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サカキシンイチロウノホトンドゼンブノブログ
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    1960/01/26
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    愛媛県の宇和島市…、魚のおいしい街を代表する老舗和食店のかどやさんが、東京出店…、西麻布にお店を作ったというのでやってきました。



    場所は港区、西麻布。
    かつて霞町と呼ばれていた住宅街の中にありそれで名前も「かどや霞邸」という。
    そういえば、昼が「かのや」で夜が「かどや」というのがたのしい偶然。
    星条旗通りの一本内側という隠れ家ロケーションにある一軒家…、一階から三階までを使いシットリとしたもてなし空間になっている。



    メニューをみると愛媛出身のワタクシ的に飛び上がってしまいそうな料理の数々。
    例えばチャンバラ貝っていう巻き貝。
    細いスリットのような隙間から楊枝をつきさし、クルンと回すと中から小さな身が滑りだす…、シコッと歯ごたえたのしくて甘辛出汁と貝の旨みが口に広がる。
    それから亀の手。
    岩に張り付き育ったこれも貝の一種で、ツメのような部分を掴んでキュキュッと頭を引っ張ると、肉がでてくる。
    カニのツメのような姿で味や食感もそんな感じで味わい深い。

    他にもお店の出身地、宇和島の料理があれこれ。



    宇和島といえばじゃこ天で、フックラとした上等なのを七輪で焼く。
    空を飛んでやってきた魚がぶりぶり、イケじめならでは歯ごたえがあり、舌や歯茎に絡みつくような肉感的なる味わい見事。
    ボクの田舎では鶏の唐揚げのコトを「せんざんき」と呼ぶ…、その名の通りのこの商品は四国の醤油と出汁を揉み込みカラッと揚げた懐かしい味。
    食がグイグイ、進んできます。
    タコの天ぷら、今が旬のマナガツオ、鯛のカブトを焼いたものと魚三昧。

    南予料理、豊後水道の料理だけでなく、瀬戸内側の愛媛の料理や食材も混じっているのが松山生まれのボクにはうれしく、けれど宇和島ならではの料理も当然、豊富に揃う…、例えば「ふくめん」。



    宇和島地方のもてなし料理の代表格で、宴会があるとまずはこれが食卓の真ん中にドンッと置かれる。
    紅白に色染めされた鯛の田麩に緑のあさつき、オレンジ色のモノはミカンの皮を細かく刻んで山椒や唐辛子と一緒に和えたモノ。
    それが覆っているのはコンニャク。
    イトゴンニャクを甘辛味に煮込んだものでそれらを全部、よぉく混ぜて味わう料理でプリプリとしたコンニャクに魚の味やミカンの風味が混じって不思議においしい味わい。これをみんなでつつきつつ、お酒を飲めばみんなが仲良くなっていくっていう料理であります。



    それから丸寿司。ご飯の代わりにおからを使った握り寿司でシャリ酢を使っておからの味を整えているので、たしかに寿司の味がしてけれどあくまでおからの食感。
    口の中でバサバサ、水分奪っていくのがお酒をねだる。
    呑兵衛泣かせの料理であります。

    そろそろ〆の料理をと…、ところが食べてみたい〆の料理がたくさんあって例えば鯛味噌おむすびってモノ。
    鯛を焼きそれを刻んだネギと一緒に混ぜ合わせ、刻んだシソと和えた炊き込みご飯の上に乗っけて焼いて味わう…、〆のはずなのにコレでもう一杯、酒がお代わりできてしまいそう。



    宇和島名物のひとつに「削りかまぼこ」っていうのがあって、乾燥させたかまぼこを削り節のように削ったモノなんだけど、松山時代には常備菜として冷蔵庫の中に必ず置かれてた。
    かつお節の代わりにおひたしや冷奴にのっけたり、とろろ昆布と一緒にお椀に入れてお湯を注いで食べたりしてた。
    それをおむすびにタップリまぶして食べる「削り蒲鉾のおむすび」が出てきたときにも、懐かしくって唸ってしまった。
    食べると普通にかつお節味のおむすびなんだけれどやっぱり格別の味。



    みんなは宇和島風の鯛めしで〆をたのしむ…、生卵を一個落とした出汁に鯛の刺し身を入れて、ご飯にかけてザブザブ食べるという料理。
    おそらく日本で一番贅沢な卵かけご飯で、それが好きな人にはたまらぬ一品なんだけれども、あいにく生卵が苦手なボクには猫に小判なモノでござって、それで別の〆の一品「さつま」食べる。
    焼いた魚のすり身を味噌と出汁で合わせた冷たい汁を、麦飯にかけ食べるという宮崎の冷汁みたいな食べ物で、これがサラサラ、お腹をやさしくみたしてく。
    お店もまだまだ不慣れなところがあるようで、けれどみんな一生懸命。
    しばらくしたら、また来てみようって思ったりした、オキニイリ。


    関連ランキング:和食(その他) | 乃木坂駅六本木駅

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