夜、新宿のゴキゲン居酒屋の「のだぴん」にくる。
ここ数カ月、何度かココにやってきてその度、「ごめんなさいね、満席なんです」ってふられてしまっていたお店。
予約をすればいいのだろうけど、なぜだか発作的にココにきたいと思うようにどうも気持ちができてるようで、それで今日はちょっと早めにお店に入った。
「カウンターでもいいですか?」って言われてラッキー。
厨房の前のカウンターに座ってお店の中を見渡すと、たしかにほとんど全てのテーブルにコースターとおしぼり、小皿がセットされててほぼ完璧に予約で席が埋まってる。
週末とはいえ外は雨、しかも給料日前という日に、にぎやかなのってステキなコト。
もともとこの店。
もっと新宿駅の近くの便利な場所にあった。
それが急に閉店し、どうしたのかなぁ…、と思っていたらちょっと遠くに引っ越した。
しかも坂道をテレテレ歩いたその先で、にもかかわらず昔のお客様はそれでもココにテクテク歩いてやってくる。
料理がおいしい。
しかもお店の人の気立てがとてもいい。
お店にやってきて、座ってお店の空気を吸っただけで気持ちが明るくなる。
今日もニッコリ。
いくつか料理をたのみます。
牛の煮込み。
牛すじ肉と牛モツをジックリ醤油で煮込んだモノで、おそらく何度も何度もアクや脂を吹きこぼして仕込んでいるのでしょうね。
キレイな味わい。
スッキリとした風味がやさしく、煮汁をゴクゴク飲めそうなほど。
一緒に煮込んだ豆腐もフックラ、キレイな出汁を吸い込んでハフハフフルフル、喉からお腹の中に向かって笑うように揺れながら流れこんでく、冬のゴチソウ。
季節のおすすめという生牡蠣で、フライとバター焼きの2種類あった。
体へのやさしさ、それに牡蠣の風味を直接味わいたくて、それでバターで焼いた牡蠣をたのんでためす。
ポッテリしてて、噛むとプチュンと歯ごたえたしか。
お腹が太った牡蠣で、噛むとジュワリと口に広がる海のミルクの滋養を感じる。
それから鶏の唐揚げたのむ。
メニューの写真があまりに魅力的にみえたもので、たのんでみたくてしょうがなく。
するとお店の人がこういいます。
大きいですよ、スゴク大きい。
その大きいのが4つついてるんですけど、2つにすることもできますよ…、って。
いえいえ、唐揚げ好きですからと4つそのままたのんで待った。
それでやってきたのをみたら…。
たしかに大きい。
指の先から手首の付け根の長さくらいで、それがガリっとココナツサブレの色に揚がってやってきた。
大きいねぇ…、ってびっくりしたら、半分に切ってきましょうか?っていう。
いやいや、そんな勿体ない。
これはそのまま、カプッと齧って味わわなくちゃ。
肉は顎でまず味わって、次に舌って順番だからとそのままカプッと食べると中までシッカリ、タレの味が入って香ばしい。
サクサクとした歯ざわりと、噛めば噛むほどおいしい脂がにじみだしてくる。
箸で摘むと重たくて、しかもグラグラ安定しない大きさ、長さに重さで、だから手づかみ。
脂で汚れた指をチュプチュプ舐めながら、バリバリサクサク、味わった。
もともとココ、信州出身の野田さんがやっているお店…、だったように記憶する。
だから信州料理がいくつかあって、例えばほうとう。
ウニのほうとうパスタっていう、ちょっと変わった料理があってためしてみます。
ムッチリとしたほうとうがまるでフェトチーネのような姿形で、けれどそれよりずっとモッチリ。
歯ごたえもあり、こんなおいしい麺があるのになんで手打ちのフェトチーネみたいなモノをありがたがってたんだろう。
そんなコトをさえ思える一品。
そのムチムチした肉厚麺に、フレッシュのウニ、それからウニの塩辛をあわせてからめてる。
おいしい。
ドッシリした味わいと、ウニの風味がとても強烈。
酒を飲んでる友人は、これでお酒がグイグイすすむと言い、ボクはボクでこれでご飯が食べられるって。
それほど味がシッカリしてて、麺ではあっても〆というよりこれはウニの料理なんだな。
クリーミーなウニのソースを指でキレイにこそげとり、ニッコリしました、オキニイリ。
それから太巻き。
昔から、ココは寿司がおいしいお店。
寿司の専門店クオリティーの寿司を居酒屋価格で食べるコトができるというのが売り物。
握りもあれこれ揃うけど、どちらかと言えば巻物に創意工夫があってたのしい。
のだぴん海鮮ロールっていう太巻きをたのむと、カウンターの目の前でお父さんが「はいよ」と作って手渡してくれる、その勢いがまずはゴチソウ。
ご飯の量より、中の具材の方がタップリ。
マグロにキュウリ、でんぶに白身。
ふんわりゆるめにやさしく巻いて、そこにウニやイクラを飾る。
噛むと口でほろっとほぐれて、口の中にご飯が散らかる。
そして魚がムッチリ、奥歯に抵抗し、ウニやイクラがトロンと口をなめらかにする。
寿司を食べてるというよりも、しゃりで食感と風味をつけた刺身を食べているみたいな感じ…、ゴージャス感にウットリします、オゴチソウ。
いろんなところに心遣いがなされてて、例えば辛口のジンジャエールがメニューにあってそれを頼もうとしたらば、うちの自家製ジンジャーがありますよ…、って。
たのんでみると正真正銘、搾った生姜のジュースに甘みをちょっとくわえたものをソーダで割ったスッキリドリンク。
飲まない人への配慮がうれしい。
食事を済ませる頃にはお店がほとんど満席…、みんな普通のサラリーマンでのびのび、ウキウキ週末気分をたのしんでるのが伝わってくる。
移転してお店を新しくしてもなお、こうして繁盛できてる名店ってあんまりない中、ココは移転してからの方がなんだかステキでたのしい。
またこなくちゃって、ガンバル元気が湧いてくるのがありがたい。
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