夕方、ちょっと早めに家に戻りましょうと、帰る途中に甘いモノ。
何がなんでもお菓子を食べて、体をやさしく癒したかった。
疲れているのでありましょう…。
いつもならばケーキを食べようとするところ。
和菓子のやさしい甘さに惹かれる。
それでテクリと伊勢丹までいき、「虎屋菓寮」に落ち着いた。
茶寮というのはよく聞くけれど菓寮というのはまた珍しい。
菓子屋の店先の茶店のような存在だから茶寮じゃなくて菓寮なのでしょう。
粋で良い。
季節の生菓子。
「松襲(まつがさね)」。
襲とかいて「かさね」と読むのは、平安時代の十二単の色合せ。
季節ごとにかさねの種類が決まっているのだって、はじめて知った。
日本の文化は奥深い。
緑は松葉、紫色は木陰をあらわし行く秋をなつかしみつつ冬の景色に思いを馳せる…、そんな趣向なのでしょう。
それにしても日本のお菓子の目に麗しきコト。
幾何学的にパキッと形をなしている西洋菓子と違って和菓子は流麗にして、抽象的なる造形でまさに日本画。
彩色をほどこした水墨画のような幽玄世界がうつくしい。
栗を裏ごししたきんとんで作られていて中に、小豆のあんこが仕込まれている。
シットリ煮こまれ口の中で即座に潰れるやわらかな餡。
ところどころに栗の粒が残ってて、ポッテリなめらかな栗きんとんの食感にホツホツとした栗の食感混じってとてもやさしい味わい。
モンブランとは違った栗の存在感に、日本の冬をしんみり感じる。
喉が火照って、冷たい抹茶を一緒にいただく。
渋くて苦く、自然な甘みをもった抹茶と栗きんとんが出会って体に、甘い滋養が行き渡る…、疲れがフワッとながれてく。
関連ランキング:甘味処 | 新宿三丁目駅、新宿駅、新宿西口駅
体がぐったり、夜になったら咳がでてきてちょっとつらい。
おでんでも炊いてあげようかと友人が来てコトコトおでんを作ってくれる。
土鍋にアゴだし。
それから麺つゆ少々入れて、そこに練り物。
この時期、スーパーの花形商品のひとつっておでん用の具材パックなんだね…、って。
いろんな種類の、しかも若干小さめの練り物を入れてクツクツ、コトコト。
滋養をもらおうと、ゆで卵。
固茹でにしてスルンと殻を剥いて、コトリとじっくり煮こんでく。
大好物の魚河岸揚げ。
それから田舎のエビの天ぷら。
同じ地方で育った友人は、こういうときにありがたいコトこの上なし。
それからそうだ、ネギを炊こう。
冷蔵庫の中で眠っていたネギをザックリ切って鍋に並べる。
なんだか鍋の様相呈して、出汁の香りもコッテリしてくる。
弱火でコトコトやってるうちに、土鍋が蓄熱してくるのでしょう。
小さな泡が土鍋の底から沸き上がって、おでんの具材を包み込むようにあたためていく。
味をみると具材の甘みや、練り物揚げた油の風味が出汁に移っておいしくなってる。
一旦、火を止め煮含ませ休ませてから再び沸騰させていただく。
ハフハフ食べると体の芯からあったまり、汗をかいてくるのがうれしい。
プチュンと玉子もおいしくて、なによりネギがツルンと喉の奥を直撃…、アチッと思い、けれどこれこそ生きてる証拠!とニッコリしながら平らげる。
それから〆をうどんにします。
新橋にある「かおりひめ」という香川県と愛媛県のコラボ物産館にある「日の出製麺」っていうとこの半生麺が手に入ったよ…、と。
おでんを作ってもらったお礼に、〆のうどんはボクの担当。
タップリのお湯でクツクツ麺を茹でてる間に、スープを作る。
おでんを炊いたあとの出汁。
そこにお砂糖。
それから醤油で味を整え、田舎の甘い鍋焼きうどん風に仕立てる。
ネギをタップリ。
それからお揚げを甘辛煮にて、それを刻んで出汁と炊く。
茹でてるうちに麺が飴色に変わってきて、一本ためしに食べるとシコっとかなりのコシ。
時間通りに茹でて冷水でザブザブあらってガッシリしめて、それを出汁に入れてコトコト煮込んで仕上げる。
最後に生姜をタップリのせて、風邪退散!って感じのうどん。
かなり煮込んでも煮崩れることなく、ツルツルスベスベ、噛むとクチュっとたのしく潰れる…、喉にも腹にもやさしい食感、ほどよくお腹が満たされる。
それから熱っぽい、体と喉に夜のご褒美…、アイスクリーム。
コンビニエンスストアで売ってる「爽」の季節の限定商品。
完熟みかんとバニラが渦をなして仕上がっているさっぱりとした味わいのモノ…、みかんの部分はシャリッと口どけさわやかな氷菓で酸っぱい。
バニラの部分もサラッと口どけやさしいラクトアイスでできてて、口に入れるとサラッと溶けて、まるでみかんのかき氷にソフトクリームをのっけた接点…、シャリシャリ固まったところを食べてるみたいな感じ。
一個を一気に食べてもサッパリ、舌が重たくならない爽やかさゆえ、「爽」って名前をもらってるんだネ…、ってニッコリしました、さぁ、寝よう。
[6回]
PR