赤坂で寿司を食べて昼にしましょう。
鮨兆という店を選びます。
赤坂という街。
ここ20年ほどで、韓国料理のお店が集まる街って認知を受けた。
特に最近。
近所に韓国系の大企業の日本法人が次々、オフィスを作ってからその傾向に拍車がかかった。
けれど元々、この街は天ぷらだとか、寿司のお店が多い街。
地下鉄銀座線の通る街。
浅草、上野、銀座に赤坂。
日本で一番古い銀座線。
当時の東京の人がゴチソウと思った料理のお店がそれらの街には集まり、互いに切磋琢磨し今に続いてるんでしょう。
ここのお店がはいっている、ここのビルにはもう一軒。
ランチのかき揚げ天丼で有名な天ぷら屋さんが入ってる。
そこは2階でここは3階。
どちらも昼時になるとにぎやか、人気のお店。
そういえば、ここから歩いて1分足らずで、マグロの漬けと穴子のちらしで有名な寿司屋さんもある地域…、ランチ天国のど真ん中。
昼のメニューは「ばらちらし」だけ…、座ると「今日はいかがしましょう?」って尋ねられるので「少なめ、普通、多め」の中からその日のお腹の具合で答える。
ご飯の分量…、のコトであります。
今日は普通の分量で。
それでも漆の寿司桶はズッシリ重たく、手からお腹が空いてくる。
桶の中にはギッシリ具材。
魚はマグロにハマチ、イカにそれからヒラメのエンガワ。
クルンとまるまる茹でたエビ。
厚焼き玉子にキュウリにイクラが彩り添えてとてもニギヤカ。
花咲くようでうつくしい。
角が丸まる四角い器の四隅に青梅、わさびにガリにタクワンと、色とりどりで今度は目からお腹がすいた。
具材を箸でよけると中から酢飯が出てくる。
酢飯といえども中には胡麻と刻んだかんぴょう、それに軽く混ぜ込まれた漬けのマグロを刻んだものがそこに混じってどこを食べてもいろんな具材の味がしてくる。
トビコがプチプチ、奥歯ではぜて魚のいろんな食感を引き立てなんともにぎやかな味。
ネットリとしたマグロの食感、コリッとエンガワ、イカがネットリ奥歯で粘りイクラがプチッとはじけると口の中がみずみずしくなる。
シットリとした厚焼き玉子とキュウリのカリッと砕けて緑の香りがしてくる。
ちらし寿司とはまるで違った味わいで、実はボク、握り寿司は好きだけれどちらし寿司は苦手とずっと思ってた。
ボクにとってちらし寿司とは、上具としゃりをどのように食べればいいかわからぬ厄介な食べ物で、具材を醤油につけてはシャリにもどして食べる。
それなら握ってくれればいいのに…、ってずっと思っていたのだけれど、ココのばらちらしに出会ってこれなら、にぎりではない意味があるよね…、って納得しました。
ご飯と具材が渾然一体…、しかも食べるところで味や食感がまるで異なる、一口ごとに新たな驚きがやってくるのがステキでかなりのオキニイリ。
しかもココ、汁が2種類。
ひとつは白味噌、もうひとつは赤味噌の汁がやってくる。
白味噌の方の具材は玉子がひらひら。
かつおの出汁の風味がやさしく、これがちらしと一緒に最初にやってくる。
ちらしを半分ほど食べたところで、赤だしが来る。
これが熱々。
しかも魚のあらの風味が強烈で、これぞ寿司屋の汁っていう感じ。
同じ汁でもこれほど味と風味が違う。
スゴく得した感じをもらう。
食べ終わる寸前に葛の黒蜜がけがやってきて、甘さでお腹を蓋する。
おごちそうさまってお代を払うと、また、おまちしておりますってお辞儀と一緒にどらやき、一個くれ、それで1500円という値段。
ランチとしてはちょっと贅沢、けれど値段以上の価値がかならず感じるステキ。
あんこが苦手なボクであります…、さてさて、今日のどら焼きを誰に上げようと思いながら午後の仕事に向かえるたのしさ、それまで含んだ値段であります。
オゴチソウ。
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