飛行機にのり、松山へ。
ボクが生まれて16歳まで過ごした街。
帰ってくるのは何年ぶりでありましょう…。
ついて早々、「チャイナハウスすけろく」という中国料理のお店に来ます。
松山という街を代表するファミリー向けの中華レストランのチェーン店で、その繁盛の秘密をみんなで共有しましょう…、と。
50人近くが集まって、まずは試食の仕事とします。
このお店。
松山で創業をしてもう三代目、60年以上もずっと続いてる。
だからかなり、なつかしい。
もともとは「餃子の助六」と言う名前でちょうど、餃子の王将みたいな感じの餃子でビールをたのしむ小さなお店だった。
テイクアウトがほとんどで、お店の中を利用する人たちはおじさんメイン。
子供のボクは、おじぃちゃんに連れてこられて、ビールの泡を分けてもらって、それで餃子を食べていた。
なんだか大人になったみたいな気持ちになれる、店だった。
けれどそんなコトじゃ生き残れないと、今から30年くらい前から郊外型のファミリーレストランのような姿で仕切り直しをしたのですね。
それが今まで、ずっとこうして続いてる。
だから餃子が今でも売り物。
ちょっと小ぶり。
若干、細めで皮がツルンとしたタイプ。
生地自体は薄くてあまり存在感を発揮しない関西系の典型的な餃子のような姿をしています。
ひとり2人前はペロンといける。
しかもこれをカリッと表面、揚がるように仕上げて焼くのがココの流儀。
焼き餃子。
何がおいしくなくちゃいけない…、って言えば皮。
しかも焼き方。
パリッとしててツルンとしている、皮がおいしくなくちゃいけない。
どんなに具材がタップリで、生地そのものが上等な粉を使っておいしくできあがっていても、焼き方がまずいとおいしく感じる餃子になってくれない。
パスタや蕎麦が、茹でるときに伸びてしまったら元も子もないのと同じコト。
そういう意味で、餃子は粉物…、って考えるコトができるんじゃないかなぁ…。
だからココではこの焼き方に、徹底的にこだわって焼き上がり寸前の仕上げ油の温度や量にそれをかけまわすタイミングをキチンと守っているのです。
今日の餃子もなかなかのでき…、サクッとプルンと食べられる。
ここのランチは驚くほどにメニューが豊富で選ぶことに迷ってしまう。
10種類ほどのメインの料理…、あるいは10種類ほどの丼メニューのどちらか一つを選んだ上に、20種類くらいの小皿料理をひとつ選んで、自分好みのセットに仕上げて食べられる。
それにスープがつくのだけれど、スープの代わりに追加料金で麺にかえるコトもできるようになってる。
しかもスープ替わりの麺も5種類の中から選べる。
男性客のかなりの人が、スープを麺に代えるのだけど、そのほとんどが選ぶ麺が「すけろくラーメン」。
これまたここの名物なのです。
軽く縮れた玉子麺。
そこにトロミのついた醤油味のスープがかかる。
醤油と鶏のスープの香りがドッシリしてて、甘みはほのか。
具材はタップリ。
ひき肉、しいたけ、たけのこにネギ。
どれもが細かくきざまれていて、玉子を最後にチリっと流す。
水気たっぷりのミートソースのような感じで胡椒の風味と辛味が最後にピリッと味をひきしめる。
でも何味か?…、何ラーメンに近いのか?と聞かれるとちょっと困る独特の味。
中華スープで鍋を作って、最後に麺を入れて煮こんで仕上げた〆のラーメンみたいな感じでもある。
トロミがあって、だから熱さが持続してけれど不思議と麺が伸びない、一度食べるとクセになる麺…、ナツカシイ。
それからもひとつ、なつかしいモノ。
天津飯をとって味わう。
関東の天津飯と西日本の天津飯はまるで違った天津飯。
東京に来て、はじめて天津飯を食べたとき、これ、間違いじゃないのってビックリしました。
ご飯の上にかに玉のっけて、そこに甘酢をかけて食べるのが関東式の天津飯。
けれどボクが育った街の天津飯は、チキンスープに醤油の風味をくわえてそれにトロミをつけたタレをトロンとかけたもの。
見た目は似てる。
けれど食べるとまるで違って、今では関東風の味もそれはそれでおいしくなった。
でもココにきて、昔なじみの天津飯を食べるとなんだかニッコリとなる。
どういえばいいのかなぁ…。
ラーメンスープの中にタップリかにと玉子を入れてチリチリ、かたまりにする。
それにトロミをつけたのを、ご飯の上にユッタリしずかにかけまわす。
そんな感じの味わい、食感。
玉子を仕上げたときに使った、動物性の脂でしょうか?
スベスベとして、甘くて舌がツルンとすべる。
そんな食感、ウットリします。
エビの天ぷらもサクッと歯切れた塩味で、なつかしくって飛び上がる。
それにしても驚くほどにスピーディーな提供時間。
厨房の中では鍋をブンブンふりながら、次々料理ができていく。
これらの料理にもれなくドリンクバーとサラダがついて1000円以下という、値段に甘えずキチンと料理を作ってく…、その姿勢と情熱がここのお店をずっと繁盛させてるんだろう…、って思ったりする。
さてさてこれから勉強です。
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