サカキノホトンブログチカラめし

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チカラめし

西新宿の電気街のど真ん中に、できたばかりの「東京チカラめし」って言う店。
三光マーケティングフーズっていう会社がはじめた、牛丼のファストフード。

三光マーケティングフーズといえば、２年ほど前まではずっと居酒屋ばかりを展開していた。
それが最近、楽釜製麺所をはじめたのを皮切りに、壁の穴を買収したり大食い系のスパゲティーの専門店をはじめたり。
消費者を覆う不景気気分。
居酒屋業界の過当競争。
それで徐々に、昼にお腹いっぱい業態への事業軸の転換を必死ではかっているのです。

それでこれ。
牛丼をメインにあつかうファストフード。
勝負がつきつつあるハンバーガー業界に比べて、群雄割拠。
３大チェーンがしのぎを削る、競争熾烈な市場であります。
とはいえ大きな市場でもある。
かつては男の腹を満たすことに特化した小さな市場であったけど、今ではファミリーまでもが満腹求めて牛丼店にやってくる。
一昔前のファミレスのような市場を得た今、勝算があると思ってやってきたのでしょう。

先行者とは違うと誰にもわかってもらえる工夫があります。

普通の牛丼は煮て作る。
タマネギなんかと一緒に煮こんで、それをご飯にかけるだけ。
けれどココでは焼いて作る。
味付けをした肉をこんがり焼き上げて、それをご飯にのっけて食べる。
牛丼というより、カルビ丼とか焼肉丼とか言えば分かりやすいのに、それをワザワザ「焼き牛丼」と名乗るところに、これから大きな市場に心してチャレンジしますと言う意思を感じる。

やってきたのを見て思う。
安売り焼肉。
あるいは食べ放題の焼肉店で「カルビ」と呼ばれる牛肉の部位。
ちょうどそれらのお店の一人前ほど。
大抵、２８０円で売られているのを焼いてご飯にのっけてそれでオープン記念価格がちょうど２８０円。
今、一番、安く手に入れやすい肉。
それを使って商品作れば絶対損せぬ料理ができる。
分かっちゃいるけど、それを真剣にやろうとするにはかなりの勇気と手間が必要。
ちょっと待ちます。
あらかじめ仕込んだモノをかけてどうぞという料理じゃない。
だからファストフードというよりも「ややファストフード」って言う感じ。

甘辛いタレ。
焼肉のタレとすき焼きの割り下を半分半分にあわせて混ぜた…、みたいな味わい。
旨いです。
甘めで万人受けする分かりやすい味。
ただ肉がほんの少々、脂っこいですか。
焼いてはいるけど、炭とか網とか使わず焼いてる。
だから脂が取れてはいない。
焼けたフレーバーが食欲をそそりはするけれど、食べ続けると飽きてくる。
七味であるとか、辛味噌だとか調味料がたくさんカウンターにそろっててそれで味を変えつつ食べる。
牛丼屋さんにつきものの紅しょうがじゃなく寿司屋さんにあるガリがある。
シャキシャキとした歯ごたえと、苦味と酸味が結構、肉の脂にあってて旨い。

ここの丼には味噌汁がつく。
しかもこれがサービス以上のクオリティー。
出汁がしっかりきいていて、油揚げにネギがタップリ散らされている。
はじまったばかりのビジネス。
だから理想をまだおいかける余裕と勇気があるのかも。
お店の中に脂の空気が満ちている。
しばらくいると、体に脂の匂いがつくのがちょっと残念。
お店をでたら、会社の幹部社員でしょう…、近づいてきてアンケートを取らせていただけませんか？と、アンドロイドタブレットを手に質問してくる。
なかなかスマート。
質問項目も的をいていて、会社の力を思い知る。

牛丼メニューを貼っておきます。

コレ以外にもカレーや定食、エビフライや唐揚げなんか用意されてる。
どれも今時ファストフードの価格になってる。
なにもココまで安くしなくてもいいのになぁ…、ってこうしたお店をみるたび思う。
もうちょっとだけいい肉を、もうちょっとだけキチンと焼いて、ほんのもうちょっとだけ高く売ってくれれば、みんながみんな、もうちょっとだけ、シアワセになるんじゃないのかなぁ…、って。
そんなコトを思ったりする。
それにしてもできたばかりで、驚くほどの勢いでどんどんお店を出している…、なんだかちょっと切なくなっちゃう、気長に先を見守ろう。

[1回]

2011/07/20 (Wed) FF・デリ Trackback() Comment(2)

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もう少しだけ

メニュー写真より下のコメントに全面的に賛同いたします。

もうちょっとだけ幸せになるための出費を惜しまない人は、たくさんいると思うのにどうしてこういったお店が増えたんでしょう？

購入は投票行為といいますから、NOと思うお店は利用しないようにしてます。
でも、そのせいで更に安売りに走ったら、いやだなと思うのです。

mio さん / 2011/07/21(Thu) /

編集

いろんな勉強

> mioさん
程よい安さ。
程よい分量。
程よいおいしさ。
程よいというコトの積み重ねが、心地良い何かを作り上げるコトなんだろうなぁ…、と思います。
みんながたのしめる、みんながシアワセになる程よさ。
それを探りだすことをこれからの仕事にしなくちゃ…、なんて思います。

サカキシンイチロウさん / 2011/07/21(Thu) /

編集

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