「ル・プティ・トノー」でフレンチランチ。
九段下の路地に面してひっそりとあるフランス料理の気軽なお店。
昼はとても手軽な値段でプリフィックスのランチコースを用意している…、料理もシッカリしているし、都内に何軒かあるどこのお店に行っても必ずフランス人のサービススタッフがいて「ボンジュール」と声をかけてくれるところが、ちょっと好き。
「メルシ」と答えてメニューの説明聞きながら、サラダと肉のメインディッシュのコースを選んで今日のランチとすることにした。
サラダとジュースで食事がはじまる。
トレビスとキャベツとコーン。
それにツナの缶詰をタップリ加えて寝かして仕上げたコールスローのようなサラダで、贅沢なモノはひとつも使っていないのに、これがおいしい。
トレビスの苦味とキャベツの甘み。
葉っぱ野菜はみずみずしくて、それにコーンがプチッとはぜる。
ツナがシットリ。
うま味と風味を吐き出して、バゲットパンに乗っけてたべるとカナッペみたいになってくる。
本当はワインも選べる食前の飲み物なんだけど、仕事があとに控えているので、残念、りんごジュースをたのむ。
そういえばこのお店の名前は、フランス語で「小さな樽」。
小さなワイン樽をテーブル脇においてぐびぐび飲みながら料理をたのしむコトができればこの店らしさをもっと感じるコトができるかもしれないですな(笑)。
勿体無い。
そういえば、お水がワインボトルに入ってやってくるんだけど、オリジナルのラベルが貼られていてこれがいい。
「Natural Tokyo Water」と書かれてて、つまりこれは水道水ですってメッセージ。
浄水器でキレイにされてはいるけれど、正々堂々、水道水として持ってくる、エスプリとでもいいますか…、だって東京の水は美味しいモノねと思ってニッコリ。
パンを食べつつ、ジックリと待つ。
キビキビ働くフランス人のギャルソンに、笑顔がチャーミングなギャルソニエール。
パリな感じが、ジワリジワリとしてくるステキ。
そしてメインがやってきます。
ああ、めでたきかな、ローストビーフが今日の主役。
いつもココでメインディッシュを選ぶときには「ステックンフリッツ」にするんだけれど今日はなぜだかステーキ気分じゃなかったワケです。
ガリッと焼けて香ばしい、痩せたハラミ肉も歯ごたえおいしい。
けれど今日はもっと肉感的な肉のゴチソウにしたくって。
それでローストビーフをたのんでみたら。
まぁ、うつくしい…、見事なロゼ色。
ステーキになると閉じ込められている肉そのものの色が、お皿の上で花開くようにあらわになって「食べて!」と誘う。
一切分を切らずにそのまま口に含むと、ムッチリ、口の中を満たすボリュームたっぷりの分量で歯茎をネットリ撫で回しながら肉のうま味をゆきわたらせてく。
肉汁を煮詰めたソースをタラリとかけて、うま味がジュワッと流れだすけど肉そのものの味や風味は邪魔しない。
顎においしさが伝わってくるのがステーキ。
ローストビーフは口の粘膜を通してうま味がグイグイ染みこんでいくゴチソウだなぁ…、って思ってウットリ、味わった。
ステーキのサイドにつくのはフレンチフライ。
ローストビーフが同じポテトグラタンというのも肉感的に拍車をかける。
ディルにセージにイタリアンパセリとハーブがかおりたかくて、ホックリとしたジャガイモに焦げたチーズがとろりとからむ。
パリッと焼けたバゲットも味わいぶかくて、お腹もほどよく満たされる。
食後のアイスコーヒーをコクリと飲んで、メルシとテーブルチェックをすます…、背筋がシャンと伸びるゴチソウ、オフィスにニッコリ、まいります。
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