かつ丼というモノを食べたくってしょうがなく…、それで尾張屋。
「尾張屋」という名前の通り、きしめんを売り物にしている店で変わったメニューが目白押し…、例えば味噌煮込みきしめんであったり、アサリとオリーブオイルのきしめん。
にもかかわらずお店の雰囲気は昔ながらの昭和なそば屋。
そのギャップがまたたのしかったりするオキニイリ。
麺にしようかとちょっと思いもしたけれど、初心貫徹、「玉子に熱をとおして仕上げてください」ってお願いをして、このカツ丼を手に入れる。
丼の中にギッシリご飯をもって、そこにカツの玉子とじ。
白身と黄身をよく混ぜて、それをタランとカツの上にかけグツグツ煮込む。
沸騰しながら固まった、玉子がまるでカツを包んだレースのように仕上がる見事。
普通にたのんでもここの玉子とじはちょっと固め。
けれどシッカリ熱を通してっていうとこうして、玉子をよく溶き固めてくれる。
白身と黄身の固まる温度が違うから、火の入り具合がまだらになってしまうのです。
出汁を含んでフックラとしたカツの衣が、玉子のレースをまとって味わい豊かになったここのかつ丼はワタクシ仕様でございます。
分厚いカツ。
脂をほとんど持たぬヒレ肉。
サクッと揚がったパン粉が出汁をすって台無しになってはいるけど、ひと噛みすると、プチュンと歯切れて、口の中でパン粉の甘い香りがしてくる。
あぁ、このカツもちょっと前までカリッとしてた。
そのカリカリを、ごめんね、台無しにしちゃってネ…。
大事にキレイに食べてあげるからっていいつつ、バクバク。
カツと玉子以外の具材は玉ねぎだけで、よく煮込まれてクッタリ飴色、けれどシャキシャキ奥歯に玉ねぎらしき繊維を感じる快感。
甘めの出汁もまたゴチソウで、出汁のシッカリきいた味噌汁までもが、ボクの好みでござる…、昔だったら汁の代わりにきしめん食べたに違いない…、大人だから今日は我慢のそんな夜。
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ほどよくお腹を満たしてお店の外にでたらば、ソースの匂い。
ここの店の二軒隣に、銀だこのお店があってそこからたこ焼き焼ける匂いが漂ってくる。
お店に入るときはそれほど匂わなかった。
ここのたこ焼き。
何十個かを一度に焼いて仕上げてく。
作りはじめの頃は鉄板の上で油が焼ける匂いがただよって、次に出汁の匂いや小麦が焼ける匂いに置き換わる。
ところがそれらが焼きあがり、ソースを塗って仕上げる頃になると一転、切ないソースの匂いにむせる。
ちょうどそのとき、ボクが尾張屋のドアをくぐって表に出たというコトでしょう。
夏の盛りにワンコインで買えるたこ焼きの個数を減らして、実質値上げをしてしまってから、しばらく気持ちが遠ざかっていた。
けれどたまらず、自分のためのおみやげにする。
家に帰って早速1個、パクリと口に放り込みます。
熱々。
しかも表面パリパリ。
5分ほどゆっくり歩いて家に持って帰ったのに、まだ熱々で上顎を焼く。
中のトロトロ。
溶岩流のようでそれがピトッとつくとなかなかとれず、ずっとこびりついて軽いやけどをさせるのですネ。
それでしばらく休ませる。
蓋をあけ、蒸気がこもらぬようにして表面温度が口の温度に近いくらいまでさますとちょうど、中の温度がほどよき熱々。
しかも「たこ揚げ」みたいなバリバリ感がおだやかになり、「たこ焼き」みたいな感じになってく。
たのしい発見…、いたします。
ところでちょっと感動的な動画を一本。
へんてこりんで突っ込みどころ満載なのに、なぜだかシンミリ感動してしまったのでシェアします。
日本科学未来館が作成したもので、アルゴリズム解析というものがいかに科学の発展に有効かというコトを説明しているアニメなんだけど、スゴいでしょ。
簡単だろうと思えるコトが、手作業でするとこれほどまでに時間がかかる。
何百万年もかかるであろう計算の結果をこうしてボクらがココで手にできているのはすべてアルゴリズムのお陰である…、って、なんだかみんなにふれてまわりたくなるほどビックリ。
それにしてもそんなスゴいことを、これほど軽く、サラッとたのしく表現できる…、アニメの力にアルゴリズムに感心する以上に感心してしまう。
コンピューターが計算するときのピコピコサウンドもアニメ的にて、でもそんなふうにして計算してるに違いないって説得力があったりするのがオモシロイ。
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