まだまだ寒さ緩まぬ冬の夜…、あたたかいモノで体を芯から温めましょうと。
新宿御苑の「志な乃」って言うそば屋にきます。
昼は近所のオフィスの人たちのちょっと贅沢なランチの場…、だけど夜は近所に住んでる人たちくらいしかお客様がこないのでしょう、ちょっと静かでしっとりとした風情であります。
民芸風のインテリア、こけしにピンクの公衆電話と昭和半ばで時間がピタっと止まったようなお店の中に、これまた昭和で時間を止めたがごときおばさま従業員さんが、「いらっしゃいませ」とニコリと微笑む。
時間の帯に入った亀裂に紛れ込んで昔に戻った…、そんな感じの不思議なお店。
鍋焼きそばをたのみます。
鍋焼きといえば、ほぼ確実にうどんと続く。
ときおり「鍋焼きラーメン」なる食べモノを見つけることがありはするけど、やっぱり一番自然なのはうどんでしょ。
ココにも当然、鍋焼きうどんってメニューがあります。。
けれど驚いたコトにメニュー表には「鍋焼きそば・うどん」とかかれてる。
つまりざるにうどんやそばがあり、天ぷらうどんはそばに変えてといえるように、鍋焼きうどんの麺を蕎麦にかえてもらうことができるワケです。
それはないだろう…、って最初は思った。
けれどココの蕎麦は独特。
太い。
冷たくしめたザルを食べると、アゴが疲れるほどの歯ごたえがあり少々時間が経ってもへたらぬ頑丈な麺の仕上がり。
これなら鍋でグツグツ炊いても、大丈夫かもと食べてみたらば見事にハマった。
ならばうどんで作ってもらったらどうなるんだろう…、と。
ココはうどんもゴジゴジするほどコシがあって、試してみたら確かに炊いても歯ごたえそのまま。
けれどスベスベツルツルとしたうどんの表面が出汁をはじいてうま味がのらず、蕎麦の方がおいしく感じた。
それで今日…、再び鍋焼きそばをたのんで食べた。
手打ちで手切りのザックリとした麺がトロンと、表面なめらかに炊き上がってる。
麺にあいた小さな穴から出汁がタップリ入っているから。
そばがきっぽいネットリとした食感すらも手に入れて、噛めば噛むほどうま味がじんわり口に広がる。
麺も旨いが、やっぱり出汁が見事な出来。
塩に出汁に白醤油。
うどんやそばの色を邪魔せぬスキッときれいに透き通った出汁でありつつ、うま味がドッシリ。
キラキラ油が浮いているのは天ぷら油とスープと一緒に煮込んだ鶏肉。
油もうま味の一部をなして、冬の体にたのしいゴチソウ。
大きなエビを一本サクッと揚げた天ぷらもスクリとまっすぐ律儀に揚がってプルプル、サクサク。
天ぷら衣が花咲くように仕上がり、それが出汁を吸ってく。
揚がった香りはそのままにトゥルンとなめらか、喉をスルンと撫でていく。
ニンジン、インゲン、ほうれん草、ポッテリとしたどんこ椎茸と具材も豊富で、特に玉子を「よく煮込んでネ」とお願いしたら、ほぼ完璧なる状態でした。
白味はカチッと煮上がっていて、黄身は芯だけトロンと半熟。
箸で割り、しばらくすると湯気でかたまるボクの好みの仕上がりで、ウットリしてたら厨房の中からご主人わざわざやってきて、玉子はそれで良かったですか?と。
ええ、完璧です、ありがとう…って言ったらニッコリ、次もこれで仕上げますからって。
なんてウレシイおもてなし、体もポッカリあったまり家に向かってひと歩き。
関連ランキング:そば(蕎麦) | 新宿御苑前駅、四谷三丁目駅、千駄ケ谷駅
ところで「なんてステキな」って思わせる、アイディアあふれた「本の栞」の紹介している動画を一本、貼っておきます。
「Albatros bookmark」って名前の通り、鳥がとんでるかのように本の上部を飾る栞。
これがなんともスグレモノで、まずは動画を見てください。
リボンのようなモノを本の表紙の内側に貼るだけで、本を開けば栞になってページをめくると今開いてるページにずっと挟まり続ける。
閉じると自動的に本のページに収まり、ワザワザ栞をかける手間をかけずにすむ。
とても便利で、しかも今どき、フルアナログというのにウットリ。
本当にちょっとした思いつきがこうしたモノを作るキッカケになったんでしょうネ…、それからおそらく素材もハリがあって独特なのでしょう。
この製品…、まだ試作段階で現在、製品化のための資金をサイトで調達していた。
目標金額が募れたようで、まもなくおそらく製品化…、ワクワクします、オキニナリ。
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