夜もたのしく神楽坂。
何か大きな商業施設やビルがあるというわけじゃなく、街そのものが集客装置をなしている街。
しかも車が入るのも精一杯の細い路地が集客装置になっている。
路地を照らす淡い明かりと心地よい影。そこに並んだ、小さな店のひとつひとつがキラキラしていて、街を歩いているだけでワクワクしてくる。
大きな会社の企みで、無理やりでっち上げられた場所じゃないから、こんなにいきいきしているんだと思うと痛快。
おいしくたのしい勉強をしに、エルブエイにくる。
肉がおいしいスペインバル。この店の近所に、同じ系列でエルプルポっていう魚がおいしいスペインバルがあったりする。
どちらも小さく、けれど居心地のいいお店。
厨房の中で料理を作る人と、食べる人との関係性がとても濃密。しかもサービスをするスタッフが自信を持ってすすめるワインも適切で、だから安心して飲める。
いいお店です。お腹がなります。
肉が美味しいが売り物ではあるけれど、魚もしっかり。
カヴァに白いワインを飲みつなぎながら、前菜代わりに魚をあれこれ。
北海道から飛んできた牡蠣は大きく太って、ポッテリ、舌の上にのっかる。
噛むとプチュリと歯切れて奥歯にまとわりついて、ネットリからんで海の旨味を吐き出していく。なんと肉感的にして、なんとおいしい。
マグロの大きな切り身を油漬けにして、トマトとアチェートとともに味わうサラダは、ほろりと口の中にちらかる食感がとても上等。
マリネした青い魚もネットリと。お酒がすすみ、メインディッシュへのお腹の準備がたのしくできる。
赤身の牛肉を炭で焼いたの。
厚みのある肉を焼いて、一口大に切る。口に入れるとクチャっと潰れて、肉がネットリからみつく。炭の香りに脂の甘み。スッキリとした酸味が後味ひきしめる、そのまま食べても十分おいしく、そこにマスタード、あるいは岩塩をあわせて食べると、旨味や甘み、辛味に渋味とさまざまな味がくわわりたのしい。
何より中がこんなにレアで、なのに芯まであったかい。
炭の力と焼き手の技量を感じる一品…、さすがのおいしさ、オキニイリ。
野菜のグリルに豚のステーキでおいしい時間は最高潮。
豚もこんがり焦げ目がついて焼きあがる。塩をしっかりほどこされ、それが脂の甘みをひきだし、肉の旨みを盛り上げる。
芯はロゼ。焼けた表面はサクッと歯切れて、中はふっくら。みずみずしくて、繊細な味に、うっとりします。
同じく炭で焼けた野菜も味わい深く、次の肉への一口をおいしくさせる。
そして〆にフィディワがきます。
パスタのパエリア。魚を具材にしっとり炊けた極細パスタ。パエリア鍋に触れたところはパリッと、ちょうどもんじゃのこげてバリバリ焼けたところのような食感でおいしいものをたくさん食べた舌にもおいしい。
おいしいものには人をシアワセにする力があり、おいしいモノがあるテーブルには人と人とを仲良くさせる魅力があって、そんなレストランの力に元気と勇気をくれる。たのしい時間に感謝をする夜。アリガタシ。
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上等なツナサラダを食べながら、ポルトガルのツナの缶詰の専門店の話で大いに盛り上がる。
でもって、ポルトガルの民謡といえばいいのかなぁ…、ファドの動画を探してみました。
哀愁を帯びた切ないメロディーにしぼりだすような発声法が特徴的な音楽なんだけど、それと一緒にリスボンの映像をという動画を一本。
Fado, Lisbon from Hakaya, The Storytellers on Vimeo.
エキゾチックでしんみりとした旅心をくすぐる音楽。オキニイリ。
[2回]
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