対面販売のフランスにありそうなパン屋さんとして、渋谷に衝撃的なデビューを果たした「ヴィロン」が食パンの専門店を作ったというので来ます。
「セントル・ザ・ベーカリー」という名前で銀座一丁目のガード下という渋目のロケーション。
お店の外観はパン屋というより中目黒系のファニチャーショップのようにみえて、ところがお店に入ると木造の棚にズラッと食パンが並んでて、買われるのを待っているさまが浅草にあるペリカンみたいな感じがするのがなんだかたのしい。
作っているのは食パンだけで、しかも常時3種類。
小麦粉、発酵、焼き方でそのまま食べて美味しいものから、トーストするのが美味しいものと食べ方にあわせて異なる食感、味わい、風味で作られているんだという。
そのパンの売場の奥にはカフェ。
で、このカフェの料理というのが食パンの持ち味をいかしたオモシロイ提案がなされているのネ。
例えばサンドイッチ。
フルーツサンドやエビにカツ。
日本ならではサンドイッチの他にも、ルーベンサンドイッチやBLTと、アメリカ的なるオーソドックスなサンドイッチなど20種類ほどもありますか。
それらそれぞれにおすすめのパンがメニューに表示されていて、パン屋だからこそのメニュー作りにウットリ。
メニューを声に出して読み上げてると、全部食べたくなっちゃいそう。
一人で来たのを後悔します。
ただ、朝の時間は残念ながらサンドイッチは注文できない…、トーストだけになっちゃいますがと言われて逆にホッとする。
そこで「トーストの食べ比べ」。
3種類の食パンの中から2種類選んで、トーストにしてその味わいを直接ためす。
そのトーストに、バターをつけたり、ジャムをあわせたりすることもできるし、なによりたのしいのが自分でトーストできるとこ。
お店の中にいろんな種類のトースターが30個ほど用意されてて、自由に選べる。
よく焼けるトースターを教えてくださいって聞いたらこれ…、「ラッセル」っていうメーカーのポップアップトースターを選んでくれた。
それを自分でテーブルに運んでもどったら、お店の人が壁から延長コードを引っ張ってくる。
うねうね床を這うコードがお店っぽくなく、誰かの家にお呼ばれしたみたいな感じがするのが良かったりする、オモシロイ。
3種類の食パンの中で焼いておいしいパンを2種類…、四角いパンと山高にやけたイギリスパン、それにエシレバターと国産バターが2種類、つまり全部で3種類のバターがお皿にやってくる。
トースターを強めにセットしてそこにパンを放り込んでしばらくボンヤリ。
トースターの中から甘い匂いがフワリとやってきて、ユラユラ蒸気が立ち上がる…、トーストを焼いてる時間てなんてたのしく、シアワセなんだろう。
そしてポンッとこんがり焼けたパンがトースターから飛び出してくる。
同じ焼き方で焼いたのに、パンが違うとまるで違った仕上がりになる。
イギリスパンはカサッと乾いて、中まできれいに焼きあがる。
四角いパンは水気を残して中はしっとり。
割ると中から甘い蒸気がフワッと出てくる。
イギリスパンが塩味おいしく、サクサク歯切れて粘らず壊れて消えていく。
四角いパンはトロンととろけて奥歯にたのしくからみつき、強い甘みと一緒になくなる。
味の印象がこれほど違うって、パンの世界ってスゴイなぁ…、ってビックリしつつウットリします。
そこにバターを三種類。
コクがあったり、お乳の香りが濃密だったりそれぞれ味わいことなって、それぞれパンの風味の印象を変えてくれるのがまたオモシロく、たった2枚のパンではモッタイナイって感じるほどに、食べ比べるのがウレシタノシイ。
それにしても、今までなんでこんなに簡単で、こんなにたのしいコトを誰もしようとしなかったんだろう。
広がりのある居心地の良い客席ホールにパンの売り場に、パン工房。
コックコートを着た調理人がキビキビ働くオープンキッチンと見所満載のお店の中で、笑顔でうつくしくパンが好きしょうがなさそうな姿の人が働くさまが、おそらくここの一番ステキなみどころでしょう…、「パンをおいしくたのしむ」というコトをテーマにした、世界唯一のテーマレストランて感じがステキなオキニイリ。
そうそう、トーストセットにはもれなく無調整牛乳がサービスでついてくるんだけど、これが濃厚味でこのトーストにピッタリしているところもステキ。
ちなみにこの店。
夕方6時以降は、ラ・カンティーヌ・サントルって名前になってヴィロンのパンとワインをたのしむコトができるレストランになるんだそうな。
また来なくちゃ…、今度は仲間と一緒にきて、あれやこれを試さなくちゃって思ったりした、スッカリ虜になりました。
関連ランキング:パン | 銀座一丁目駅、有楽町駅、京橋駅
[4回]
PR