ヤボ用ついでに新橋まで来て、ついでに朝食。
駅前の昭和なビルの中にある、カフェラミルにて朝を食する。
バブル絶頂の頃、高級喫茶店として華々しく登場をして、瞬くうちに次々出店。
それも銀座や新宿の一等地への出店で、しかもどこのお店もきっちりキレイに作り込まれたインテリア。
白い漆喰壁にココア色した古木を柱や梁に使ったフランス辺りの田舎風…、そうした箱にアールデコっぽい華麗な椅子や装飾品がおかれたしゃれた造りの店で、時代の空気をうまく反映させた両店。
その分かなり高価でもあり、お茶にケーキで2000円。
ホテル価格を平気でとってた。
それもすっかり過去のこと。
今ではずいぶん、お店も減った。
それも本来、この店があるべき上等なロケーションのお店は絶滅。
家賃が稼げぬお店になってしまったのでしょう。
例えば新橋のこの場所みたいな「喫茶店が成立できる」場所にそっと棲息してる。
昔は朝食なんて提供しもしなかった。
けれど今では全力で、朝の時間をガンバるお店になっちゃった。
セットは2つ。
トーストがメインのものと、サンドイッチの2種類がありサンドイッチの方も焼いたモノだというので、それにした。
白い楕円のプレートにグリーンサラダとスープ、それからサンドイッチがキレイに並ぶ。
サラダ用にあらかじめ千切って用意されているミックスリーフをつかっているのでありましょう、モソモソ、サラダは情けない。
スープも具はソテオニオンだけという質素なモノで、ちょっとガッカリ。
同じコンソメ系のスープでも、ルノアールで出すいかにも粉末ビーフコンソメみたいな方が、期待させない分、ましかもネ…、って思いながら体がほんわか、あったまる。
サンドイッチは見事でした。
パンが良い。
まず薄さ。
中の具材を支えた上で、手づかみにして持ち上げて、へたらない程度の厚さ。
つまりごく薄。
それから生地。
気泡をタップリ含んだパンで、甘味をあまりもたない塩味。
焼くとそれが自然な甘味にかわって、サクサク、乾いて仕上がる。
そしてコンガリ、よく焼き状態。
業務用のトースターならではの火力の強さで焼き上げられた証の焦げ色。
しかも周辺部分はクルトン状に焦げ仕上がってる。
軽くて、香り豊かでしかも前歯をくすぐる感じがステキで、ボク好み。
トロンとなめらかな玉子サラダをフィリングに、レタスで歯触り、トマトで風味を添えている。
しばらくすると、具のみずいみずみずしさがパンに移って、ちょっとシットリしてくるところもまたおいしくて、夢中でハフパク、食べ上げる。
かつて一杯1000円近くもしたコーヒー。
しかもお代わりなんて当然できず、その一杯を時間をかけて大切に飲んだものでありましたけど、今ではそれも昔の話。
朝はお代わり自由にて、ゴクゴク気軽に飲める味になっちゃった。
朝のブレンドってこともあるのでしょう。
よく言えば飲みやすくって、でも味わいサッパリ、深みを感じぬ普通のコーヒー。
高かったけどおいしくてウットリするようなかつてのおいしいコーヒーを売らなくなってしまったのは、彼らのせいじゃなくてボクらの財布のせいかもしれないなぁ。
本物風の食器たち。
シュガーポットにミルクピッチャー。
ぴかぴかキレイに磨かれたスプーン、フォークとかつての上等を一生懸命装おうとしているけれそ、来るお客様はそんなことに頓着なしの鷹揚さ。
おじさんたちの普段の財布の値段ではない。
だから仕事の打ち合わせ。
会社でするにはいささかちょっと生臭い、本来ならばひそひそ声でするはずの、投資話を大きな越えでするおじさんたち。
あるいはずっと携帯電話でなにやら秘密めいた指示を誰かにだしてるおじさん。
時代をこえて、バブルな空気が似合う店だね…、って思ったりした、オモシロイ。
さてさて仕事、電車に乗ってレッツラゴー!
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