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サカキシンイチロウノホトンドゼンブノブログ
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    サカキシンイチロウ
    年齢:
    65
    性別:
    男性
    誕生日:
    1960/01/26
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    昼を銀座で。
    「唐井筒」と言う割烹料理店。

    tiz.jpg夜はすっぽん料理の専門店になる高級店。
    昼は魚がおいしい手軽なランチがたのしめる。
    銀座に何軒かある、高級クラブばかりが入っている「ソワレドビル」のひとつに入居しているテナント。
    そう言えば、料理の鉄人で有名な道場さんのお店も別のソワレドビルに入ってる。
    高級クラブと高級和食レストラン。
    案外、相性がいいんだろうなぁ…、って思ったりする。
    どうなんだろう?
    夜はにぎやかなんだろうけど、昼間は人の気配すらない無人ビルのようなビル地下。
    ビルの外に大きな看板があるわけじゃなく、目立たぬ場所に小さな暖簾。
    引き戸をガラッと開いて中に入ると、開店直後だったからでしょう。
    ボクらがめでたいファーストゲスト。
    カウンターの一番端に案内されて、目当ての料理を注文しお店の中を眺めます。

    e870a5f2.jpeg白木のきれいなカウンター。
    真新しくてピカピカきれいなのではなくて、白木を何度も何度もゴシゴシ丁寧に磨き上げ、それで削れてキレイになってる。
    それでもとれぬシミがところどころに残ってて、それがむしろ真新しいよりキレイに見える。
    そっと撫でると細かな凸凹がコツコツと手に伝わってくるのもステキ。
    決して大きくはない厨房の中。
    キレイに整理整頓されて、どこもキラキラ、磨かれている。
    おいしい料理はそのたたずまいがうつくしい。
    「うつくしい味」と書いて美味しい料理は同じく「うつくしい厨」にて出来上がる…、というコトなのでありましょうね。
    ウットリします。

    ほどよくぬるく、香りやさしい煎茶にお箸。
    分厚いおしぼりがまずやってきて、厨房の中で料理がユックリ仕上がっていく。
    10分ほども待ちますか。
    その10分に次々お客様がやってきて、ほどなく満席。
    厨房の中はフル回転で料理が次々、出来上がっていく気配がしてる。
    お新香、小鉢、汁にご飯がやってきて、メインのおかずの出番を待ちます。

    そしてこれ。
    34685e8a.jpegカレイの揚げおろしというココの名物。
    今はなき銀座の名店「関西割烹 出井」という店の名物料理で、そこで修業した人のお店はみんなカレイをこの流儀にて調理する。
    ちょっと厚めに衣をつけてバリッと揚げた唐揚げに、ワザワザ出汁をかけまわす。
    熱々にした濃いめの出汁。
    醤油の風味が濃厚な汁に少々、大根おろしを混ぜたのをタップリかけてそれで油をサッパリさせる。
    さっぱりさせるだけじゃなく、そのだし汁が衣をプルンとなめらかにして一度に「焼いた」魚に「揚げた」魚に、それから「煮た魚」までをたのしめる…、っていう魚好きにはたまらぬ料理。
    分厚く太って玉子を抱いたカレイ丸ごと。
    カレイ独特のねっちりとして、うま味濃厚な身の旨いこと。
    パリッと揚がったヒレは見事に香ばしく、皮がムニュンと口全体をなで回す。
    出汁浸しになりながら、それでも揚げ立ての香りや風味をなくさないのが、不思議でそしてステキなところ。
    揚げただけならご飯のおかずになりづらいとこ、こうして揚げて出汁に浸すとご飯が不思議とどんどん進む。
    骨からほぐれた身が出汁をタップリすって、ご飯にのっけてザブザブ食べる。
    なんだかとてもなつかしい味。
    オゴチソウ。

    265278ac.jpeg一緒に行った仲間が食べた「ブリの七味味噌煮」っていうのもビックリするほどおいしかった。
    分厚い切り身に味噌を塗り、こんがり焼いた料理なんだけど、その味噌が七味をタップリ抱いていて後から口がポカポカあったか。
    ご飯がいくらあっても足りぬ濃厚味でウットリとした。
    遠目にコッテリ、味噌の香りがしてきそうなほどの鯖の味噌煮や、小さな土鍋で煮込まれるスッポン雑炊もおいしそうで、また来たくなる。
    食後のぜんざいも程よい甘さでお腹にやさしく蓋をする。
    銀座と言う街。
    こうしたお店が普通にある街。
    新宿、青山、赤坂と東京にはたくさんの盛り場あるけど、こうした昼の楽しみは銀座ならでは…、ありがたい。

    食事を終えて喫茶店にてあれこれ話をしていたらテレビでフィギュアスケートのライブ中継がはじまってお店のみんながひととき、ご機嫌な愛国者になり拍手する。
    ちょっとたのしい、昼下がり。

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    銀座でお昼。
    「ひょうたん屋」って鰻のお店。

    hyoutan.jpg場所はMatsuzakayaさんの裏っ側。
    昔ながらの地名で言えば木挽町の近所というコトになりますか。
    銀座界隈で一番裏寂れた感がある通りに面した小さなビルの1階と言う場所。
    控え目な概観に地味な暖簾。
    今時の飲食店は絶対真似ぬ、昔ながらの良き専門店の風情がステキ。
    中に入ると鰻の寝床。
    カウンターにテーブルいくつかと決して大きくはないお店のサイズが、専門店としては非常に良いサイズ。
    お店の人の目が行き届き、座って緊張することのないとても心地よい雰囲気が良い。
    ランチはうな丼、うな重と4種類ほどの品揃えにてどれもほどよい値段がまた良い。
    カウンターの端に陣取り、うな重たのんで待つことにする。

    ad3c8279.jpegすると、ホールを差配する女将さんが近づいてきて、サッと新聞を置いてくれます。
    それと一緒に、お茶と漬け物。
    鰻という料理は待つのをたのしむ料理。
    座ってサッと出てくるのでは風情もないし、おいしくも無い。
    その待ち時間を退屈させぬようにというこのステキな配慮、ありがたい。

    カウンターの反対側の端、入り口近くに焼き場があって、そこで鰻が焼かれています。
    開店直後というのにいくつもお重が次々作られていて、どうしたことか…、と思ったらそれを竹で編んだ篭に詰め若い衆が飛び出していく。
    出前です。
    ランチのはじまる前にまとめて出前を取る…、ってなかなか粋な会社が近所にあるものって、なんだかウットリ。
    炭場の中では60過ぎくらいのご主人ですか…、見事な手際で鰻を焼いてく。
    江戸の鰻は蒸してから焼く。
    箸でさわると崩れてしまうほどに蒸し上げ、それを焼く。
    だからフックラ、やわらかでそれはそれにておいしいけれど、ボクが育った日本の西では蒸さずにそのままこんがりと焼く。
    実はボクの父が昔、経営してたのは鰻がメインの和食レストラン。
    そこの鰻も串を打った生の鰻をタレつけながら、ジリジリと焼く関西風でここの鰻はその流儀。
    その焼き姿がとってもステキでなつかしく、ウットリしながら見とれてた。

    もしもボクの父がその飲食店をそのまま今でも経営してたら、ボクもこうして鰻を焼いていたのかなぁ…、と。
    その人生もまたシアワセで心豊かなモノだったかもしれないな、とも。
    人に用意されてる人生は一つじゃなくて、本来いくつもあるんでしょう。
    どれを選んでも一生懸命、シアワセなように生きていくのがステキなコト…、ってちょっと思った、しみじみと。

    aee0a98b.jpegやってきたここのうな重。
    ツヤツヤとした焼き加減。
    脂をポタポタ落としつつ、自分の脂で焦げていく。
    炭に落ちた脂が触れてジュワッと煙があがり、それが燻して香りがつくのがなんともおいしげ。
    噛むとムチュンと歯にまとわりついてくるような、ムッチリとした歯ごたえ、食感。
    ああ、なつかしい。
    これが鰻!…、ってそんな味わい。
    やっぱりこうした鰻の方が、ボクの口にはあうって思う。
    甘味控え目でサッパリとしたタレが関東風、と言うのが唯一、田舎のうな重と違うとこ。
    けれどおいしい。
    噛めば噛むほど脂が滲み、鰻のうま味がジュワッと口に広がっていく。
    ああ、なつかしい。
    なつかしい。
    贔屓にしましょ…、また来ましょ。

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    銀座インズって商業施設。

    budoya.jpg外堀通りに添って走る高速道路の高架下というロケーション。
    にもかかわらず、地下1階地上2階という三層構造。
    テナントの半分くらいが、飲食店という構成。
    間もなく閉鎖されるという西武百貨店が入っているマリオンまでは有楽町。
    ココから銀座?…、っていうまるで結界のような場所。

    地下一階に「葡萄屋」っていうお店があります。
    焼鳥の専門店。
    面白いコトに、この店ばかりか同じフロアに何軒もの鶏料理の専門店が入ってる。
    ココが銀座に買い物に来るご婦人方の場所ではなくて、近隣で仕事をしているオジサン達の楽園なんだということわかる。
    おもしろい。

    54e47bad.jpegかっちりとした古木造りの内装で、お店に入るとココがビルの地下ってことを忘れるようなのどかな雰囲気。
    鶏の焼き場をのぞむカウンター。
    ドッシリとした木のテーブルに椅子が並ぶ、かなり広めの居酒屋空間。
    夜は落ち着いて飲めるんだろうなぁ…、ってそう予感させるたのしいお店。
    開店とほぼ同時にお店に入って、だからすんなり座れたけれど後から続々、人が集まる。
    繁盛店なのでありましょう。
    ランチは丼、それから定食。
    焼き鳥をのっけた「とりめし」。
    だとか、唐揚げ定食と焼き鳥屋さんらしいランチ料理が並ぶ中、ちょっと気になったのが「ジャン丼」というモノ。
    通常サイズと、ミニサイズってのがあって、どうミニなんですか?って聞いたらご飯が少なくなるかわりにサラダが付く…、って言うのでミニにしようと最初は思う。
    けれど、追加で「鶏の唐揚げもらいましょう」って言うとそれならミニじゃなくて普通のがいいかもしれないですよ…、ってアドバイス。
    唐揚げのサイドにサラダがあしらわれてて、だから丼にサラダをつけるとダブっちゃう。
    …、とそのありがたき言葉に従い、通常ジャン丼にすることにした。

    お店に入って、まずは注文、そしてお金を払って客席に着くというランチに混雑する店はらではのシステムに、不思議と気持ちが上がります。
    忙しいお店のランチって、おいしい予感がしますから。

    4ac95eaa.jpegしばらくしてやってくる、これが「ジャン丼」。
    鶏のもも肉を炭でコンガリ焼き上げて、それをそぎ切りご飯の上にのっけたモノ。
    塊のまま焼いた鶏肉はとてもジューシー。
    表面コンガリ。
    焼き鳥も旨いけれど、こうして焼いた鶏の風味はまた格別。
    しかも歯ごたえ抜群で、噛みちぎりながらたのしむ顎においしいオゴチソウ。
    ご飯の上には刻み海苔。
    茹でた小松菜、白髪ネギ。
    それにこの商品名の由来の味噌、「ジャン(醤)」がとろりとかかってる。
    鶏のそぼろがタップリ混じった田楽味噌のようであり。
    白髪ネギ一緒に食べると、北京ダックの味噌のようでもあるオモシロさ。
    みそ汁、お新香、フルーツと丼回りがにぎやかになる。
    半分くらいをそのまま食べて、後はグシャグシャかきまぜてビビンバみたいにして食べるのも、味が変わってまたおもしろい。

    f45bff26.jpegせっかくだから、サイドメニューのひとつにあった唐揚げたのむ。
    ココのサイドは焼き鳥一本とか、きしめんだとか、かなり個性的な品揃えにて、どれにしようかとかなり悩んだ。
    けれど実は今、ボクの頭の中には「唐揚げブーム」が居座っていて、それで唐揚げ。
    大振りではある。
    お店の人が言う通り、サイドにサラダが添えられていて堂々とした一品料理の風格がある。
    けれど2個で500円というかなり強気の価格はどうかなぁ…、と最初は思った。
    けれど、かすみ草の小さな花が咲くが如くに、白い揚げ粉がふわっと覆うその表面。
    基本は塩味。
    塩とスパイス、出汁やお酒で漬けだれ作り、それに漬け込み下味キッチリ入れている。
    奥歯が痒くなるようなクシュクシュとした衣の部分と、くちゃっと歯切れて頑丈な身の食感の好対照が見事なゴチソウ。
    これなら十分、値段通りの価値がある。
    私的唐揚げベスト5に堂々入る…、とそう思いつつ堪能す。


    ボリュームタップリ、味も的確。
    お腹いっぱい、ゴキゲンになり、表に出ると今日はなんだか暖かい。
    移動しましょう…、のんびりと。


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    今日は一日いそがしくって、それで昼を外に食べに出る時間がなかった。
    昼食に出た会社の人に、おいしそうなモノを買ってきて…、ってお願いをする。

    ec34661a.jpegカキの炊き込みご飯。
    おおぶりのカキが2個、ご飯の上にちょこんとのっかる。
    プルンプルンのお腹が太ったつやつやのカキ。
    サッと煮込んで醤油で風味を付けたのでしょう。
    余分の味がまるでなくって、自分で自分をおいしくさせたまさに純粋なカキの味。
    その煮た汁でご飯を炊いた、だから醤油とカキの旨みエキス以外の味が邪魔することない素朴なご飯。
    旨かったぁ…!
    四国の田舎には「醤油ご飯」って料理があって、その名の通り水に醤油を混ぜてそれでご飯を炊く。
    油揚げと野菜を刻んで、その具材から出る味と瀬戸内地方独特の旨みを含んだ醤油の力でご飯がおいしく炊き上がる。
    そのおいしさが、今日の炊き込みご飯にはある。
    貝の力が多分、東京の凡庸な醤油の味を瀬戸内味にしたんでしょうね…。
    なんだかちょっと、得した感じ、オゴチソウ。

    64fd9d74.jpegそれと一緒に日清のカップ麺。
    コッテリ系の白濁スープで食べるという趣向の、どん兵衛の白いちゃんぽん。
    純和風ではないこうした創作系のうどんっていうのが、今はどうも流行のようで、そういえば日清食品の系列でやっている「水山」っていううどんの専門店でも、同じような商品が売れていた。
    カップ麺。
    特にうどんや蕎麦はかつて「お弁当の汁代わり」ってニーズが強くてだから特徴のないさらっとした味のが売れるんだ…、っていわれてた。
    けれど今。
    カップ麺で満足しなくちゃいけない時代になったんでしょう。
    それ一杯で満足できる濃い味系のうどんが増えてる。
    時代が料理を変えるというコト…、なのでありましょう。

    それにしてもこのうどんの麺の見事なるコト。
    ヌメラカ。
    唇をスベスベ撫でるその表面は色っぽく、噛むとコツんと歯をノックするよな歯応えがある。
    手打ちうどんのコシとは違ったムッチリ感と、頑丈さ。
    もぐもぐ、顎でたのしむうどん。
    これはこれでありだよな…、って。
    感心しちゃう、舌をまく。

    夜は銀座の三州屋

    7060231d.jpeg魚がおいしい大衆割烹。
    居酒屋なんて言葉がなかった時代から、サラリーマンがたのしく酒を飲みつつ魚を味わう幸せな空間を提供し続けていた繁盛店。
    いつも超満席で、今日はどうかなぁ…、と思って入り口あけたら拍子抜け。
    半分位の入りでしょうか…、3組6人がギッシリ肩寄せ合って座るところをたった4人で独占できる。
    ありがたいけど、一体どうしたことだろう…、ってちょっと心配になってしまうほど。

    今日は酒じゃなく、手っ取り早くお腹いっぱいになりませうと、それで海鮮丼をとる。
    大きな丼にズッシリ、ご飯。
    中トロ、ホタテ、ハマチに鯛。
    タコやらイカやらイクラやらと分厚い魚の切り身がギッシリ並ぶ見事な様。
    チラシじゃないのでシャリじゃなくって普通のご飯。
    だから魚のうま味がそのまま直接たのしく味わえる。
    熱々ご飯にちょっと蒸らされ、魚の表面がほんのりあったか。
    それで魚の香りとうま味が引き立って、刺し身+ご飯と違う味わいになるのもまたゴチソウ。

    db58de1c.jpegマグロのヌタと牡蛎フライを二人でわける。
    細かなパン粉がギッシリついた、とても軽い揚がり具合の牡蛎フライ。
    二個だけもらって一つはソース。
    もう一つは醤油で食べる。
    フライをソースで食べると脂の香りがおいしい。
    けれど醤油をつけて食べると不思議と、脂の気配がなりを潜めて、素材の味が引き立ってくる。
    カラメルっぽい焦げた香りがパン粉をまとい、サクサク感が際立つ感じ。

    昼に続いて夜も牡蛎。
    今の季節の牡蛎ってなんで、こんなにプクンとおいしいんだろう…、ってウットリしながら丼片手にワシッと食べた。
    トロンとヌメリが舌から喉をなで回す、コックリとした赤だし飲んで、漬け物パリパリ。
    夜のお腹がホッとする。

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    神田で夜。
    「丸ト水産」というお店。

    maruto.jpg代々、千葉で魚屋さんを営んでいた人が開店した店。
    最近流行の「トロ箱系」の居酒屋とでもいいますか、漁港直送販売所みたいな雰囲気をもった居酒屋。
    まぁ、そのほとんどがイメージだけを借りてきたような店なんだけど、ここは真剣。
    なにより、魚の仕入れに気合が入ってる。
    新鮮でいい魚は言うに及ばず、普通ならば半端モノになるようなモノを賢く仕入れる。
    なにしろ今日のお通しがなんと生のししゃもが1人三尾づつ。
    それに網をのっけた小さなコンロ。
    厨房の中で調理してるとコストがかかってしまうから、好きに焼いておくんなさい…、って具合のサービス精神。
    この前なんか生ガキを一人二個、おんなじ用にコンロにのっけてお通しにしちゃいましたよ…、って事も無げに言うのがステキ。
    乾杯のあと、みんなでワイワイ魚を焼きます。
    あっと言う間にお店の中は煙モウモウ。
    けれど何故なんだろう。
    肉を焼く煙はちょっと嫌だけど、魚や貝を焼くときの煙はまるで煙くない。
    むしろこちらの体までもが美味しくなっていくような、そんな気さえする、やっぱりボクらはニホン人。

    2eef91bc.jpeg刺身を取ります。
    「今日のお勧め魚介の5種盛り」っていうのをたのんでみたらばビックリ!
    中とろ、〆鯖、キンキに黒鯛。
    甘エビ、生カキ、赤貝、ホッキにそれからツブ貝などなど。
    5種類ならぬ10種類ほどがドッサリ盛られる。
    これ、間違いじゃないですよネ?…、って聞いたらば、5種盛りたのんで5種類くるのじゃ当たり前。
    せっかくだったら今日の仕入れの中でなるべくいいお料理を一種類でも多く盛ってあげようよ…、とそれでドンドン種類が増えた。
    1種類だけ多いくらいでは気付かれないか、間違えだって思われるのもしゃくだから。
    エスカレートして今の姿になってから、それが口伝えに評判になり今の繁盛が出来たんですね…、とも。
    確かにお値打ち…、ビックリします。

    b09f483b.jpegうちはなるべくざっくり、大胆に盛りつけるようにしているんですよ…、って。
    その方が手間をかけずにすむので、出来立て、熱々をたのしんでもらいやすいし、なにより安く売れるようにもなるものですから。

    たとえばこれ。
    魚のアラ煮なんだけれども、まさに山積み。
    見た目がまるで、アラ煮の缶詰めの蓋をとり、パカッとお皿にその形のまま伏せて移したみたい。
    お皿の上にギッシリ積み重ねられていて、そのあまりのギッシリにどこからとろうがなかなか崩れていかぬ程。
    下の方から引きずり出していつまで形を保ってられるか、まるで「魚ジェンガ」のようにしながら味わった。
    ドッシリとした濃い味のちょっと田舎風の味付けが、ビールを誘う。
    いい感じ。

    ea059d07.jpegキンキの焼いたの。
    仙台から今朝とれたのを運んでこうしておいしく焼けた、身厚で大きなお皿からはみ出すほどの立派な一枚。
    皮をパリッと、身はシットリと。
    箸を当てるとホロッとほぐれる身離れのいい白身の味わい濃厚で、塩をふって焼いただけなのになぜこんなにも旨味が強いの?
    みんなでビックリしながら食べる。
    地方地方に、そこの地方の贅沢な食を代表するような魚があって、たとえば瀬戸内地方で選べばまず間違いなく天然の鯛。
    北陸地方の寒ブリや、博多のアラ。
    そして今の季節の仙台だったら、まず間違いなくこのキンキ。
    実は仙台の街中に「地雷也」という仙台郷土料理のお店があって、そこのキンキがもう飛び上がるほどすごくおいしい。
    その美味しさにリスペクトして、なるべくそれに近づくように…、とがんばっている。
    気概たのしく、がんばって…、って言いたくなっちゃう。
    ふんわりしてて、なのに脂がとっても強くて頑丈で、ちょっと魚離れしている味わいが、冬の命の味がする。

    95f30f89.jpeg生のイカ。
    函館から運んでもらっているのだという大きな生のヤリイカを刺し身でいただく。
    たとえば博多や呼子のイカの、透き通っててハリのある、コリッと堅さを感じさせるイカの刺身は歯ごたえおいしい。
    噛めば噛むほどトロトロ、奥歯の回りでとろけて甘味を徐々に発揮して一口にしていろんな味を味わえる。
    けれどココの北から飛んできたイカの、一口目からトロンとなめらか。
    甘味と旨味がはなから口に広がっていくやわらかイカも悪くない。
    刺身で食べて、ゲソと耳の部分は塩で焼いてもらう。
    コリコリとした耳独特の食感が奥歯をスキッと軽くする。
    キンキの煮付けや、酒の肴をいくつかもらい、そして〆。

    a6967089.jpegイカのゴロ飯という漁師料理をパクッといただく。
    イカの筒切り。
    フライパンでみりんと味噌と、それからイカのワタを使って軽く炒めてそれをご飯にのっける。
    イカに熱をくわえるとなんでこんなに美味しくなるのか…。
    旨味、香り、自然な塩味。
    噛むと甘味をジンワリ吐き出す、辛味以外のほとんどな基本的な味がとてもバランスよくまとまっている。
    ご飯にワタの旨味が混じる。
    スベスベとした白米を、炒めたときにほんの少々使った油がよりスベスベにしてくれる。
    気の利いた〆。
    終わりよければ、すべて良し。
    最近、居酒屋といえども女性客にそっぽ向かれると繁盛させるのがむつかしくなる。
    それでみんな手の込んだ女性好みの〆やデザートを作ってもてなす。
    けれどココ。
    どうせ男の人的お客様がメインなんだから、〆も男飯にした方がいいんじゃないの?…、ってコトでできあがったたのしい料理…、堪能す。

    18cd34af.jpeg壁に貼られた今日のお勧め料理の札。
    どれひとつとっても決して、珍しい料理ではない。
    けれどどれもが程よい値段で、お酒をおいしく飲めそうな料理ばかりが揃ってる。
    いい店だよなぁ…、って一つ一つの札をボンヤリ眺めてて、「あれ?」って思う。
    中に一枚。
    「女体盛り」って料理の名前が書かれてあって、今、人気爆発って但し書き。
    そんなバカなと思いながらも、値段をみれば、なんと2000万円と書いてある。
    たのしいジョーク。
    これ、いいですね…、って言ったらうちの千葉の系列店では、2億円の値段をつけたんですけれど。
    デフレの時代に合わせて大幅ディスカウントしちゃいました。
    なにしろ1億8000万円の大盤振る舞いですから、こりゃ、相当のお得ですよね…、って、お店の人は大笑い。
    サラリーマンのサンクチュアリ的たのしいお店でありました。

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