さてさて昼に肉を食べたい。
今、食欲がちょっとおかしく、いつもおいしく感じる炭水化物がなぜだかお腹に入っていかない…、けれど元気を出さなくちゃってそれで肉。
ロイヤルホストグリルに来ます。
正式名称は「グリル&イタリアン・ロイヤルホスト」。
アメリカ的にイタリア料理とグリル料理は相性よろしい組み合わせ。
ニューヨークのミートマーケットを牛耳ってるのはイタリア系のアメリカ人で、だから彼地でおいしいステーキを食べようと思ったらイタリア人が経営するステーキハウスを選べばいい。
当然そこにはおいしいパスタやシーフードがある。
ロブスターをグリルしてボンゴレビアンコをスープがわりに〆はガツンとティーボーン。
そんな肉の楽しみ方を、日本に伝えるつもりでこうした名前をつけたとしたらばステキ。
でも実態はグリル料理だけでお客様が集まるか、ちょっと怖くてスパゲティーもおいてみましたみたいな感じで、ちと残念。
とは言えここの肉焼き用の専用グリラーは気合が入った本物で、それで久々。
やってくることといたしました。
ランチタイムのメニューはお得。
けれどちょっとかなしいところが、セットでついてやってくるスープがなんとわかめスープなのでございます。
それも水で溶く奴で、焼肉屋さんのランチで出てくるみたいなの…。
うーん、情けない。
ココにはおいしいクラムチャウダー。
あるいはオニオングラタンスープがあるというのにコレ。
ニューヨーカーな気分はまるですっ飛んで気持ちがなんだかかなしくなっちゃう。
安く売るための工夫なんでしょうけど「安物売り」なチープさを生む。
本当にスゴク勿体無くって、一体何を考えてるの…、って思ってしまう、なさけない。
最初から出来ない子なら期待はしない。
けれどこの店…、実力はある。
潜在能力はあるのにそれを発揮できない、あるいは発揮させてもらえない、だから尚更なさけない。
ランチ用のグリル料理の写真をみたら、付け合せにはブロッコリ2房という寂しい姿。
これは一体どうしたこと?って、店長さんにきいてみた。
えぇ、申し訳程度の野菜で申し訳なく思いますと…。
なるほど、申し訳ない商品をわかって出しているのですネ、ってちょっと嫌味を言いながらサラダをもらうことにする。
ランチにはメインディッシュにスープとご飯という組み合わせ。
それしかつかぬ「食事」じゃなくて「飯」的構成。
体にやさしい素材選びに注力している。
健康的な食を後押しいたしましょう…、という会社の掛け声むなしくて、ならばもっと野菜をお皿にのっけなさいよと。
言っても詮無い…、だからサラダをたのみます。
シーザーサラダ。
さすがにココの野菜選びは見事でござる。
肉厚。
そして青々している。
緑の深さが「ボクは太陽の日をたっぷり浴びて育ちました」と言ってるようで、ヨダレがでます。
実際食べると、バリバリ、とてもたくましい。
食物繊維の一筋ひとすじを前歯が感じて、奥歯でバリバリ噛み砕く、その食感がなによりゴチソウ。
大きく切った葉っぱの大きさ。
当然、ナイフで切り分けて食べなくては口に入らぬ大きさで、ザクザク、腕に伝わってくるその感触に、あぁ、贅沢だって心が踊る。
ドレッシングをかけただけじゃなく、葉に揉み込んでつくるスタイル。
チーズにクルトン、たっぷりほどこす本物派にて、これはおいしい、アリガタイ。
ミックスグリル。
ハンバーグにグリスソーセージ、それから照り焼きチキンという、どれもご飯のオカズにぴったりな肉の料理がずらりと揃う。
かつてロイヤルホストで抜群の人気を誇った料理であります。
ただ昔のハンバーグのパテやソーセージ、あるいはチキンと素材は違う。
鉄板の上でジュウジュウしてたし…。
今では静かにお皿の上で、ひっそり息を潜めるようにしてやってくる。
お皿も熱々で、必要以上に熱が入らないからこれもまたよしという感じ。
このハンバーグ。
この店の名物料理のひとつで理由は、切ると肉汁がたっぷり出てくるというところ。
焼きあがった直後の状態は、真ん中部分がこんもり小山に盛り上がってる。
切るとたしかにプチュっとおびただしい量の肉汁が飛び出してくる。
理由は簡単。
パテの中にコラーゲン分を予め、潜ませ焼くとその部分が溶け切るとプチュっと出てくる仕組み。
小龍包が肉汁まみれであるのと同じ理由でござる。
その証拠に、切った断面を見るとところどころ小さな穴が空いていて、ココに肉汁の素が仕込まれていたというワケですね。
それはそれでよし…、でもお皿の底にタップリと、本来、口に入るべき肉汁がこうして溜まってしまっているのが少々、口惜しいですか。
これをもれなく食べられるよう、下にピラフとかマッシュポテトなんかを敷いてくれればいいのに。
チキンの皮も焼けてなく、ソーセージだけは見事においしい。
今のファミリーレストランにしてはなかなかの出来栄えだけど、かつてのロイヤルホストの当然がここにもないって、それがちょっと寂しくなった。
さてさて仕事といたします。
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