六本木にて夜、打ち合わせ。
昼が試食程度の量で、ちょっとお腹がすいてしまう。
仕事の前にほんの少々腹ごしらえをと、ミッドタウンの地下にある、「すぎもと」というお店にきます。
名古屋に本店をおく、精肉店としては名の通った老舗のひとつで、そこの東京支店。
入り口部分にしっかりとした肉屋があって、その裏側にこじんまりと食堂がある。
直売食堂みたいな感じ。
お店の並びに同じ名古屋の鈴波のお店があってそこも売店+食堂。
まるで名古屋物産展のような雰囲気、面白い。
ハンバーグとすき焼きがメインの品ぞろえ。
黒毛和牛の入ったハンバーグのセットをもらう。
ご飯にサラダがついて1050円という値段であります…、だから黒毛和牛のハンバーグじゃなく黒毛和牛和牛も入ったハンバーグ。
それでも肉屋の直営店です、ハンバーグに適した肉を吟味して使っているに違いない。
しばらく待ちます。
注文が入ってからバテを作って焼くのでしょう。
小さなフライパン状の鉄板の上でじゅうじゅうしながらやってくる、ハンバーグの姿形はとっても端正。
日本人がハンバーグというステーキを発明した時からずっとこの形。
小判型で程よく厚く、しかしステーキなんだと言い張る程度の薄さであって。
爆弾型でも、ラグビーボールの形でもない典型的なるハンバーグ。
ナイフフォークもついてくるんだけど、お箸でふわっと難なく切れる。
肉汁もうま味も香りもシッカリ中に閉じ込められて、だから肉汁はぜたり脂がとんだりしない静かが、上等だってささやいている。
フワッと軽くシットリとろけてうま味を香りを吐き出して、しかもそれにソースが絡む。
肉のうま味を煮詰めてできたデミソース。
ドッシリしててコクがあり、けれど不思議なほどにサラッと後味、おとなしい。
脂っこさがないのですね。
あまりに綺麗で上等で、だからご飯のおかずにするのがちょっと勿体なくも感じる良品。
誠意が伝わるオゴチソウ。
食べてるうちにシャリシャリとしたハンバーグじゃない何か不思議な食感がする。
なんだろう?と思ってジックリ鉄板の上を見てみると、あめ色になった細い物体。
焦げ付かぬよう千切りにしたタマネギをしいてそこにハンバーグをおいていたのでありました。
決して見た目はわからぬように。
多く敷きすぎると、タマネギが吐き出す蒸気で、肉のこんがり感がなくなってしまう、そうならぬ程度に敷いて、さぁ、どうぞというこの的確にウットリします。
キャロットグラッセにフライドポテト。
カリッと茹でたブロッコリ。
赤、黄、緑の三色揃ったガルニもどれも上出来で、鉄板の上はほぼ完璧なオゴチソウ。
千切りキャベツをドレッシングで軽くあえ、そこにポテトサラダをポコンと置いたサイドのサラダ。
このポテトサラダがまた抜群。
固めに茹でたじゃがいもがホツホツ歯応えおいしい上に、驚くほどにタップリのハムが混ざってどこを食べても肉の味がするのです。
肉屋さんのポテトサラダのお手本みたいなサービス精神旺盛に、ウットリしました。
これでご飯が食べられるほど。
ぜいたく言えばこれにお汁が付けば完璧…、でも満足であります、かなりのオキニイリ。
ユックリ味わうって感じのお店じゃないけれど、本物の肉を味わうためにくるのなら期待にたがわずたのしめる…、また期待なぁって思ったりした。
関連ランキング:すき焼き | 六本木駅、乃木坂駅、六本木一丁目駅
食事をおえて、それでもちょっと時間があって、Dean&Delucaにてお茶をする。
六本木にある再開発都市。
六本木ヒルズと、ミッドタウンのどちらが好き?って言われると、ボクはミッドタウンの方が好きかもしれない。
建物の構造自体がわかりやすくて、最短距離の動線で移動ができて楽だし、商業施設の配置がよくて、ひさしぶりに来ても迷わない。
六本木ヒルズは人を迷わせるため作られたんじゃないかしら…、って思えるほどに複雑でいまだに迷う。
それからミッドタウンにはDean&Delucaがあり、六本木ヒルズにはDean&Delucaがないってコトも大きな理由。
カフェでもあって食料品店でもあるこうしたお店の中で一番、ニューヨーク的な空気をもってるお店がココで、そう言えばミッドタウンは碁盤の目のように整然としたマンハッタン的。
ヒルズは無秩序に膨らんでいくロサンゼルスを高層ビルにしたみたいって、そんな風に思ったりした。
ヘーゼルナッツキャラメルマキアートをコクリと飲んだ。
砕いたナッツがホツリホツリと舌に残って、なんだか食べるコーヒーみたいな感じ。
甘くてしかも焦げたキャラメルの香りがふくよか。
まもなく冬になってくんだなぁ…、って思ったりした、夜のコト。
[0回]
PR