昼を東京駅の近所で…、東京駅の大丸百貨店のレストラン街にやってきました。
百貨店のレストラン街にしてはかなり上等で、どこもランチというのに2000円前後のメニューをメインにすえている。
だからさすがに近隣のオフィスの人はあまり見かけず、フロアーにいるほとんどの人がご婦人方…、みんなお洒落して、カラコロ、明るい笑い声がフロアー全体を満たしてる。
イタリア料理にフランス料理、中国料理とひと通りのレストランがある中で、京都のおいしいモノを扱うお店が集まるコーナーがあって3店。
お漬物がおいしいお店や、料亭二軒…、その2軒の中の一軒「京都つるや花陽」ってお店でランチをすることにいたします。
大阪出身、今では京都に本店をおく料亭「つるや」。
関西料亭としては比較的新しい方ではある。
けれど、料理に対する姿勢や、よき食材の目利きの正しさには定評がある…、つまり良き店。
東京にペニンシュラホテルが進出し日本料理のお店を選ぶにあたって、このつるやを選んだほどであります。
夜に来ると1万円からって上等な店。
けれど昼はお弁当を中心に、ほどよき価格で京都の料理をたのしめる。
特に名物。
鯛茶漬け定食があり、それがお薦め。
それにする。
お盆の上にギッシリ器が並んでくるのが、日本の料理とニッコリします。
蓋をしたままやってくる、平たく口の広く開いた茶碗。
深い緑がシットリとした風情を作る。
小鉢が2つ。
甘味のお鉢。
それから出汁の入った急須がやってきて、どれも上等な器でくるのに、さすがを感じる。
お店の人もうやうやしくも捧げるように運んでそっとテーブルに置き、楽しみ方をさり気なく、伝えてどうぞと蓋をとる。
まずは出汁をかけまわし、蓋して30秒ほど蒸らしてお召し上がりください…、と。
言われて蓋を開けてビックリ。
想像以上にポッテリとして、色も濃い目の練りゴマがタップリかかって、鯛の切り身であろう具材を覆い尽くしておりました。
東京駅の中にある寿司清でいつも食べ慣れている、鯛の胡麻和えとはまるで違った姿におやおや。
これはそのまま食べるとおそらく、味がキツくておいしくはない。
まさに出汁をかけまわすことで完成していく料理なんだと。
言われた通りに出汁をかけ、蓋して待って蓋をとる。
と…。
鯛の切り身の表面に熱が入って白くチリッとひきしまる。
覆い尽くしていた胡麻ペーストが出汁にとけ、茶碗の中が胡麻色になり香りもポワンとあたたかい。
まずはススッと汁をすすると、胡麻のコッテリした味わいと焦げたような香ばしさ。
それが出汁の風味と一緒にやってくる。
そして鯛の切り身を一切。
ブリンと弾力見事に強く、ネットリとして歯にまとわりつく鯛の切り身の食感に、日本の西の鯛の刺身の力強さにウットリします。
胡麻の風味がこれほど強く、にもかかわらず鯛の味わい、食感が消えてしまわず一層うま味がましてくるのがさすがと思う。
ほのかに残る胡麻のエグ味と渋さがスッキリ、ひと口ごとに口をリセットしてくれて、胡麻の油がご飯の粒をやさしく包んでスルスルすべすべ。
出汁と一緒に喉をすべってお腹におさまる。
これは上等…、一口目からおいしくて、食べ進めるにしたがって海苔が磯の風味をくれたり、わさびがとけて胡麻の風味をひきしめたりと味わい変わって、飽きずにしっかりたのしめる。
ネットリとしてけれどスベスベした胡麻豆腐…、鯛がまとった胡麻ペーストとまるで違ったスッキリした味わいで、小鉢のきんぴらごぼうも上品。
それにしてもこれだけ細かに海苔やネギを刻める包丁…、見てみたい(笑)。
どんな料理にも胡麻がどこかに使われている…、セサミンパワー爆裂の体とココロにやさしい昼をたのしみさてさて、仕事にす。
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