友人たちと銀座で会食…、「百菜百味」という店に来る。
御膳房っていう高級中国料理のお店が作り上げた「新派四川料理」を名乗る、カジュアルな中国料理のお店。
銀座の外堀通りに面した目立たぬビルの3階という決して便利じゃない場所にあり、それでも結構流行ってる。
「新派」という名の通り、今までになかった気軽さと使い勝手の良さを目指して、バルっぽさを演出してるというのがオモシロくって、それで来てみる。
壁や天井、床には手を加えずに割り切りをもった店作り…、たしかに今までの中国料理のお店らしさをあまり発散してない、居心地の良いたのしげな店。
ところがメニューは本格派にて、分厚いメニューブックに全部で100種類以上は料理が揃っているでしょうか…、しかも250円均一だとか540円均一だとかのおつまみ料理が充実してる。
ためしにいくつかたのんでみると、これがなかなか。
中国の麸を醤油漬けにして山椒の香りをつけたものとか、押し豆腐とセロリの塩あえ、茄子の味噌だれとかどれもがしっかりした味付けで、しかもお酒をおねだりするのにビックリします。
厨房の中をみてみると、おそらく中国系であるに違いない、調理人がズラッと並んで鍋をふってる…、安く売るからといって人手をかけずに半調理品なんかでお茶を濁さぬところがいいと感じる。
おつまみ料理以外の一品料理は800円台から1000円台の前半という値段設定。
まぁ、ほどよい値段かなぁ…、と思ってたのんでみると、ボリュームタップリ。
大きな鉢やお皿にドンッとやってくる。
例えば牛肉と牛ハチノスの四川風。
丁寧に下ごしらえされた大きく分厚いトリッパを薄切りにしたモノ。
牛スネ肉を煮込んでこれまた薄切りにしたのが、唐辛子と山椒のタレに浮かんだ島のごとき姿形でやってくる。
食べる前から香りがまさに四川の香り。
箸をつっこみ、グルンとヒックリ返してやると、そこにキュウリ。
それから茹でた豆もやし。
見た目は熱い料理にみえて、ところが食べるとこれが冷たい前菜料理。
このタレが辛味よりもまずはうま味がやってきて、モヤシやキュウリがシャキシャキ口の中で踊って潰れていくのがとてもたのしい。
見た目ほどは辛くはないなぁ…、って思っていたら、後から後から辛みとしびれがやってくる。
けれどそれが耐えがたいほどのモノではなくて、食欲グイグイ増してくる。
そのバランスの良さにウットリ。
クニュクニュとしたハチノスの食感と、ホロッとほぐれる牛スネ肉がそれぞれそれら独特の風味や食感、味わいを無くしていないところも見事。
他にも料理をいくつかとってためしてみるけど、どれもキチンと四川的。
四川風の鶏からあげっていうのをたのんでみたらば一口大にたべやすいように切ったもも肉をサックリ、軽く揚げたモノにニンニク、ナッツに山椒を細かく刻んで炒めたモノをまとわせながら鍋で煽って仕上げた料理。
驚くほどに軽い食感、ビリッと辛みがおいしくてしかもコツコツ、刻んだナッツが食感たのしくにぎやかで、ところどころに揚げたレンコンが混じっているのがオモシロイ。
野菜の料理をとヤングコーンとタケノコの炒めもの。
油で炒めているはずなんだけど、なんでこんなに油切れが良く素材の持ち味がこわれずこうしてあるんだろう…、って中国料理のスゴさを感じる。
そしてそろそろ仕上げをしましょう…、と点心、それから〆料理。
ニラをタップリ混ぜ込んだ焼いた餃子のこの入念で丁寧に、紐を編み上げるようにまとめた姿にウットリしながらカプリ。
おいしいジュースがおびただしくも口の中に広がっていく。
肉汁ほとばしりでる点心は別に小籠包ばかりじゃないのよ…、ってハフハフしながら、頬張って、中国醤油で風味を漬けたチャーハンや、歯ごたえ確かな麺もおいしい汁無し坦々麺でお腹を満たしもう大満足。
ほどよき値段のワインやお酒も揃ってて、パーティーだとか宴会だとか、あるいはカジュアルな会食だとかといろんな使い勝手で重宝しそうないいお店。
これだけ食べて、グビグビ飲んで一人4000円ほどというコストパフォーマンスもなかなかに良く、ちょっと贔屓にしてみましょうかと思ったりした、オキニイリ。
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