仕事の前にちょっと腹ごしらえしましょう…、と、梅田の駅の昭和に来ます。
「新梅田食道街」JR線の高架の下にできた街で、縦横無尽に走る細い路地にギッシリ飲食店がならんでる。
そのほとんどがココにしか店がない小さな居酒屋、あるいは食堂。
和食に中華、韓国料理に洋食、あるいはバーとありとあらゆる種類のお店が入ってて小さな宇宙の様相呈するまさに大阪らしい場所。
梅田の駅の周りでは大きなビルや新しい商業施設が次々できて、それで足りずにまだ次々と作ってる…、そんな浮世離れした場所よりこうした大衆的なる雑多な場所が大阪らしくてボクは好き。
大阪的なる中国料理か、あるいはおでんがおいしい定食屋さんで、かやくご飯を食べようか…、と思ってパシャパシャ写真を撮ってると洋食屋さんのおじさんと目と目があった。
「マルマン」って言うお店でココも安くて旨い。
いらっしゃいませ!って先に言われて、それで結局、そこにした。
値ごろなランチセットをもらう。
ABCと3種類。
どれもが肉のグリルと揚げ物がセットになってる。
Aが高くてメインがステーキ。
Bがポークロースで、一番安いCがハンバーグとわかりやすい。
メニューに「ビフテキ」と力強いゴチック体で書かれててやっぱり関西に来たら「テキ」を食べなきゃと、結局Aのセットを選んでたのむコトにした。
盛り合わせをなす揚げ物が、これが不思議で一番安いのは白身魚のフライがついてる。
これはわかる。
原価が安い。
ところがBにエビフライ、高いAにはクリームコロッケというセレクション。
一番高い料理は手間がかかった料理…、ということなのでありましょう。
エビをつければ喜ぶなんて、お子様ランチじゃあるまいしって、職人魂感じてそれも決め手になった。
ちょっと待ちます。
作りおきなんかいたしませんぜ…、ってことでもあろう。
座った場所がキッチン前で、コックコートのおじちゃんが使い込まれて真っ黒なフライパンを駆使して肉を焼いてるところが見えたりするから、全然、退屈しないでまった。
ほどよき分量。
ご飯と一緒に食べてちょうどお腹が満たされる程度の量で、ボリューム勝負じゃないのがわかる。
ビフテキ…、グーッです。
分厚いわけではないけれど、赤身のおいしいランプ肉。
甘めのタレを最後にかけて、テリと香りをまとわせた肉にナイフを当てるとスパッとキレイに切れる。
筋もキレイに落とされて、噛むたのしみと柔らかさのバランスもよくウレシクなった。
しかも中はレアな状態。
ネトッと奥歯にまとわりついて、ヒヤッと肉の酸味を感じる、これはゴチソウ…、オキニイリ。
それからコロッケ…、なるほど、なるほど、職人の作る見事な一品。
トロンとなめらかなベシャメルソース、中にホクッと茹でて角切りにされたジャガイモ、それから小さなホタテが混じる。
衣はサクッと細かなパン粉で、かかるソースは若干酸味の強めのデミ。
ご飯と一緒に食べるとベシャメルソースがまるでグラタン味になってくれ、とてもたのしいゴチソウになる。
元気なキャベツのサラダにスープ。
そして固めに炊き上がったスベスベご飯と、どれもボクの好みの仕上がり…、堪能す。
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仕事関係で人とあい、軽く打ち合わせをしてそれから移動。
今日の最終目的地である神戸、元町、メリケンパークに向かいます。
電車を元町で降りてそれからブラブラ散歩…、南京町をぶらりと歩き、豚まん食べたくなる衝動に必死で打ち勝ち、再びブラブラ。
横浜の中華街と違って道路が狭くて、エリア自体もかなり小さい。
でも逆にみっちり感が半端なく、ただただ歩いているだけなのに旅行気分が盛り上がる。
メリケンパークの入り口にある、大きな魚のモニュメントを見て懐かし気分も最高潮。
フィッシュダンスという構造物。
メリケンパークの再開発事業の第一弾にその入口にテーマレストランを作りましょうと。
地元の企業が中心になり、できたプロジェクトチームにボクも選ばれた。
フランクゲーリーっていう近代建築の巨匠がマスターデザインを作るというので、彼と日本の建築チーム、それに実際、店舗を運営するチームの間のコーディネーションをしたのであります。
大変だった…。
建物を芸術作品と考える人。
店舗よりも構造物を優先しなくちゃ気がすまない人。
実際そこで毎日働く人の使い勝手や、食事をしにくる人の快適が一番最後に検討される。
それじゃぁ、ダメっていくら言っても話はどんどん進んでいって、気づけば巨大な魚のお化けに一番大きな予算が振り分けられたりしたのです。
開業当初は話題を集め、けれどレストランとしては成功することはなく、紆余曲折で今はカフェのようになってる。
本来、レストランとして作られたスペースの半分くらいしか今は稼働しておらず、久しぶりにこうして来るとなんだか哀しくなっちゃった。
次の仕事の前にちょっとお茶でも飲もう…、と。
レモンスカッシュをたのんだら、レモンをまるごと搾った自家製。
こうしたところには絶対、手間を惜しまぬ会社がやっているからそれでもこうしてまだカフェとして使ってもらっているのだろうなぁ。
としみじみ思った…、そろそろ今日の仕事の仕上げといたいましょう。
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