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サカキシンイチロウノホトンドゼンブノブログ
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    HN:
    サカキシンイチロウ
    年齢:
    64
    性別:
    男性
    誕生日:
    1960/01/26
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    夜、仕事がらみにて「上海小南国・銀座店」で中華の会食。

    55f070bf.jpeg銀座の商業ビルの中。
    実はココ。
    かつて「夜上海」っていう香港から来たモダンチャイニーズのお店があった。
    美食の街、香港にあって、おいしいものに対する好奇心の強い人たちに愛される、数少ない店のひとつといわれた名店の日本唯一の店だったのだけど、いろんな意味でむつかしかった。
    本場、本物にこだわって、だから食材コストがかかってしまった。
    この店にしかないオリジナルの料理よりも、日本の人が食べ慣れた料理ばかりが売れてしまった。
    ハイスタンダードのサービスを維持し続けるのがむつかしかった。
    普通の中国料理レストランとして生き残ることもできたのだろうけど、自分らしくあれぬのならば、いっそ撤退いたしましょう…、と。
    それで閉店。
    その後、やってきたのが同じ上海料理のこの店。
    値段はかなりこなれてて、ハイクラスよりカジュアルな、より分かりやすい中国料理をとかなり気軽なお店になった。
    心地よい緊張感を醸し出す洗練されたインテリアも改められて、大部屋っぽい砕けた雰囲気。
    香港的から一気に上海風になったみたいで、おもしろい。

    02faa4f6.jpeg釜焼き叉焼。
    牛肉を煮込んだ出汁を煮詰めて作った煮こごりに、鶏の香り焼き。
    キノコを湯葉で包んだ煮込みに、フカヒレと香菜を和えた冷たい前菜の盛り合わせ。
    ひとつひとつの味がシッカリしていておいしい。
    盛りつけ方が今一つ、洗練されていないのが大陸的で、でも食べ手を緊張させないこれはこれでいいおもてなしかな…、って。

    それに続いてやってきたのがフカヒレスープ。
    固形燃料で温めながら、ほのかな香りを漂わせてる。
    やさしいとろみ。
    舌にのせるとスベスベしてて、口の隅々にささっと広がる。
    味は塩味。
    フカヒレそのものは舌にぷつんと残る程度の存在感で、シイタケの軸のところを刻んだモノに鶏のひき肉がタップリ入る。
    贅沢じゃない。
    けれど味わい濃厚で、メリハリのある味がたのしい。
    ちょっと暗めのお店のテーブル。
    ひとりひとりの前に明かりがしんみり灯り、なんだかムードも盛り上がる。

    b3a42070.jpegエビの揚げ物香草ソースを間に挟んで、上海ダック。
    脂を何度も何度も丁寧に、かけ回しながらお釜で焼いた鴨の皮だけ食べるのが、北京ダック。
    皮だけじゃなくそれに貼り付く身も一緒に食べてしまうのが、南京ダック。
    どちらも甘いテンメンジャンを使って味わう料理で、鴨の脂とタレの旨味がそのおいしさのほとんどすべて。
    けれどこの上海ダック。
    皮を幾層にも重ねてそこに、ナッツや干した豚肉、それに香草はさみ中華クレープで包んで食べる。
    笹の葉っぱで包んでやってくるので、青い草の香りがほのかに漂う。
    皮の味。
    それから鶏の風味がそのまま素直に食べられる、これはこれにておもしろい。

    74fa3971.jpeg豚の角煮に押した豆腐を煮込んだ料理でドッシリ、肉の旨味を味わい、そしてちょっと変わった料理。
    胡麻をタップリまぶして焼いた、薄皮のパン。
    ラードを練り込み熟成させて、だからパクンと焼いてるうちに中が空洞になってしまったそこに料理を詰めて食べるという趣向。
    刻んだピーマン。
    豚ひき肉に、春雨加えて中国料理で味をととのえた炒め物。
    ギッシリつめて手づかみにする。
    これはおいしい。
    シャキシャキとしたピーマンのもつ繊維質。
    ホツホツ、豚ひき肉が奥歯に当たってクチャッと潰れて旨味を吐き出す。
    春雨スベスベ、それにパンの表面の胡麻がプチプチ、食感にぎやか。
    おいしい以上にたのしくて、しかも気軽で酒がグイグイ進んでくれる。
    ここの料理。
    結構、キッチリしています。

    be94e53e.jpeg中でも〆の坦々麺。
    すばらしき出来に感心しました。
    濃厚スープ。
    こってりしてて、なのにサラッと重たくはない。
    ナッツの香りでごまかさず、スープと辛子と胡麻の風味をバランスよくキレイにあわせて味を作ったまさしくこれが本格的。
    手切りで作ったひき肉のホツホツとした固い食感も快適で、何より麺が細い癖してハリがある。
    だからスープを存分に、口の中へとたぐりよせく小さな丼一杯分では我慢できぬほどのおいしさに食べてたちまちオキニイリ。
    このお店。
    どのお料理も値段もそこそここなれてて、価格以上の満足がある。
    ただ勿体ないのがサービスレベル。
    何か問題があるって訳じゃないのだけれど、何かをたのもうと思ったときに、不思議な程に従業員が見つからない。
    そんなところも上海風?
    すいません、と声を上げればすぐ飛んでくるから多分、ココ。
    会話を邪魔されたくない、秘密めいた会食なんかにピッタリかなぁ…、って。
    料理をただただ味わうのなら、まるで文句のないお店。
    ほどよく堪能、ごちそうさま。

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