今日は銀座線をいったりきたりしながら仕事をする一日。
東京メトロの銀座線。
駅それぞれにおいしいお店が集まっている、地下鉄の中でも屈指のグルメラインだって思える充実。
浅草からはじまって神田をすぎるまでは大衆的で懐かしめの店。
銀座前後は高級店。
それから徐々に、オシャレなお店が増えてくる…、という、過去から未来へお店の性格がかわってくるのもおもしろいトコ。
今日は御徒町で仕事があって、よし、あの店に行ってやろう…、と。
御徒町食堂というお店。
その名の通り、まさに食堂。
それも昭和の時代の食堂そのもので、まずロケーションが驚くほどに渋くてビックリ。
ガード下。
秋葉原からつながるこの界隈のガードは高くて、だからガード下もかなり豪快。
線路の下に二階建ての家がゆうゆう、収まっている…、その一階。
大きなショーケースがドカンと置かれ、大きな袖看板がとびだしている。
両側にあるお店どちらも同じく昭和。
ショーケースを覗き込む人。
お店に入ってそこに座って食事する人。
みんなのどかで、タイムスリップしたようなそんな気になる…、ボクも昭和な気分でチョコンと椅子に座って注文します。
刺し身や唐揚げ、揚げ物や、ラーメン、中華風の炒め物。
何屋的という範疇の中におさまらないほどいろんなメニューが揃ってる。
もともとここの先代は、満州にいて食堂経営をしていた人。
戦争終わって、引き上げて、それでココで店をはじめた。
だから中国料理あり、和食もありと、できるモノを何でも揃えてサービス精神旺盛に。
その先代はなくなって、今では息子さんと先代の奥さんが親子二代で店を守ってる。
厨房の中の職人さんは、息子さん以外は昔からの人たち。
だから味はほとんど昔。
ただ、ひとつだけハンバーグを息子さんがつくり始めてそれが名物に今なっている。
最近、テレビで紹介されて、ますます人気になってるのよ…、って、以上のコトを奥さんが、ずーっとボクの横に立ち話してくれた。
それを今日は食べてみよう…、と思ったんだけどなんと売り切れ。
やっぱりテレビ効果で来る人、来る人、みんなハンバーグばかりを注文されるから、午前中の仕込みが全部なくなっちゃった…、って。
まぁ、しょうがない。
中華料理のメニューから選んでみようと、青椒肉絲の丼とラーメンのセットをたのんだ。
やってきたのはちょっととっちらかった感じのセット…、忙しかったのでありましょう。
お待たせしました!っておかぁさんがニコニコしながら持ってきて、ごめんなさいねって置いてった。
家庭的がいいのでしょう。
青椒肉絲丼は、少々甘め。
炒められたというよりも煮詰めた感があっていささか残念なでき。
とは言えご飯のおかずとしては十分で、なによりピーマンがシャキシャキおいしい。
千切りキャベツのサラダがついてて、それにラーメン。
このラーメンがなつかしおいしい。
ラーメン丼になみなみ一杯。
透き通ったスープは黒い。
醤油の黒さ。
富山ブラックみたいな色で、けれどスッキリ脂っこさはない。
鶏ガラスープ。
それに煮干のスープでしょう。
ダブルスープがはやる前から、日本人が好む味を作っていくと結局こうした味になる。
スキッとしてる。
けれどコクがあり、コッテリ甘い。
甘さがウマさの時代の味わい。
麺は縮れた中細麺で、いわゆる中華そばと呼ばれる類の麺。
かんすい多めで口に入れると、アンモニアっぽい匂いがするのもなんだか昭和。
甘いメンマに煮こんで仕上げたチャーシューに、ネギに茹でたほうれん草。
ナルトがあります…、目に鮮やかで、海苔がペロンと風味を添える。
胡椒をタップリふりまわし、大人味にしてズルズルごくんと味わった。
ノスタルジーをたのしむランチ。
旨いのか?というと他に、たくさんおいしいお店ができた。
けれどこうして昔ながらを守りつつ、家族でやってるお店が元気にココにある…、それが一番うれしいコトって思ったりした、ゴチソウサン。
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