ランチを洋食でとったあと、次の仕事の時間まで近所の喫茶店でお茶にしました。
喫茶去快生軒という店。
喫茶去と書いて、キッサコ。
「去」の文字に特別の意味はなく喫茶という言葉を強調する役割をする。
つまり「お茶を一服いかがですか?」という意味という。
中国の偉いお坊様が、貧富貴賤の客を選ばず自ら無心に点てたお茶で来る人をもてなしたという故事にちなんだ、この言葉。
それを店名としたお店は他にも結構たくさんあって、なかでもこの店。
古くからあり、来る人拒まぬ街に溶け込むさまはまさに喫茶去、オキニイリ。
昭和の風情が色濃く残り、お店のドアをあけるとそこには木造のコーヒーテーブル、赤い鞣しの革が貼られた椅子が並んで、お客様を待つ。
喫茶去という名前の通り、老若男女、問わぬお客様がニコニコしながらお茶を飲む。
クリームソーダをたのんで飲みます。
昭和のお店のクリームソーダは、素性正しきなつかしの味。
濃い目のメロンソーダに、甘いアイスクリーム。
グラスも脚高のソーダグラス。
うやうやしくも、銀色メタルのコースターを従えやってくるのであります。
これに缶詰チェリーが入っていたらば、まずは完璧。
それは我慢で、チュルンとすする。
まずはソーダをある程度、吸っておかないとソーダの泡が溢れちゃう。
氷もさわらず底の部分をストローですすると甘いシロップがそのまま口にやってくる。
三分の1ほどお腹におさめてそれから、アイスクリームと氷とソーダが触れ合うところをスプーンですくってシャリッと食べる。
あぁ、おいしい。
氷の周りの冷たくなったソーダをあじわい、泡でジュワッと喉を洗う。
それからしばらくぼんやりとして、アイスクリームが溶けるにまかせる。
するとトロンとメロンシェイクのようになってく、それをチュルチュル、大きく音を立てながら飲み干しニッコリ、気持ちが明るくなるオゴチソウ。
気持ちは少年、半ズボンな気分になって、ココロも軽く、さて、仕事。
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仕事を終えて新宿周りで家に帰る…、途中に軽く蕎麦をたぐった。
永坂更科布屋太兵衛。
地下鉄の新宿駅の上にある、地下食堂街の中のお店でズルンと軽く。
生粉打ち蕎麦ってオキニイリ。
そば粉100%の太い麺。
ヌルンとしてて、歯ごたえ抜群。
江戸前の蕎麦は、ズルンと噛まずにたぐるモノ。
しかもタレに先だけチョコンと浸して蕎麦の風味や味を味わうモノ。
とそう言われている食べ方がことごとく通じぬ田舎風のガッシリ蕎麦で、タレにタップリ浸して食べる。
しかもモグモグ。
噛んで味わう。
最初はタレの味や風味が口に広がりよろこばせ、ところが徐々にそのタレの味がなくなっていく。
代わりに口の中が蕎麦の旨みや香りに置き換わってく。
味の変化がオモシロク、しかもトロンと粘り気もって口の中で存在感を発揮する。
細長く、歯ごたえのあるそばがきみたいな味わいで、少量ながら満足感をたのしめる。
わさびやネギの薬味をつかわず、ただただ蕎麦の味わい味わう…、健康的が体の中をかけめぐるたのしいゴチソウ。
湯桶から注ぐそば湯で薄め、タレを味わう…、蕎麦でたぐったときには気づかぬカツオの香りや昆布の風味、それがフワッと鼻から抜ける。
蕎麦を盛りつけたザルを支える赤い木枠。
そこには大きな水滴がポツリポツリとたまってて、蕎麦とは水をたぐる食べ物。
みずみずしいけれど、決してみずっぽくはない、そのデリケートを味わう料理であったんだって思ってニッコリ。
それにしても蕎麦という食べ物…、そば猪口だったり湯桶だったり道具にこだわる料理だなぁ、おじさん達が蕎麦を習い始めるキッカケに「道具フェチ」って部分があるに違いないって思ったりした、さて、帰ろ!
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