夜を友人たちと九段下…、三希房でこじんまり。
先日、会社の仲間と一緒にここで会食をした。
その日は普通の月曜日にてひっそり静かで貸切状態。
この界隈は、夜の集客がやっぱり厳しいのかなぁ…、と思ってユックリ、時間をたのしむ夜とした。
ところが今日。
明日が祝日という火曜日だったからなんでしょう。
ほぼ満席。
しかも近所の会社の人たちとおぼしきグループが2組ほど宴会途中。
ウォンウォン唸るようなにぎやかさ。
週のはじめでありながら、週末みたいな開放感に、みんなの表情もとても明るい。
厨房の前のカウンターの席をもらってメニューをみながら何を食べるか決めてる間。
目の前の厨房の中がフル回転で動いてる。
その勢いがカウンターまで伝わってくるのがたのしくていい…、おいしい香りをヒントに注文決めるのってなんてたのしい。
季節のオススメを中心にと思いながらも、酒の肴にまずはいつもの定番料理。
クラゲの前菜…、頭の部分のゴリゴリ固いところだけを集めてそれをマスタード風味の甘酢で食べる前菜料理。
ゴリッと奥歯に抵抗し大きな音を立てて歯切れて、最初は顎にゴツンゴツンとぶつかってところがそれがユックリとろみを帯びてなくなる…、アワビを食べてるみたいな食感。
それから辛い料理を2つ。
蒸した鶏のむな肉を使った「ヨダレ鶏」と、トリッパの四川風という、どちらも真っ赤なソースを従えやってくる…、上には山椒とニンニクを刻んだモノがタップリのっかる。
辛くてしびれるどちらも料理。
味の傾向は似てるのだけど、鶏肉の方は山椒の風味が最初にガツン!と響く。
辛味は後からジンワリ広がる。
一方、トリッパの方は最初に辛味。
ユックリ後からしびれが追いかけやってくるという、まるで真逆の味の構造。
鶏はフックラ。
トリッパの方はムチュンと粘り気のある食感で、それとソースが混じりあい違った効果を出しているのかもしれません。
食べてるうちにどんどんお腹がすいてくる。
香辛料のパワーにウットリ。
それから季節の前菜料理。
マコモダケと四万十川の青海苔使った料理。
ニンニク風味の塩ダレをまとわせながら揚げて仕上げたマコモダケ。
噛むとスパッとキレイに歯ぎれる。
ザクザクとした軽い歯ざわり。
自然な甘みと、仄かな苦味。
アスパラガスの根っこの方とか、ブロッコリの茎の部分のような食感。
そしてあじわい。
揚げた青海苔が口の中でフワッと広がり、磯の香りを吐き出していく…、それがさわやか、揚げた油をまるで感じぬオゴチソウ。
シェフの季節のオススメ料理が鉄鍋料理でいくつか揃った中からひとつ…、トロトロ牛肉と中国春雨の四川風。
鉄鍋の中でグツグツしながらやってくる、中は真っ赤で仄かなカレーの香りと山椒の香りがただよってしかもツヤツヤ、その表面が輝いている。
トロンとなめらか…、揚げた赤唐辛子やえのき茸、パクチーがタプンと揺れて浮いているスープのようなソースのようなその実体は牛すじ肉から出てきたコラーゲン。
しゃもじですくってヒックリ返すと、そこからタップリの牛肉が。
トロトロ牛肉と名前についているとおり、これがトロトロ…、筋も脂も肉もすべてトロンとほぐれてソースと渾然一体をなす。
味の基本は塩味と牛肉からでたうま味。
それにトマトが酸味をくわえる。
そこに香辛料がタップリまじって、食べてる間にどんどん体があったまる。
頭の先からジンワリ汗が流れ出てくる。
中国の板春雨がネロンとそこに粘る食感をくわえるのです。
そのムチムチとした食感が、中国の人が大好きなアキレス腱とか、フカヒレだとかに似ていて旨い。
牛肉からでたコラーゲン分とゼラチン質のダブル攻撃で、口の中がむっちりネットリ。
ゴージャスになる。
しかもコレを食べながら、前菜料理の鶏とトリッパを食べると不思議…、甘く感じる。
料理同士の組み合わせ方で、味が天地逆転するのが面白くって、箸が止まらずみるみるうちに食べ上げる。
それからオマール海老の炒め物。
衣をつけてまずはオマール海老をザックリ揚げる。
それを辛味とトーチのうま味をくわえたソースで煮込んで仕上げるモノで、熱々の殻を手づかみしながらむしゃぶりついて、身は当然、殻にこびりついたソースも一緒にハフハフ食べる。
どれも旨いが、ところどころにくっついた衣がソースを吸い込んでトロンとなったところが一番おいしかったりするのがたのしい。
〆は今日はがまんして、先を急いで失礼をする…、また参りましょう、オキニイリ。
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