昼、新宿でちょっとヤボ用…、ブラブラとして昼を鉄板焼きとする。
車屋という店。
歌舞伎町の中に立派な本店がある。
そこは会席料理がメインの料亭風のレストラン。
接待場所に苦労する新宿という街にあっては得難い店で、料理のレベルもそこそこ高い。
そこの別館。
スタジオアルタの裏側あたりというのでしょうか。
新宿駅と歌舞伎町のちょうど中間くらいに位置してて、場所も便利で使いやすい。
店の一階が鉄板焼きのコーナーで、二階は和食。
ランチにお店のドアをくぐると、お店の人に鉄板焼きにされますか?
それとも和食?と聞かれて、それで鉄板焼きをと。
ひしがた状にしつらえられた鉄板を、グリルと囲んで全部で20席ほどですか。
大きくもなく小さくもなく。
どこに座っても焼き手の手元が眺められ、みっちりとしたごちそう感に満たされている。
鉄板ピカピカ。
たわしを使って何度も何度も磨き上げているのでしょうネ。
細かな傷が無数についてて、見目麗しい。
この傷の中においしい肉の味の記憶が蓄えられてる…、って、そう思ったら頬ずりしたくなっちゃうくらい。
しかもピカピカ。
真鍮製の覆いもピカピカ、包丁に鍋、油をいれたポットもピカピカ、うつくしい。
こうした鉄板カウンター。
キラキラしてるか、ギラギラしてるか。
濁点ひとつでまるで違った雰囲気になる。
ここはキラキラ。
期待感がグングン膨らむ、早速料理を作ってもらう。
焼き手は若手。
ベテラン風のシェフがかたわらでアシスタントを勤めてて、なるほど若手に経験つける意味もかね、昼は若手が焼き手にまわるというコトなのでありましょう。
夜は1万円近くのコースを売るお店。
ところが昼は1000円前後で本格的な鉄板焼きがたのしめる。
さすがに料理はちょっとカジュアル。
ハンバーグだったりチキン、あるいはハラミとこなれた値段の食材を、おいしく焼いて差し上げましょう…、とテキパキ、料理が出来上がっていく。
目の前で焼かれる肉、あるいは野菜ってなんでこんなにおいしそうに見えるんでしょう…、ウットリしながら見ているうちに、さぁ、出来上がりと出来上がる。
ハラミをまずは焼いてもらった。
量は120gくらいでしょうか…、大きな塊肉から少量切り分けた、けれど分厚いハラミ肉。
赤みが強くて、ほどよく熟成されている。
それをまずは塊のまま。
鉄板の上に置いてジュジュっと表面焼いて固めてく。
肉の脂がバチバチ鉄板の上で肉を焦がして揚がるように焼けていく。
ヒックリ返し、縁を転がし焼き上げてサクッと切ると、中はほどよきミディアム状態。
塩をパラリと振り、味ととのえてお皿に移してそこに玉ねぎ。
甘ぁくソテして飴色にまで色変えたソテオニオンをタップリのっけて、それと一緒に食べるというモノ。
甘みにかけるハラミの肉が、ソテオニオンの甘さをもらいなんともおいしい。
大根おろしを少々まぜた、ポン酢のタレもつくのだけれど塩と胡椒とソテオニオンで十分おいしく食べられる。
野菜もタップリ。
分厚い鉄板で焼きあげられた野菜がシャキシャキ。
これまた旨い。
香りも味も上等で、野菜でご飯がすすむ感覚。
肉の料理につきもののじゃがいも料理は粉ふきいも。
キドニービーンズを茹でたのを混ぜて色合い、コツコツとした食感くわえたたのしい味。
一緒にいった友人がたのんだチキン。
鶏のブレゼという調理法。
小麦粉をタップリ叩いたチキンを、皮目を下にコンガリ焼いて、裏返したらソースを加え蓋をする。
パプリカ、きのこと季節の野菜を一緒に炒め小麦のトロミがすべてをトロンと包みこむ。
最後にフランベ、さぁ、出来上がりというフランス料理のような出来栄え。
これもご飯がすすむ味。
サラダの上に細切りにした昆布を揚げて、塩で味をととのえたものがタップリのっかる。
パリポリ、砕ける感じがたのしい。
しかも昆布のうま味が野菜を、おいしくさせる。
ドレッシングがほとんどかかっていないのに昆布の味で十分おいしく食べられる。
ご飯の炊き方。
出汁の風味がおいしいお汁。
どれをとっても上等で、しかもセットでハラミのステーキが980円。
手の込んだチキンのブレゼも1000円という、なんだかちょっと申し訳なくなるほどの値段。
サービスだって一流です。
目配せ、気配りがシッカリしてて、お水がちょっと少なくなると、ササッと近づき注いでくれる。
油が跳ねてカバンや洋服を汚さないかと絶えず心配してくれもする。
この新宿で、背筋を伸ばしてたのしめるお値ごろランチの最高峰…、って思ったりする、オキニイリ。
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