九州からやってきた友人と、秋葉原をぶらりと歩く。
昼は「丸五」でと決めていて、それで早速、お店に向かう。
時間は11時半のちょっと過ぎ。
開店時間が11時半で、だからすぐに座れるだろうと思っていたけどお店の前には5組ほどの行列がある。
実はココ。
入場制限的なコトをするのですね。
まず一階にお客様を入れ、それから徐々に2階にお客様を入れていく。
すべてはおいしいとんかつを間違いないように提供するためのこだわりから、お客様にわがまま聞いてもらいましょうと言う配慮。
かつを揚げるお鍋の大きさは、2、3人前づつ揚げて作るのに適したモノになってる。
だから開店と同時にお店の中をお客様で埋め尽くしてしまうと料理が出なくなっちゃう。
急いで揚げようとすると、鍋の油の温度が下がり、いいとんかつになってくれない。
だから少しずつ。
厨房の作業の速度にあわせてお客様、一組、そしてまた一組。
お店の中に案内するので、だから開店と同時というのにちょっと行列。
10分ほども待ちましたか。
お待たせしましたとお店の中に案内されて、2階へどうぞと階段上がると、そこにも一人お店の人が待っていて、こちらへどうぞ…、と。
するとそこには人数分のお箸やおしぼり、それからお茶が用意されてる。
座るとすぐにサービスがスタートするという粋なはからい。
実は今日はちょっとした野望があって…。
九州のタカラソースっていうウスターソースで、ココのとんかつを食べたらどれほどおいしいだろう…、と黄色いキャップのソースの瓶を持参した上で食事をします。
お店の人にちょっと会釈の挨拶をして、ウスターソースの瓶と一緒に丸五のロゴを写真におさめる…、なんと豪華な記念撮影。
丸五のソースは甘めでフルーティー。
色白でサッパリとした揚がり具合のココのかつにはたしかにピッタリ。
香りおだやかで、揚げた油の香りを決して邪魔しない。
けれどそこにほんの少しのスパイス香。
あるいは酸味がくわわると、もっとおいしくなるんじゃないか…。
そう思って実際ためす。
ロースカツと、ヒレかつたのんでしばらく待ちます。
ボクらはお店の2階にいて、その1階には厨房がある。
だから実際、とんかつを作っているところを見ることはできないんだけど、コロコロ油が爆ぜる音やら、甘い油の香りがしてくる。
とんかつができる気配を感じつつ、待っているとひとテーブルごとに料理が次々、やってくる。
ひとテーブル分の料理ができると、一組新たなお客様が案内されてテーブルにつく。
そしてボクらの料理がやってくるときには、ほぼ客席が埋まってた。
静かだったお店の中に、おいしい香りと美味しいモノをたのしむ人のさざなみのようなニギワイが気持ちを豊かにしてくれる。
まずロースかつ。
そしてヒレカツがやってくる。
ご飯と汁がついて定食になっていて、その味噌汁の入ったお椀の蓋をキレイにふいて、そこにタカラソースを注ぐ。
一緒にやってきた人のお椀の蓋をかりそこにココのソースを注いで準備万端整う。
細かなパン粉が白く揚がって仕上がってる。
低温で、時間をかけて揚げた証拠の色白とんかつ。
筒状に揚がったヒレの断面みるとみずみずしくて中からジュースがほとばしりでる。
まるで茹でたような豚肉。
けれど茹でると水の中にうま味ジュースが出てしまう。
だからパン粉で包んでやって油で揚げる。
パン粉で守られ蒸されたように仕上がるのですね…、噛むとサクッと歯切れてムチュンと歯茎にまとわりついてくる肉。
うま味タップリ、しかも甘い香りがしてきてそこにタカラソースがスキッと絡むと肉の甘みがドッシリ、飛び出してくる。
それからロース。
こちらは脂がキレイな象牙色に仕上がっていて、噛むとスパッと見事に歯ぎれる。
ちょっと固めに身が締まっていて、顎がおいしいたくましい味。
脂がジュワッと奥歯で潰れて、口いっぱいに豚のうま味が広がっていく。
とんかつソースにウスターソースをあわせて食べると、互いのうま味を引き立ててご飯のオカズにピッタリしてくる…、オゴチソウ。
ココはソース以外にも、塩や醤油もおいしいモノが用意されてる。
しかも千切りキャベツには、野菜ドレッシングをどうぞと、自家製ソースが準備されていて、まずはそれをタップリかける。
シャキシャキとした千切りキャベツ。
使い分だけ刻んで使う。
水でシャキッとさらしているけど、さらすとすぐに引き上げてキャベツの風味や味が水に溶け出さないように配慮している。
だから甘くて、緑の香りもさわやかで。
それを野菜ドレッシングがおいしくしてはいるのだけれど、やっぱりこれもウスターソースをかけたらどうなる。
そう思ってウスターソースをかけてみる。
するとびっくり。
これも不思議なほどにキャベツの甘み、香りがとても自然でシッカリしてて、これまたご飯のオカズになってく。
かために炊けたホツホツご飯。
出汁がシッカリきいたうえ、味噌の風味がドッシリとしたとんかつに負けぬ味噌汁も、これまたゴチソウ。
蕪や白菜、ニンジン、それからキャベツを漬けた自家製浅漬。
しかも切った昆布をタップリ入れてコクと、ネットリとしたうま味を感じる。
脂にまみれた舌をサッパリ洗ってくれる、そんなおいしさ。
気づけばお店の外や階段部分で席があくのを待ってる人が列をなしていて、さてさて席を譲りましょうとお店を出ます…、ゴチソウサマです、またまいりますといいつつお腹をゆすりつつ。
関連ランキング:とんかつ | 秋葉原駅、御茶ノ水駅、新御茶ノ水駅
[0回]
PR