秋葉原にて途中下車して、丸五で昼を食べることにする。
途中下車までしてワザワザやってくるだけの価値がある!と、ボクは思ってるお店であります…、この東京に数あるとんかつ専門店の中でもイチニを争うお店。
特に一階…、厨房の前にしつらえられたカウンターに座るとシアワセ。
コートを脱ごうとするとすかさず「お預かりしてもよろしいですか?」と受け取りそれをクロークに入れ、荷物が汚れぬようにと台をササッと持ってくる。
新聞などはいかがですか?と、一人客には気づかいするのもステキだけれど、新聞なんて読むのがもったいなく感じるほど、ココの作業はうつくしい。
注文するとまずは肉を切り出していく。
スパッとキレイに丁寧に。
衣をまとわせ油にポトン。
カラコロ、軽い音と一緒にジックリ時間をかけて揚げ、出来上がったら引き上げシッカリ油をとる。
それからスタンと切り分ける。
大きな包丁。
中華包丁のような形で、けれど刃の部分が弧をなしクルンと丸まっている。
それでスパッと切り分けて、お皿に盛って出来上がり。
決して複雑な作業をしているわけではないけど、すべてが的確、無駄がない。
しかも目の前で油を使って調理しているにもかかわらず、油臭さがないのが見事。
和紙を従え、明るい色のきつね色した衣がキリッと立ち上がっている…、時間をかけて揚げているからの色白さんで、その断面はおどろくほどにみずみずしい。
ヒレかつにします。
ココのヒレかつはムチュンと奥歯にからみつくような肉感的なる食感と、甘みを感じるうま味が見事でいつもコレにする。
揚げているのに油っこくない。
衣で包まれ、油の中で蒸されたようなシットリとした仕上がりにウットリします…、プロならではの技術を感じるオゴチソウ。
一切だけは何もつけずにそのままで。
カプッと噛むと内臓臭に似た肉の匂いが鼻から抜ける…、熟成のきいてる肉の匂いであります、それと同時に肉そのものうま味と油の香りを味わい、感じる。
ソースをかけると肉の匂いが鳴りを潜めて、いわゆるとんかつの味がしてくる。
ニンジンやキュウリを擦って作った自家製ドレッシングを、キャベツにかけてまずは味わい、途中で醤油を軽くかけると、醤油独特の焦げた香りが食欲そそる。
練った芥子をちょっとつけ、パクリとすると口の中がスッキリ鮮やか…、次の一口をおいしくさせる、たまらない。
それにしてもここのヒレかつ。
これそのもので完成していて、それだけ黙々と食べ続けたくなる。
ご飯のおかずとしてもおいしいのだろうとわかっていても、不思議なコトにご飯に気持ちがなかなか向かない。
コロンと丸い豚ヒレ肉を4つに切り分け一人前。
その2切れはご飯を食べずに肉だけ味わいもう1切れはキャベツと一緒に。
最後の一切でやっとご飯のおかずとし、それでご飯が少々残る。
そこで味噌汁。
細かく切った豆腐と生のなめこが入った赤だしで、鰹の出汁の香りが強烈。
コッテリとした味わいの汁。
カツの衣や油の風味に負けぬ強めの味わいで、ご飯がすすむ。
最後にスキッと酸味が残り、お腹の中もスッキリしてくる。
自家製漬物もお供にし、ご飯をそろそろ食べ終わるかと、そのタイミングで食後のお茶がやってくる。
2つ並んだ湯のみの一つは食事のお供の緑茶の湯のみ。
食後の口をスッキリさせてという心遣いのジャスミンティーと、気づかい細やか…、しかも食べ手の方をシッカリ見てくれている。
旨いだけじゃない、こういうところがいいんだよね…、と思ってニッコリ、また来よう!
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