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サカキシンイチロウノホトンドゼンブノブログ
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    1960/01/26
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    銀座でランチ。

    sb.jpgル・ジャルダン・デ・サブール」というフランス料理のレストラン。

    銀座とはいっても大河のごとき昭和通りを越えた東側。
    それも限りなく新橋に近い界隈で、表の人通りはかなり少ない。
    もともとこの界隈は新橋演舞場を中心に、料亭や小料理屋が建ち並ぶ艶っぽい町だったのだけど、最近、かなり疲れてきてる。
    道ができ産まれる町もあるけれど、町を死に導いてく道もある。
    車のために作った道が、歩いて生活する環境を壊してしまったかなしい事例。
    とはいえ本当に価値があるなら人は集まる。
    ここもおそらくそんな店。

    小さなビルの一階と地下と言う、ちょっとかわった構造の店。
    地下は料理の発する声に耳を傾けて贅を味わう料理のための空間。
    つまりお行儀のよいレストラン。
    一方、1階はバーと言う位置づけになってはいるけど、昼は明るく開放的で友達同士で語り合うのに、よき空間。
    夜はおそらく、料理ではなくワインと語り合うのがたのしく感じる空間。
    こじんまりしていい感じ。

    その両方でランチをやってる。
    地下ではコース。
    一階ではクイックランチと言う位置づけで、けれどどちらも地下にあるメインキッチンで作られる素性正しい料理だというオモシロサ。

    46e14cec.jpegクイックランチをいただきます。
    メニューは三つ。
    肉と魚と牛ヒレステーキ。
    肉の料理とステーキは日本の方には別物だから、というこの品揃え。
    理にかなってて悪くない。
    どれもパンとスープにメインディッシュという最小限の商品構成。
    だから料理と料理の間の待ち時間が、手持ち無沙汰になってしまうお一人様にやさしくもある…、ありがたい。
    魚を選んで、しばらくするとポタージュがくる。

    デミタスカップに熱々、なみなみ。
    色鮮やかでかぼちゃのポタージュかって最初は思った。
    ところがなんと、これがニンジン。
    風味豊かで、ちょっとハーブの明るい風味がするようで…。
    しかも甘い。
    砂糖をタップリ入れて作ったのか?…、って思うほどに甘くてけれど、これがおいしいニンジンそのものの味なんでしょう。
    ニンジンの甘みと風味の下にはドッシリ、うま味をたたえた出汁がすべてを支えてる。

    お店の名前、ジャルダンは庭。
    サブールは風味という意味で、つまり「風味や香りが花咲くように渦巻くお庭」のようなレストラン。
    なるほどたしかに、この小さなカップ一杯のスープが発する、香り、風味の鮮やかさってとても特別…、すばらしい。

    285cd474.jpegメインの魚。
    クロムツの切り身をカリッと焼き上げた、ポワレがメイン。
    それほど分厚い切り身ではなく、けれど皮目はバリバリで、にもかかわらずその内側部分はフックラ、シットリ。
    かなりの入念、丁寧と、熟練の技で焼き上げなくては、こうはならない。
    それをささえる茶色いブランケットのようなピュレ。
    タプナードかと思ったら、キノコをマッシュにしたものだった。
    秋のゴチソウ。
    パセリとハーブの香りをうつした溶かしバターとオリーブオイル。
    シャキッと歯ごたえさわやかな炒めた小松菜サイドにそえて、これも風味が際立つ一品。
    なにより感心したのがこれの塩加減。
    これ以上、塩を使えば塩辛くなる。
    塩のうま味が魚の甘みや風味を引き立て、おいしい料理にさせる。
    お腹だけじゃなく、ココロが満腹になっていく。

    9d4c7fa3.jpegカカオのケーキにコーヒーもらって、お昼のお腹に蓋をする。
    ボクが今日のファーストゲスト。
    お昼を過ぎた頃から徐々に、お客様が集まりはじめて、心地良い程度のにぎやかになる。
    この1階を切り盛りしているのが、とても陽気なソムリエ男子。
    話題豊富で、お話好きで、なにより料理やワインのコトが好きで好きでしょうがない。
    好奇心が旺盛で、どんなワインにも取り柄があってステキですよね…、って言い切る笑顔がちょっと好き。
    それにしても日本という国。
    この東京のフランス料理店のランチはおそらく世界一、安くおいしい。
    ラーメンなんかに1000円払う余裕があるなら、たまにはこうしたフレンチランチを食べれば男も上がるのに…、って、コンビニ弁当の袋をぶら下げオフィスに戻るおじさんたちの姿を見送る。
    再び移動で、仕事とす。

    拍手[1回]

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    ■ コメント一覧
    無題
    キラキラ系肉食だからお肉ランチと思いきや、お魚をチョイスされたのですね♪
    キョーコさん / 2010/10/29(Fri) / URL
    時には
    > キョーコさん
    ココのお店のエレガントな感じが、お肉じゃなくてお魚…、って耳打ちしてくれたような気がしました。
    ときにこうしたイレギュラーは昼をするのもまたよろしいかと。
    サカキシンイチロウさん / 2010/10/29(Fri) /
    みとゴルゴ
    うーここ、会社からすぐなので一人ランチする場所です。地下はまた異なる雰囲気なんですが、1Fも客層よくって気に入っています。クラシックなフレンチって感じが大人っぽいんですよねー。
    NONAMEさん / 2010/10/30(Sat) /
    大人ランチ
    > みとゴルゴ
    大人ランチにはピッタリな場所ですよね。
    そういえば、パンがおいしいのにビックリしました。
    銀座の外れ。
    穴場的レストランかなぁ…、って思いました。
    サカキシンイチロウさん / 2010/10/30(Sat) /
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