昼を浅草…、仲見世通りから浅草寺、伝法院通りとブラブラしながら何を食べようかってずっと頭がグーグーなってた(笑)。
浅草界隈は食べるものに苦労せぬ街。
黒々とした天丼にする?
おいしすぎて申し訳ない洋食屋もある。
朝のお腹がまだ重たければ、甘味処で雑煮を食べるのも乙かもしれない。
そう思って、歩きまわって結局いつものオキニイリ。
「尾張屋」でお腹を満たすことにした。
蕎麦の老舗。
それと同時にエビの天ぷらが旨いで有名な店でもあって、お店の扉をガラリとあけると奥からおいしい天ぷら油の匂いがしてくる。
そういえば、浅草という街。
揚げ油の匂いが街のそこここにある。
天ぷら、とんかつ…、浅草がハイカラだった時代の流行りの料理の匂い。
匂いのある街っていいなと思う。
蕎麦はほどよき品質で、けれど出汁が好みのおいしさ。
甘さ、うま味がシッカリしてて、醤油の風味が最後にフワッと鼻から抜ける…、蕎麦の風味を味わうストイックな店もいいけど、おいしい出汁を味わうための蕎麦というのも悪くない。
ココに来ると必ずたのむのが天丼でして、コレがおいしい。
海老だけ、しかも丼からはみ出るほどに大きな海老がドンッと2本入った、お江戸の蕎麦屋の正しい天丼という風情が見事。
閉まらぬ蓋をちょこんと乗っけた姿も豪勢。
衣はフックラ、甘辛タレを吸い込んで油の風味はコッテリ濃厚…、プチュンと歯ぎれる海老の身質も上等で尻尾までカリッとおいしく仕上がっている。
この海老の天ぷらを温かいそばの上に乗せる。
するとこれがまるで違った料理になっていくのがたのしい。
天ぷら油が出汁に移って、衣がスッキリ。
汁を吸い込みトロンと柔らかになった衣がスルンととれて、口の中へは熱の入った海老がそのままやってくる。
ムチュン。
プチュン。
そしてコリコリ、歯ごたえ確かで「海老を食べてる」って実感充実。
しかも揚げ油が移った出汁のおいしいコト。
コッテリとした濃厚な油の風味とコクが蕎麦に絡みつく。
熱々の汁の中に使った麺が徐々にトロンとなめらかになり、せいろで食べるバッサリとした食感とはまるで違った食感。
喉をやさしく撫でるようなやさしい味にウットリします。
特にココのかけ出汁は、昆布、鰹の香りが強くて飽きず、ゴクゴクずっとのんでいたくなるおいしさがある、オキニイリ。
それからオキニイリの花巻そば。
江戸前の海苔をかけそばにのっけただけというシンプルさ。
蓋してやってくるのは出汁の蒸気で蕎麦を蒸らして香りをたのしむためのモノ…、蓋をあけるとテーブルの上一杯に、海の華が咲いたような明るい香りがただよってくる。
汁を吸った海苔がテロンとなめからで、それで蕎麦をくるむようにして一緒にたぐると口の中で海苔がほどけてとろみとなって蕎麦と一緒に喉をツルンとかけおりる。
わさびをチョンとのっけて食べると、江戸の粋を感じる一品。
お腹もほどよく満たせれて、南に向かって移動とす。
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