友人に誘い出されて、天狗にきます。
ボクがこよなく愛す居酒屋チェーンで、中でも新宿駅の近くにあるココ。
客層アダルトでお店の人のサービスも大人っぽくって、チェーン店を感じさせないところがオキニイリ。
今日は週末…、早い時間鯛という事もあったのでしょう、お客様の平均年齢推定50歳代の後半で、特にボクたちが座った20名ほどが座れる相席用の大テーブル。
ボクらが一番年下というシニアな景色。
おばぁちゃま同士の二人連れ、ボクの母世代の女性ばかりのグループ客や、ちょうどボクと両親が一緒に食事をしてたらこんな感じかと思えるファミリー。
しかもみんな元気にグングン飲んでいる。
ビールにワイン…、特に日本酒を飲む人たちが結構目立つのが昭和な感じ。
若い人たちを相手にしている居酒屋チェーンは、「最近のお客様はお酒を飲まなくなったから」って困ってみせる。
たしかにダイニング系のオサレ居酒屋なんかでは、ファーストドリンク。
それもカクテルみたいなお酒を一杯を2時間かけてチビリチビリと飲むお客様が多かったりする。
もう居酒屋って業態は日本じゃダメ!って彼らはいったりするけれど、いやいや、大人はまだ飲みまっせ!
それにみんないきいきしてる。
実は先日、フランスから来たレストランジャーナリストと話してて、日本でどんなお店が好き?
そう聞いたらば、すかさず「居酒屋」。
いろんな人がひとつの場所に集まって、みんなが幸せそうに飲んで食べてる。
しかも一皿3ユーロ足らずの料理があれほどキレイでしかもおいしい。
多彩な料理がたのめばまるで魔法のようにサービスされる。
そんなレストランは世界広しといえども、日本にしかない。
だから好き!って。
たしかにそうだとボクも思う…、世界の奇跡をボクらはこうして当たり前に楽しむコトができている、この日常に感謝しなけれりゃバチが当たると思います。
魚を食べようと、真さばの一夜干しを焼いてもらった。
ジリジリ、サバの脂が沸騰しながらやってくる干物…、大きく、ドッシリ分厚くて魚のうま味を引き立てる程度の塩の風味がおいしい。
箸を当てるとブリッと大きく身がほぐれ、ポワンと蒸気がほとばしり出る。
ほんの少しの醤油をかけて、レモンを搾ってパクリと食べると、ひさしぶりにお腹が動くような気がした…、食欲が湧くってなんてステキなことでしょう。
それから刺身。
天然ぶりの刺身が今日の奉仕品でしかもたった280円なんだというのでたのむ。
そしたらこんな、見事な切り身が5切れでてくる。
しかも氷を従えて。
生きてるコトがごきげんになる…、そんな一皿。
アリガタイ。
魚居酒屋というワケじゃない…、けれど魚のいろんな提案。
例えば、キラキラ光る新鮮なサバの身を刺身醤油で下味つけて、胡麻をパラッとちらした「ゴマサバ」。
九州博多の名物料理。
醤油の甘みが足りないところが関東的なレシピと思う。
それも良し。
おしのぎ用にとマグロの握りを食べる。
たった3貫。
お腹を満たすためではなくて、肴料理をユックリ時間をかけてたのしむためのほんのひと口、ふた口がうれしい配慮。
タコの竜田揚げのポン酢よごしっていうのがあって、たのむとプリッと歯ごたえたのしいタコの食感に油のうま味、ポン酢のスッキリした味わいがなんともたのしい、よき料理。
季節の野菜も料理の脇をかためます。
菜の花だし巻き卵というのがあって、出汁でゆがいた菜の花をタップリまぜて焼き上げたもの…、その菜の花がとてもやわらか。
だからクシャッと奥歯で潰れやさしい苦味を吐き出しながら、ふんわりとしただし巻き玉子の食感ひきたて、口の中を春にする。
皮ごとゆがいたそら豆に衣をつけてサクッと揚げた天ぷらは、塩で味わう。
口の中がそら豆独特のムワッとむせる匂いに満たされ、プルンと皮がはじけ飛ぶ…、最後に甘みを残して消える、なんてやさしいオゴチソウ。
しばらくするとシニアグループがユックリ席をたちはじめ、そこに部下を伴うサラリーマンがニコニコしながらやってきて、景色が徐々に変わってく。
ボクらもそろそろ帰りましょ。
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