦屋ならそれで十分、かき揚げ天ぷら蕎麦がたのめる程度の値段。
立ち食い蕎麦としては高くて、ただ、オモシロイほどに流行ってる。
蕎麦屋の方はおばさまメインの客層で、おじさんたちはこっちの立ち食いコーナーで…、っていうのがはちょっとオモシロイ。
売り場自体は普通の立ち食い蕎麦のよう。
けれどオモシロイのが、厨房が横の普通の蕎麦屋さんの厨房と一体化しているというところ。
蕎麦をたのむと、蕎麦屋の職人さんが蕎麦を茹で丼にいれ、はいよ!と差し出す。
カウンターの内側に蕎麦のツユが大きな鍋で沸いている。
それをザザッとかけまわし、具材をのせる。
天ぷらメイン。
しかもイカ天、かき揚げ、ちくわ天と立ち食いそば屋の代表的な天ぷらばかりで揚げ置きのモノが保温ケースの中に入ってる。
それをつまんで、熱々の出汁にザブっとつけて蕎麦の上にそっと置いたら出来上がり。
麺を茹でるのは蕎麦屋の仕事、そこから先は立ち食い風にとコラボな感じの気軽な蕎麦。
旨いです。
麺が旨い。
緑色がかって角のキリッと立った蕎麦。
ヌルンとぬめってスルンと喉を駆け下りていく。
かけおりながら蕎麦の香りが鼻からぬけて、上等な蕎麦を食べてる気持ちが盛り上がる。
カツオの風味。
昆布のコクがかえしの香りをシッカリささえる出汁も見事で、コクリと飲むとほんの少しの渋みを感じる…、素性正しい江戸の蕎麦屋の出汁の味。
春菊天をのっけてもらって今日の夜。
春菊が具材のほぼ全てをなす緑のかき揚げ。
かなりの大きさ。
手のひら大で厚さも手のひらの一番分厚いところ位はあるでしょうか…。
春菊たっぷり一束以上は入っているに違いない量。
衣がポッテリしたとこと、薄付きのところがあってそれぞれ食感が違ってたのしい。
スッキリとした春菊のハーブな香りとやさしい甘み。
最初は乾いた衣がホクホクしてて、徐々にそれが出汁に使ってトロトロ、シットリしていく味の変化がオモシロイ。
コレ以外にも、豚バラ肉を細かく切ってそれをかき揚げ状に作った肉天や、イカ天4本とこの春菊天が同じ値段というのに最初は怪訝に思う。
けれど、その春菊の中にゴロゴロ、エビが入ってる。
エビのかき揚げというには少々、力不足の分量だけど、フワフワとした春菊にプリンとエビが混じって口で潰れていくのがちょっとたのしい、ゴチソウ。
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ところでココに来る途中…、京王モールという地下街で気になりやってきた場所に、まもなく開店の告知を発見。
かつて壁の穴があった場所。
元祖をうたう昔ながらのスパゲティーの専門店でずっと贔屓にしてたのに、やっていた人が年をとって疲れてしまったからでしょうか…。
あるいは後継者がいなかったからか、三光マーケティングフーズに身売りした。
そのうちしばらく、そのままお店をやっていた。
けれど徐々に商品の内容、クオリティーが変わっていった。
大手外食チェーンが「変える」というのはすなわち「悪くする」というコト。
よくなったのはメニューの見せ方と、店頭にぶら下げたのぼりや販売促進ツールばかりなり…、ってかなしい状態。
名前は同じ。
けれど中身はまるで別物。
切ないなって思っていたらあえなく閉店。
新業態で戻って来ますと言ってて、やっとまもなく開店。
三光マーケティングフーズが他でやってる炒めスパゲティーの店になるのか?
それともショッピングセンターの中に入ってるイタリア料理のお店になるのか?
もしかしたら「カベノアーナ」とかって名前の店になっちゃうかもよ…、って冗談交じりで言っていたらばなんとコレ。
「カヴェノア〜ナ」って名前になる…、って言うじゃない。
お店の前で思わず声上げ笑っちゃう。
生パスタとピザの店。
サイドメニューもシッカリ充実しているようで、夜はバール風を目指しているのかもしれません。
イタリア風のハイボールを充実させるみたいなコトも書いていました。
それにしてもカヴェノアーナ。
アルファベットにするときは「Cave no Ana」のなるんだろうか?どうなんだろう。
店名に添えて書かれた「produced by 壁の穴」って文字がちょっとしょっぱく切ない、開店したら試しにちょっと来てみよう。
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