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2024/11/29 (Fri)
風味絶佳で和な懇親会
勉強会を終えて会食。
浜松市内の繁華街。
最近、かなり寂しくなってしまったかつての目抜き通りにある和食店。
ダイニングレストラン「風味絶佳」にて40人ほどのオジサンたちが、テーブル囲む。
おしゃれな店です。
ダイニングレストランというショルダータイトルがついてる通り、ちょっととがったインテリア。
個室メインのしつらえが良くも悪くも「港区的」な雰囲気を出す。
けれどこの店がある浜松の旧市街地のど真ん中。
昼も夜も街ゆく人がまばらなさみしい状態で、そこにワザワザお客様に来てもらおうと特別な空間をつくってオープン。
それが理由でそれなりに固定客を作ったお店。
今、街中の繁華街って絶滅寸前。
だから特徴がなくちゃなかなかむつかしい。
最初は料理も創作料理風だった。
けれどお店の雰囲気はおしゃれであっても、料理は分かり易くておいしくなくちゃだめだよね…、って考えでかなりコジッカリとした和食が基本の料理になった。
例えば刺身。
あまりに当たり前な刺身にビックリ。
しかもマグロ以外は近海物で、浜松沖に上がったものだけというその真っ当に今度はウットリ。
ハマチに鯖。
ハモにカツオとどれも新鮮。
特にハモのムッチリとした食感と噛むとプチュッと舌に吸い付くような弾力は一流のモノ。
ワサビで食べきモノと、生姜で食べた方がおいしいモノ用にと、醤油の皿が2つつくのも当たり前だけど、うれしいコト。
たのしい宴会に必要なモノ。
それはたのんですぐにやって来る酒のお代わりと、タップリ使えるたくさんの取り皿。
どちらがかけても話のリズムが途切れてしまう。
なにより刺身でうれしかったのが、生のシラスがついてきたこと。
東京ではこの生のシラスを食べるために取り扱っているお店を探してワザワザ予約をいれて食べにいくほどの贅沢品。
ここでは普通の刺身の盛り合わせ、ドッサリ、タップリついてくる。
さすがに本場は豊富ですね、ってきいたら、いやいや。
今年の海は温度が変で、シラスの量があまり多くないんです。
だからこうして地元で使って、あまり東京には出ないはずです…、って言っていた。
こんなところにも天候不順の影響がある。
他にも魚や野菜の料理があれこれでどれもがしっかりスタンダードな料理。
肉でちょっと遊んでみました…、ってそれでたのしい料理が次々。
今日のお品書きには「牛しゃぶ冷製」って書かれてあっただけの料理が、なんとそれ。
冷たい牛しゃぶを、葉っぱと一緒に生春巻きでくるんで食べるモノだった。
宴会料理にこれはうれしい。
手づかみで気軽に食べれて、しかも自分の食べる分がしっかりわかる。
しゃぶしゃぶ用のゴマダレにマヨネーズをちょっと混ぜてカシャカシャやったソースをつけて、食べるとまるでサラダのようにも感じるたのしさ。
こうした工夫はかなり好き。
続いて和牛のメンチカツって触れ込みでやってきたのが、焼メンチカツ。
和牛を包丁で叩いてまとめて、だからザクッと歯ごたえとても逞しい。
ブロセットに刺し、軽く焼いたところにパン粉をタップリのせて、オーブンの中で揚げ焼したもので、肉の旨みと食感が直接的に口に伝わる。
トマトソースがついてはいるけど、肉そのものの味がシッカリしていて十分、おいしく感じる。
刺身のワサビをちょっとかり、醤油にといてそっとのっけて食べるとなんだか「肉のたたき」を食べてるみたいな感じまでする、面白い。
〆は鰻のちまき風。
浜松と言えばやっぱり鰻。
脂の乗った鰻をフックラ蒲焼きにして、それを芯にしてもち米炊いたご飯でくるむ。
結構ギッシリ強めに巻いて、だからちょうどお餅とご飯の真ん中くらいの状態になる。
オーブンの中で表面焼いて、焦げ目をつけて、筒切りにする。
お皿にもって鰻のタレをトロンとかけて出来上がり…、という料理。
モッチリとした米の食感。
ムッチリとした鰻の食感。
その両方が手に手をとって、ムチムチ歯茎にからみつく、分量以上に満足感を味わえる。
飲食店のいろんな悩みやこれからのコト。
同じテーブル囲んだ仲間が酒をかたてにあれこれ語る。
今日はたのしく焼酎お湯割りタップリ飲んだ…、めずらしい。
[0回]
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2010/05/11 (Tue)
おいしい仲間
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Comment(2)
ホームなパーティー@オフィスでゴキゲンなり
昔、一緒にゴキゲンな店を造ってたゴキゲンな仲間に誘われ、代々木上原にやってくる。
住居仕様のオフィスというのか、オフィスにも使える住居というのかシッカリとしたキッチンのあるステキなオフィスで手作り料理でたのしみましょう…、と。
男4人が集まって、キッチン囲んでワイワイガヤガヤ。
なんだかたのしいサプライズ。
雪が降る中、オキニイリのパンがなくってさまよい歩いた。
思ったようなハムが手に入ったから今日のパーティーは成功だよね…、とか、男の料理は食材調達からスタートするモノ。
「ご馳走」ってもともとそうしたモノだから…、ってなんだかたのしくなる予感。
それにしても今日のこの場を作ってくれた建築家さん。
もうボクと20年以上の付き合いになる。
こうして会うのは3年ぶりくらいでしょうか?
お互い白髪も増えたしちょっと年取ったかなぁ…、って言ったら「Mature」になったっていいましょうよ…、と。
確かに熟しはいたしましたです、いい言葉。
ほとんど料理は出来上がってます…、って冷蔵庫の中から次々料理が飛び出してくる。
肉厚のタップリとした生ハムと、カリカリピクルス。
脂と熟成された肉のアミノ酸系の味を味わうスペイン風の生ハムじゃなく、生の豚肉を塩で〆ただけのまだみずみずしくて肉のうま味を素直に感じる生のハム。
口に入れると歯茎にまったりまとわりついて、ぬめっと喉を撫で、消える。
トマトとバジルとオリーブオイルで作ったカッケをパンにのっけたブルスケッタ。
いつも買ってる太いバゲットが今日はなくって…、って言いながら斜めに薄く切った細目のバゲットにニンニクかりかりこすりつけ、お皿に並べてカッケをのっける。
色鮮やかで簡単だけどこれほどおいしいイタリア料理の前菜はない…、って素直に思う。
ちょっと甘めのスプマンテ。
ほどよく出来た赤のイタリアワインを抜いてグラスに注ぎ、カチンと軽くキスさせて乾杯をする。
喉にジュワジュワ、泡が染み込む。
このときばかりは喉も咳するコトを忘れる…、調子いい。
サーモンマリネにチーズを食卓の上にのっけて、ただただみんなで、飲み、食べ、喋る。
パーティー料理は手間かけてキレイに装う料理より、気軽につまめて手早くササッと出し切る料理が絶対にいい。
ホストがキッチンとテーブルの間を行ったり来たりするとそれだけ、会話が途切れる。
時間がたっても変わらぬ味わい。
むしろ、時間がたって酒が進むとどんどんおいしく感じる料理。
そんな料理が今日はズラッとならんでたのしい。
ありがたい。
いろんな仕事を一緒にしたよね…、って昔話にはながさきます。
OGMとパートナー会社が手に手をとっていろんな店をたくさん作って来たけれど、実験的な店であったり、ちょっとひねった癖のある店とかを作ったチームが、今日集まったオジサンチーム。
まぁ、その当時はボクらは立派な「若手」と呼ばれた新進気鋭で、でも随分、いろんなところで苦労をしたよね…、って話題に欠かないたのしい食卓。
一緒にいった海外研修旅行の失敗話だとか、個性的な飲食店の経営者さんとの丁々発止を次々、たのしく思い出す。
イタリアワインもいいけれど、ジンファンデールのスパイシーな香りもいいでしょ…、とワインをかえて、〆にパスタをチャチャッと作る。
ワインのコルクを抜くスクリューみたいなフジリってパスタ。
タップリの塩と一緒に設定時間よりちょっと長めに茹で上げて、ラグーをタップリからめてバジル。
葉っぱちぎって、パルミジャーノをガリガリちらす。
クニュクニュたのしい食感のショートパスタが口の中で暴れて踊る。
肉の甘味がドッシリとしたミートソースにチーズのコクが、なんともおいしい。
ボニッシモ。
時間がたっても味に食感あまりかわらぬショートパスタは、今晩みたいな話が尽きぬ食卓にはこの上もなくピッタリで、時間を忘れて飲み、喰い、喋る。
ゴキゲンなり。
食後に大人のデザート、一杯。
スコッチウィスキーをオンザロックでチビチビ舐める。
旨いねぇ…。
甘味、香りになにより鼻からスキッと素早く駆け抜ける、アルコール分が蒸発していく空気感。
温度が下がるとお酒は風味を失うモノと相場が決まっているんだけれど、このスコッチはまるで別物。
グラスの中では冷たくされて冬眠している風味が口で、温められて一気に目覚める。
そんな官能的な味わい…、堪能す。
今、本当に外食産業はとても大変。
その大変は外食産業のみならず外食産業を支える産業。
例えば食材会社や物流産業、企画会社にデザイン会社もみんな大変。
大変だけど、それがチャンスと逆に思って夢を抱えてにこやかにがんばる姿勢が多分必要。
一緒にたのしい仕事をいつかいたしましょう…、って失礼をした。
雪に強風、シャーベット状の道路を歩く足取り軽い。
体もぽかっと温かい。
[0回]
2010/03/10 (Wed)
おいしい仲間
Comment(14)
生まれ来るモノ、なつかしむコト
つくばエクスプレスにて更新中!
夕方から茨城県にて、お客様が新しいお店を開店するというので、そのレセプション。
今の時期。
新規開店というのはとても勇気がいることで、めっきり減った。
市場は縮小するばかり。
お客様のニーズや気持ちがくるくる変わり、昨日までのヒットコンセプトが今日はもう駄目…、って言われる時代。
だから今日はとてもうれしい。
実は大手チェーンが失敗した場所。
それを安く手に入れて、地元の人のニーズに合わせてちょっと改装。
メニューを変えて新たなお店でチャレンジするのは地元のファミリー企業の人たち。
外食産業はそもそも「家族で営む産業」だろう…、ってボクはずっとそう思ってる。
人の健康。
人の体を作る大切な食べ物というもの。
それを作って他人に振る舞うという、とても責任のある仕事をキチンとできるのは逃げ隠れすることの出来ぬ地元に根ざした人たち。
東京から来て店長雇って、さぁ、どうぞ…、っていうのじゃ責任果たせぬ仕事。
だからこうして、家族でやってるお店が一軒、新たにできるというのはシアワセ。
ワクワクします。
レセプションということもあったのでしょう。
料理にはかなり力が入って、見事な状態。
土浦の料亭出身の板前さんが総料理長になって作ったのだという料理。
苦労の跡が見て取れる。
料亭料理と街場のお店の宴会料理は似て非なるモノ。
程よき値段で、しかもテキパキ提供しなくちゃいけない料理を作るためには、調理以外の知識と技量がなくちゃできない。
苦手なことも一生懸命、耐えて頑張りこうして料理を作ったんだなぁ…、って思うとなんだかいとおしくなる。
刺身に季節の料理のあれこれ。
寿司をつまんで〆として、程よく満腹。
最後に、スタッフ全員がみんなの前にズラリ並んで、今日からよろしくお願いします…、って。
なんだか胸が熱くなる。
地元でずっと一緒に勉強していた仲間も集まって、祝杯あげる。
ひさびさ、気持ちよく酔っぱらうほど飲みました。
昔、ボクはこの地方では「鯨飲君」って呼ばれてたほど、タップリ飲んでた。
一度、3時間ほどで日本酒二升に、ビール一樽飲んで倒れたことがあるほど。
それほどこの地の経営者さんたちは熱くて、元気一杯で、それで今日もつられて飲んだ。
けれどその中の一人にこんなことを言われた。
昔の飲み方と随分変わっちゃいましたね。
おいしそうじゃない。
心ココにあらずって感じがするからちょっと心配。
確かにそうかもしれません。
考えてみればボクが会社の経営を失敗してからちょうど1年。
それからずっと、心から何かに酔う、ということ忘れていたような。
あんまりお酒をおいしく感じないんですよね…、って言ったら「バカっ」って叱られた。
一緒に飲んでるボクたちのため、飲むならすべてを忘れて飲む。
それも仕事のひとつでしょう?…、って。
わかっちゃいるけど、なかなか思うようにいかない。
それも人生、むつかしい。
ところで今日。
オペラの日ですって朝の日記にかいたらば、「フレディーマーキュリーの死んだ日」でもあるんですよ…、ってコメントもらった。
おお、なんてこと。
ボクの音楽人生のとても大きな部分を作ってくれたのが、実は彼。
ずっとクラシックばかりを聞いていて、時に歌謡曲やビートルズのようなものを触れはしたけど熱中までは至らなかったボクの耳。
それが一瞬にしてパカーンと開いて、ああ、こんな世界もあったんだ…、と多様な世界に開眼させてくれたのがQueenというグループだった。
初めて聞いたときには、ビックリしましたもの。
ロックでもない、クラシックでもない。
ときにカントリーウエスタンな音がしたり、キャッチーなほどにメロドラマ的であったりもして、けれどどれもが美しい。
彼らの曲を聞き込むにつれ、うつくしい音楽に分け隔てなしってコトを思い知る。
好きなアルバムは「Jazz」でしょうか。
筋肉質でぬめらかな音。
音楽ジャンルをあっさり飛び越え、しかも洋の東西さえも見事に壊した見事な一枚。
ちなみに自分で唄うとなると、オペラ座の夜の「Love of my life」。
あるいはジャズの「Jealousy」かなぁ…。
どちらもフレディーマーキュリーらしいねっとりとしたメロディーラインに特徴のあるスローバラード。
気合いを入れなきゃ、ブレス出来なくって酸素不足で倒れちゃう。
難曲だけどやっぱりどしても唄いたくなる。
今日は鼻歌唄いつつ、お風呂に入ってユックリ寝ましょう、夢見つつ。
[0回]
2009/11/24 (Tue)
おいしい仲間
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Comment(10)
めでたき宴
日帰りの出雲旅。
同地を代表するレストラン経営者のご子息の結婚披露宴にお呼ばれして…、のコトでした。
家族経営の商売家で夫婦をなすということ。
とても大変なコトであります。
一日24時間が仕事のような生活になる。
ボクの両親も、四国で飲食店を経営していたときには二人になるといつも経営の話をしてた。
お客様にしかられたコト。
従業員の夫婦喧嘩のコトであったり、次のあたらしいお店のコトであったりと、なるべくボクら子供たちの前では仕事の話をせぬよう、心がけてくれてはいたのだろうけれど、それでもわかる。
夫婦喧嘩の種が、昨日のお店で起こったちょっとしたトラブルだった…、なんてコトは日常茶飯事。
一時期、そんな家族ぐるみの公私混同が大嫌いで、絶対、家を継ぐもんかって思ってた。
父の失敗で当の会社がなくなったときには、実はちょっとホッとした。
けれど今でも、その頃のコトをまるで昨日のコトのように思い出してはなつかしくなる。
ボクはそんな環境で同級生より一足先に大人になった。
人生と人生がぶつかり合う家業の空気が、多分、今のボクを作ってくれたんだろうなぁ…、って。
なにより今の父と母をみていると、人生のすべてをかけて一緒にかつて闘った戦友のような不思議にステキな充実をしたたか感じる。
家族で商売するということ。
厳しくはある。
けれどその厳しさをほんの少しでも幸せの方にいざなっていく、それがボクの仕事なんだ…、って今日はキッパリ、再認識。
親の仕事を継ごうと決意をする勇気。
その勇気ある決断を支えようと嫁いでここにやってくる人のいたわり。
背筋が伸びる、よき宴。
それにしても久しぶりに古き良き時代の日本の結婚披露宴。
飲めや歌えやのたのしい祝宴。
その楽しさをなるべく邪魔せぬようにという配慮なのでもありましょう。
宴会場に入ると既に料理がテーブルの上にズラッと並ぶ。
天ぷら、茹で蟹、ロブスターのサラダ仕立てと乾杯グラスを置くのがやっとなほどのにぎわいで、しかも料理の半分ほどが折り詰めの箱の上にのってる。
一つは赤飯。
もう一つは食べ残った料理を詰めて持ち帰るための空の折り箱。
食べ切れぬほどの料理でお客様をおもてなしする。
日本の美徳。
食べ残した分は持ってかえって、この宴会にこれなかった人に対するお裾分けにする。
日本の知恵。
ビストロ風のデザートや、仲人おかぬ式次第とか新しい装いの式ではあって、けれどこうした古風はそのまま。
やさしく、とてもあたたかい。
式を終え、現地の仲間とちょっと二次会。
披露宴を行ったホテルの離れで軽く会食。
酒をおいしくたのしめる季節のものをくださいませんか?って言ってたのんだ料理がいくつか。
山陰地方の脂がのって、しかもゴリッと歯ごたえ豊かなたくましい白身魚の刺身を少々。
そのお刺身をカルパッチョ仕立てにしてもらったのや、豚のロースト。
それに松茸土瓶蒸し。
小さな猪口に松茸をとり、出汁を注いでギュッとスダチを搾ってたのしむ。
秋ですなぁ…。
今シーズン、はじめてのこれ。
思わず顔がほころんだ。
それにしても今の日本の外食産業。
これから一体、どうなってくんだろう…、ってどこに行っても同じ話題でみんな腕組み。
背中が縮む。
安売りばかりが生き残りじゃない。
特に今の安売りは「人を安く売る安売り」で、だから結局、給料減って、購買力が落ちてゆく。
だから、安く売らずにそれでもきちんとお客様に誉めてもらえる何かをしっかり考えなくちゃ。
なかなかこれが悩ましい。
せっかく、出雲にきたのだからと、出雲の名物料理で〆る。
出雲そば。
二段重ねの割子の中に直接薬味とツユを注いでズズっとたぐる。
残ったツユは次の割子に移して新たに、薬味とツユを注いでズズっ。
無駄を生まないこうした食べ方。
多分、昔のそばはみんなこうした食べ方だったに違いない。
シジミの汁に、赤貝ご飯。
寿司ネタになる赤貝とはサイズが違う小さな貝を、醤油で煮込んでそれを炊き込みご飯とあわせる。
佃煮になる一歩手前の、シットリとした香ばしさ。
噛むとクニュっとやさしくつぶれて貝のうま味がご飯に混じる。
メリハリのある味、なかなか旨い。
山陰地方。
特に島根の東側。
郷土料理の宝庫だって、断言できる。
それだけ歴史があると同時に、外から何かを借りてこずとも地元のモノで十分おいしい料理が作れた。
その豊かさの裏返しだろう…、って思ったりしてうらやましい。
さて東京に、ひとっ飛び。
[0回]
2009/10/16 (Fri)
おいしい仲間
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Comment(4)
コリアンキッチン「カエン」の試食
富山では試食の仕事。
コリアンキッチン「カエン」
っていう店。
韓国料理のレストラン。
焼肉を売らない韓国料理店が地方で成功すること…、ってかなり稀で困難なコト。
おいしくなくちゃいけない。
でもそれは「日本人にとってのおいしさ」であるべきで、だから韓国そのままの味じゃ駄目だし、かといってまるで韓国のレシピを無視して作るとただの偽物になる。
韓国の料理の作り方を熟知した上で、それを一旦、破壊して再構築する創造力と力量が必要となる。
このお店は幸せなことに、そうした才能を持った調理長に恵まれて、だからいつ来てもその料理のクオリティの確実さには舌を巻く。
ここに来て試食するのはたのしい仕事。
毎回、新たな発見があり勉強になる、しかもなによりおいしくてつい食べ過ぎちゃう仕事でもある。
ありがたくもあり、苦しくもあり(笑)。
例えばプルコギ。
韓国では甘く、甘く仕上げるすき焼きみたいな料理でそれがここでは甘さ控えめ。
塩味がガツンと際立つ味付け。
韓国の人が来て、こんな辛いの食べたことが無い…、って泣きながら帰っていくコトがある。
…っていうけど、これが不思議とおいしくて、酒が進むことったらありゃしない。
なにしろ「あの」富山ブラックらーめんを生んだ街でありますからして、どっしりとした塩の旨味を置き去りにした料理を作っちゃ叱られるでしょう。
ご当地風でボクは好き。
なによりいいなぁ…、と思ったのがとても丁寧な作り方。
目の前で何度も何度も鍋の上の肉や野菜をひっくり返し、まんべんなく焼く。
鍋の縁の深みに溜まった煮汁を肉に吸い込ませつつ、鍋の乾いたところに戻して焼き付け、脂がカリっとなるまで辛抱強く焼き上げて、さぁ、どうぞ!って。
とてもうれしいおもてなし。
チーズトッポギをチーズ違いで何種類か。
トロトロ具合と、甘辛ソースとの相性を見極める。
ムチュンとした韓国の餅独特の、前歯のところで逃げていってしまいそうなそっけなさ。
それをチーズのトロミがやさしく包み、噛むとっかかりを作ってくれる。
辛味ソースにチーズのコクもまた良くあって、韓国でも今、流行のチーズトッポギ。
でもチーズを変えるとここまで味が劇的に変わる…、って今日までまるで気付かなかった。
風味がいいもの。
糸引き具合が派手なもの。
コクはあるけど香りがないもの…、とたしかにチーズの味の多様さは調味料の中でも屈指のレベル。
それを吟味しなくちゃ料理じゃないよなぁ…、って。
試食結果、パルミジャーノ系の香り華やかなものが一番合うってコトで、めでたく決定。
うまかった。
他にもあれやこれやと試食して、お店を閉めてスタッフみんなと夜食をたのしむ。
伸び盛りの若い人たち。
元気一杯、ボクまでなんだか若返る。
それにしても韓国料理店。
東京でも地方でも、繁盛店のメインのお客様はどちらも女性。
おじさんたちは焼鳥片手に酎ハイあおり、女性はサムギョプサル焼きビールにマッコリ、ワハハと笑う。
それぞれタノシ。
ボクの好みは女流かな…。
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2009/10/02 (Fri)
おいしい仲間
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