横浜で夕方から人にあう仕事…、と、その前にどうしても行っておきたかったお店に顔を出してみました。
一品香というお店…、横浜を代表する中国料理の老舗のお店で、実はボクが20代の頃、仕事をさせて頂いたことがあったのです。
当時、ボクの会社のお客様で、新しいことを試みたいから若いコンサルタントを担当にしてほしい…、って。
それでボクに白羽の矢。
ボクは勇んで、あれこれ提案してみはしたけど、どれもなんだかしっくり来ない。
地域の人に愛されている料理のことを、ならばまずは勉強しようと教えてもらえばもらうほど、こりゃ大変だとボクは思った。
すべての料理に意味があり、例えばこの大きさの丼でなければいけない理由がある。
どこかを変えると、すべてをかえなきゃいけないほどに、完成してた。
しかも「そうじゃなくちゃいけないお客様」がこのブランドを支えている、ってコトがわかったわけです。
すべてを捨てるか、すべてを守るか。
結局ボクが提案できたことは「メニューを見やすくしましょうネ」ってコトだけだった。
ご期待にそえなくってごめんなさい…、って謝るボクに、いえいえ、変わらなくてもいいんだということが再確認できてよかったですと逆に感謝されたのですネ。
いい勉強をさせてもらった、なつかしい。
30年ぶりになりましょうか。
ひさしぶりにやってきて、サンプルケースをみて「あぁ、かわらずそのまま頑張ってらっしゃるんだ」ってわかってなんだかホっとしました。
売物商品は当時のままに「絶品タンメン」。
この商品がメイン商品である限り、多店舗展開はできないですネ…、ってボクが一番最初にした指摘に対して、この商品を改めるなら商売をやめてしまってもいいんですと、キッパリ言われた。
野菜や肉を炒めてそこにスープを注いで味を整えていく。
だから手間もかかるし、熟練具合で味も変わる。
けれどこうして鍋を振るから野菜のうま味がスープにうつる。
焦げた油の香りが風味豊かで、スープ自体もまろやかになる。
こうするコトが絶対美味しいとわかっていながら、みんなここから逃げていく。
私たちは大きくならなくていいからずっとコレを守っていきます…、ってキッパリと。
今も厨房の中からジャッジャと鍋を振る音がする。
ちょっと時間もかかるしその分、最近はやりのラーメン屋さんのラーメンよりもちょっと高めの値段設定。
けれどおいしく、なにより熱々。
香りがたのしくしかも野菜がとてもおいしい。
コシの強い平打ち麺はスベスベしていて、けれどシッカリ麺に味が乗っているのもすべて鍋の中で味が仕上がっていくからなんだろうなぁ…、ウットリします。
セット料理もいくつかあって、特に人気はハーフチャーハンがつくセット。
今日も絶品タンメンにチャーハンつけてとお願いしたら、チャーハンは少々時間がかかりますが…、と言われるところも昔のまんま。
炒めて仕上げる麺と一緒にチャーハンを提供しようと思ったら、そのどちらかの手を抜かなければいけないわけで、けれどココではそのチャーハンもしっかり一から鍋をふる。
だからタンメンを仕上げてからの調理になって、けれどお客様はそんなコトを承知の助。
そもそもセットでもトレーでやってくることがない。
たのんだ料理は出来上がり次第でいいですよ…、ってそんな鷹揚。
これからもそのまま変わらずがんばって…、って思ってそれで軽く仕事にスタバに移る。
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メールチェックでございます…、ついでにアイスドリップにバレンシアオレンジシロップ混ぜてもらってゴクリ…、アイスコーヒーのエグ味がとれてとてもサッパリ、甘みもおだやかでゴクゴク飲めるこの夏一番のワタクシ的なるオキニイリ。
それにしても一品香。
これだけの歴史があってしかも街の名声があり、もっと高級な路線に向かって行くコトはできないのか…、ってそんな検討をしたコトもある。
名前が上がると同時に値段も上がってしまうお店が結構あって、でも「大衆のゴチソウレストラン」として支持され、地域にかわいがってもらった店はどんなに名前が上がっても値段をあげちゃいけないんだ。
大衆のための老舗になるため一生懸命努力しましょう…、ってそれが当時の結論だった。
言うは簡単、でも実行するのは大変だろうなぁ…、って思ったりした、さて仕事。
[12回]
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