家の近所にてランチをとります…、肉ランチ!
四ツ谷から四谷三丁目に向かう途中にある店、「松の実亭」。
表通りから人通りのない路地に入ったところにポツンとある一軒家…、民家のようにしか見えぬ建物の一階部分にひっそりとある、まさに隠れ家風の店。
カウンターの中に厨房、その真中に肉の焼き場が作ってあって、炭がおこっておいしい香りが漂ってくる…、肉を焼き続けている店って店そのものが美味しい匂いになっている。
お値打ちなランチステーキコースが有名で、目立つ看板があるわけでなくなのにランチ時にはお客様が次々やってくる繁盛店。
まずはサラダ。
6種類ほど用意されてる今日の料理から好みを1つ。
ステーキ、ご飯、味噌汁にシャーベットが付き、それで1250円という驚き価格。
このやり方。
この値段でずっと昼をやっている。
髭がスッカリ白くなった、けれども相変わらず矍鑠としたシェフのご主人。
背筋がシャキッと真っ直ぐで、まるでくるみ割り人形みたいな日本人離れしたその造形においしさ感じる。
サービスするのは奥さんで、テキパキ、しかも笑顔を忘れぬ。
しかも料理がシッカリしてる。
熱々のお茶。
フカフカのおしぼりがきて、それに続いてサラダがストン。
千切りキャベツにレタスにスライスオニオンにキュウリがシャキッと香りを添える。
タップリ、しかもシッカリ冷たく歯ざわり、歯ごたえ見事な状態。
これぞサラダ!という感じ。
選べる料理の中からそれぞれ1種類づつ分けて分け合う…、この店、なるべく大人数で来たくなるほど選べる料理の種類が豊富で、どれもおいしく魅力的。
「エビとかぼちゃの天ぷら」っていう料理があって、これが独特。
才巻海老を芯にして、周りに茹でたかぼちゃをマッシュしたものを筒状にして衣をつけて揚げている…、天ぷらというよりフリッタみたいでカリッと表面こんがり。
かぼちゃにハーブ、炒めたオニオンがポッテリとても味わい深く、口にやってきた瞬間はちょっとコロッケみたいな食感…、ところがそれがトロンととろけてまるでかぼちゃのポタージュみたいな味わいになっていくのがオモシロイ。
エビがプリンと歯ごたえ添えてなんとも旨く、手間かけ作ったデミソース、胡椒の香りが食欲そそるモヤシもシャキッと手抜かりはなし。
「つぶ貝とキノコのグラタン」は、タップリチーズがグツグツしながらやってくる、ベシャメルソースはうま味十分…、焦げたチーズがガリガリ、まるでクラッカー。
コリコリ、つぶ貝の歯ごたえたのしくて、ご飯にのっけて一緒に食べると即席ドリアのようになる。
そしておまたせ。
ステーキが来る。
ハラミの肉の塊を、たまり醤油をベースにし練り梅を混ぜて作った梅ソース。
それにトプッと漬けて炭の上にのっける。
強火の遠火でゆっくり、じっくり、こんがり焼いてく。
ヒックリ返してタレをつけ、乾いてきたらまたタレを塗りとバーベキューをする要領で焼けていく。
急いては事を仕損じる…、って。
このことわざはおそらく塊肉を焼くときに使う言葉でありましょう…。
ゆっくり、じっくり。
肉を扱う仕草に表情がいとおしそうで、食欲誘う。
ほどよく焼けたらナイフで切り分け、ローストポテトにクレソンあしらい出来上がり。
梅の酸味がほどよく肉のうま味を引き締め、脂をおいしくさせている。
熟成きいたハラミのうま味。
歯ごたえガッシリ、顎においしい厚さに固さがまたいい感じ。
何より塩がシッカリきいてる。
これ以上、塩を使うと塩辛くなり不快になっていくであろう、その寸前でピタッと味を決めている。
「塩辛いネ」と言われることが怖くって、最近、ひと味足りない臆病者な料理を多く見受ける。
けれど肉…、特に牛肉をおいしくさせるモノは塩と火の力。
だからこうした思い切りのいい料理に出会うとウットリします。
ご飯のおかずにピッタリでもありお腹を満たすたのしさに気持ちが踊る…、味噌汁、食後のシャーベットまで見事においしいオゴチソウ。
こうしたお店が健全に、長続きして繁盛しているところを見ると、まだまだ日本も捨てたもんじゃないって思う、気持ちも晴れ晴れ、また来よう。
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