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サカキシンイチロウノホトンドゼンブノブログ
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    1960/01/26
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    昼を軽く人形橋で…。

    c70160df.jpegちょっと気になるお店があって、ワザワザ足を伸ばしてきます。
    くんかれ」って店。
    昭和の風情が色濃く残るこの街に、不似合いなほど近代的でキレイな超高層マンションビルの一階にある。
    この超高層ビルに先駆けて、隣の街の浜町に立派なビルができたときには、新しくってピカピカなモノが似合わぬ街があるんだよねって思ったりした。
    例えば浅草。
    神楽坂。
    歩きまわるのがたのしく、全てが人間のサイズに合わせてできている街。
    歩きながら見上げて目線の届く範囲に全てがあって、空が大きく見える街に、人はやさしさだとか懐かしさのような気持ちをもつのでしょう。
    高く大きく、新しくなる。
    そればっかりがいいことじゃない。
    とは言えこのビル。
    低層部分はビルをあんまり意識させない、他の街角と一体化するように作られてはいる。
    銀行や携帯電話の代理店のような家賃が払える店舗じゃなくて、飲食店をこうして配置してるのもそうした配慮…、いい感じ。

    caf7b330.jpegそしてこの店。
    くんかれって名前の由来は「燻製カレー」。
    カレーのルーも、カレーの具材もみんな燻製して、煙の風味をたのしんで…、という趣向のお店。

    銀座に有名な燻製料理のバーがある。
    かつて、新宿の町外れにはチャーシューや煮玉子を燻製にして、一世を風靡したラーメン屋があった。
    料理のおいしさを構成するいろんな要素。
    例えば味や香りや温度。
    それらの中で、家庭で再現するのが一番難しいと言われているのがフレーバー。
    素材の持ち味を引き立てる香りとでもいいますか。
    例えば薪窯で仕上げたピザの香り。
    例えば炭で焼いた鰻の蒲焼。
    人工的に似た香りをつけようと思えば出来はするけれど、フレーバーだけつけてもそれがうま味に変わるとはいえない…、つまり手間をかけなきゃ味わえぬモノ。

    そして燻製。
    木のチップに火をつけてブスブス煙を出させた上に、具材をかざしいぶして仕上げる。
    使う木を使うとそれぞれ風味も変わる。
    煙の香りって、なぜだか人をなつかしくさせる効果があるようで、例えばハムやソーセージでもスモークするとどこか素朴で味わい豊かに感じてしまう。
    それを売り物にしたお店。
    店に入ると入り口脇の壁一面が燻製室になっている。
    そこからやわらかくって香ばしい煙の香りがやってくる…、まるでボクまで燻製されてるみたいな感じにお腹がグーッ。

    40c36b97.jpegご飯とルーが基本のカレー。
    それに自分の好みのトッピングを選んでくわえるというシステム。
    まるでラーメン店のよう。
    しかも具材の種類が厚切りベーコン、鶏のグリル、玉子にチーズという品揃えもラーメン店のチャーシュー、味つけ玉子を彷彿とさせてニッコリ。
    カレーを食べる人たちはラーメンを食べる人たちでもある。
    同じ市場の同じ層の人たちに、分かりやすいというコトはいいことでもある。
    オモシロイ。

    ルーは二種類、レギュラー、それからスパイシー。
    どちらもルーの段階で燻製させてて、だから香りが香ばしい。
    スパイシーなルーを選んで、一口食べると、あれって思う。

    カレー臭さがないのです。
    口の中で一番最初にやってくるのは、煙の香り。
    そして甘くて若干酸味を感じる味で、煙のソースを食べてるみたい。
    舌の上でそれがやさしく広がって、後味としてカレーの味や香りが出てくる。
    油の香りや味がしないのでサラッと次々、お腹に入って収まっていく。
    カレーを食べると胸焼けをする。
    それって多分、カレーの風味をつけるため使われている大量の油や脂が悪さするから。
    油脂にたよらぬ風味を燻製という調理を借りて付けているからいいのでしょうネ…。
    ボクは「ベーコンチキン」の盛り合わせ。
    一緒にいった友人は「全部のっけ」でそれらを分けあい食べ進む。

    1a8a0c20.jpegムチュンと脂ののったベーコン。
    煙をまとって豚のうま味や香りがサラッと食べやすく、けれど味わい濃厚なまま。
    燻製チキンはタンドリーチキンのスパイス抜きを食べてるみたいな素直な味で、ムッチリとした鶏の食感も強調されてる。
    燻製卵はまぁ、こんなもの?
    チーズも果たして燻製しなくちゃいけなかった?って思いもするけど、アイディア自体はステキと思う。

    カレーのルーとご飯の量のバランスが、なんとも絶妙。
    固めに炊かれたご飯もおいしく、サイドに付いた角切りキュウリ。
    ピクルスかなぁ…、と思って食べたら、ただただ普通の生のキュウリの角切りだった。
    それがシャキシャキ、みずみずしくて、その食感とさわやかな緑の香りだけをたのしむ。
    だからカレーの香りや味を損なわないがよい工夫。
    ココット状の陶器の鍋に入ってくるのがまた面白く、そうそう、磁器で作ったスプーンが舌と唇にやさしくなめらか。
    細かなところに気を配り、独自な世界を作り上げてる。
    世界観のあるお店って、いいよなぁ…、って思ったりした、近所にあったらいいのにな!




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    無題
    とっても美味しそうなカレーですねo(^▽^)o
    全部のっけが食べてみたいです!!
    lovekuma69さん / 2011/05/21(Sat) /
    一枚のっけ
    > lovekuma69さん
    全部のっけも贅沢ですが、鶏の胸肉を一枚まるごとのっけたのもあるようです。
    なかなかによくできた料理。
    カレーなのに不思議とお腹が空いてくれるのがうれしかったり致します。
    サカキシンイチロウさん / 2011/05/21(Sat) /
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