横浜で夕方、打ち合わせをしたついでにちょっと「勝烈庵」。
横浜にくるたび食べたくなってウズウズする店。
とんかつの店。
思い出深い店であります。
自ら「老舗」を名乗る店。
古けりゃ老舗になれるかというと、決してそんなコトはない。
地域の人に愛されて、10年後も20年後も同じ姿でココにいてくれるって信頼感がないと老舗と呼ばれない。
子供の頃にお父さんに連れてこられた人がいつか、自分の息子を連れてこれなきゃいけないわけで、できればおじぃちゃんになって孫と一緒に来れたらシアワセ。
そうしたお店が老舗であって、だとしたら。
ココは立派な老舗のひとつ。
横浜を中心とした小さなエリアにしかないお店。
ボクがはじめて出会ったのは20歳頃…、つまりもう30年以上も前のコトだったのだけれど、それから殆ど変わらずこうしてやっている。
初めてきたとき、すでに老舗に違いない。
そう思ったのに、今でも同じように老舗に違いないって思えるステキ。
お店は古くもピカピカきれいに磨き上げられ、揚げ物の店なのに油の匂いがしない…、空気がキレイで気持ちが明るくなるお店。
ここの名物。
勝烈定食をたのんで食べる。
四角く揚がった薄いヒレかつ。
豚のヒレはコロンとまる筒状で、だから普通はその筒状で揚げられるモノ。
断面丸くてみずみずしくて噛むとクチャっと歯茎にからむような肉感的なる食感が、ヒレの特徴。
ヒレかつを好きな人はそのネットリ感を好んで食べる。
けれどココのはその真逆。
ヒレ肉をわざわざ薄くそぎ切って、それを並べて四角く形を作ってあげる。
その揚げ方も独特で、鰻を焼くように串を打ちイカダのように仕立ててパン粉をギッシリまとわせ、ガリッと揚げてく。
脂をもたぬヒレ肉がフワッとふんわり。
軽い仕上がり。
しかもパン粉がサクサクしてて、その軽やかな食感が特徴的で、不思議なほどに油切れも良い。
最初はひと口、何もつけずに油の香りと肉のうま味を味わって、残りはソースをちょっとづつ、最後は醤油をチュチュっとかけて味の変化を味わいたのしむ。
ウィンナシュニッツェルならぬ、ジャパンシュニッツェルって感じの食べ物。
ここに来ないと食べられない、ボクのソウルフードのひとつであります。
ご飯もホツっとおいしくて、なによりいりこの出汁がビシッときいた赤だしがおいしくてご飯がすすむ…、しかもご飯とキャベツがおかわり自由。
ツンと鼻から抜けるおいしい練り芥子。
ソースも甘くて、セロリの香りがする風味豊かなトロぉりソースで、キャベツにかけると不思議なほどにサラダな味わいがやってくる。
手切りの千切りキャベツがフワッとみずみずしくて、空気をタップリ含んで山に盛りつけられてる…、それをお箸でつまみあげ食べるとシャキシャキ、口の中を濡らして消える。
あぁ、なつかしい…、多分、ボクが生まれてはじめて出会った「お外で食べるとんかつ」はココのコレにてなつかしい。
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ところでそろそろ夏の終わりを感じる今夜…、一曲音源貼っておきます。
日野てる子さんの歌「夏の日の思い出」であります。
夏はまだまだ完全に終わっておらず、だから秋もまだはじまらない…、そのアンニュイを感じてウットリします、また明日。
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