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サカキシンイチロウノホトンドゼンブノブログ
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    サカキシンイチロウ
    年齢:
    64
    性別:
    男性
    誕生日:
    1960/01/26
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    昼、代々木で勉強会を…、と思い込んでスタンバイして、会場に行ったら誰もいない。
    どうしたことか…とコーディネーターに電話をしたらなんと場所が違っていました。
    来週の勉強会の会場と勘違いして、それで急遽、お茶の水。

    nicolaido.jpg思い込みとは恐ろしいモノ。
    代々木の駅から電車に飛び乗り、御茶ノ水。
    聖橋を鬼の形相で小走りしながら、振り返ったらニコライ聖堂。
    檸檬をかざしてみようにも、手元にレモンがあるわけもなく、ましてやそんな余裕もなくて、冷や汗かきかき飛んで行き、なんとか10分遅刻で到着。
    恥いりました。
    ごめんなさい。

    ほどよき勉強会を果たして、次の仕事に向かう途中。
    秋葉原にて早めの晩。

    とんかつの「丸五」にきます。

    marugo.jpgボクにとって、料理専門店の理想の姿のひとつがこの店。
    ありとあらゆるおもてなしが、料理を通してやってくる、過剰と不要をまったく持たぬ、すがすがしさがボクは好き。

    空元気のよな大きな声を出すでない。
    静かな店内。
    カウンターに座ると間近に、黙々と仕事をする職人さんの顔が見えます。
    そしてかすかな音がする。

    とんかつを揚げる音です。
    最初はシュワシュワ。
    油の中に水が吐き出す湿った音がまずはする。
    それが徐々に軽さをまして、カラコロ、何かが転がり、はぜるような音になる。
    それを合図に、冷蔵庫からレタスがとり出されキャベツと一緒にお皿の上に、今日のメインが乗るべき舞台が作られる。

    カツを切る音。
    汁が作られお椀に注がれ、そしてご飯が茶碗に盛られる。
    いくつもの手がボクの料理を作っていきます。
    何人もの職人さんが、互いに声かける必要すらなく、ただただトンカツが揚がっていく音をたよりに作業が続く。
    見事です。
    ほれぼれしながら、やってくる、ボクのヒレカツ。

    8322cda9.jpeg期待に違わず今日も絶品。
    しっとりとした肉。
    カラッと揚がった衣はサックリ、油切れもよくパン粉がそれほど主張をしない。
    クチャッとつぶれて、驚くほどにタップリの肉汁を吐き、舌に歯にまとわりついてユックリ旨味で口をもてなす、見事なごちそう。
    ご飯に赤出汁、漬け物とどれをとっても一流の味。
    堪能す。

    最後の一切れ。
    それを口に入れるか否かというタイミングにて、仕上げのお茶がやってきます。

    3503fbee.jpegジャスミン茶。
    脂を落としてすっきりさせてくださいな…、って小粋なサービス。
    ご飯のお供は普通の煎茶で、だからこうして二つの湯飲みが最後に残ると、ああ、今日も丸五のごちそういただいた…、ってニッコリなります。
    いい感じ。

    お店について上着を取ろうともぞもぞしたら、ササッと近づき「上着をお預かりいたしましょう」って。
    揚げ上がりまで新聞でもお読みになりますか?…、って調子でそっと新聞が横に置かれたりと、至れり尽くせり。
    普通の店なら大げさに、「考え抜いてご用意をしたサービスでござい」って仰々しくやるであろうさまざまを、気負いもなにもまるでなく、すんなり自然にやってのけるのに感心します。
    いいお店。

    でっち上げられたシステムや、誰かから借りてきたノウハウじゃない。
    ここでずっと商売し続け、日々の経験を無駄にしないで自分たちの物にしたからこその自然でステキなおもてなし。
    見ればカウンターの中でとんかつ揚げる職人さんの顔。
    そこにちょっと皺をつけ、ほっぺを削いで白髪にしたらお帳場の前でみんなの手元を真剣な顔でみつめてる、ご主人然としたおじいさまの顔になんだかなるような…。

    家業だからのさまざまがある。
    この世の中には血で受け継いでいくべきこともあるのじゃないのか…、と思ったりする。
    背筋が伸びる。
    ごちそうさまと店を出る。

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    無題
    食べかけの檸檬 聖橋から放る
    快速電車の赤い色がそれとすれ違う
    川面に波紋の広がり数えた後
    小さな溜息まじりに振り返り
    捨て去る時にはこうして出来るだけ
    遠くへ投げ上げるものよ

    もう30年も昔の曲なのに
    どうしてちゃんと歌えるんでしょう。
    当時私は中学生。
    フォークソング全盛期。懐かしいです。
    イワハシマリさん / 2009/06/03(Wed) /
    檸檬と加速度
    > イワハシマリさん
    さだまさしさんの檸檬と加速度。
    この両方は今でもほとんどそらで歌えます。
    なぜだかこの時代の歌がボクにはすんなり、心の中にしみこんでくるような気がします。

    ボクがこの歌を聴いたとき、ちょうど大学生になったばかりで、キャンパスは横浜の日吉。
    住まいは逗子。
    必要もないのにわざわざ電車を乗り継いで、初めて聖橋から御茶ノ水の駅をみたときに、なるほどここからネ…、って檸檬を落とすふりをしたものであります。
    甘い思い出です。
    サカキシンイチロウさん / 2009/06/03(Wed) /
    味噌汁のトコ
    ああ、私もついさっき檸檬を歌った後に
    つい加速度も歌ってしまいました。
    おまけにソフトバンクのCMで
    お父さんが「味噌汁のトコ!」と言うのが
    もの凄くよーく解ります。
    大学生になって東京に出てきた時、
    やはり用もないのに聖橋まで行きました。
    笑っちゃいます。
    そして四半世紀前のことを普通に語れるようになってしまった自分がこわいです。
    イワハシマリさん / 2009/06/03(Wed) /
    檸檬
    さだファン歴30年以上のワタクシ。
    サカキさんが歌詩の一節を・・・涙が出そうです。
    池袋東武でさだまさし博覧会ってやるんですってね。行きたいけど、遠すぎます。

    さてさて、とんかつ。ほんとにおいしそうなヒレカツですね。丸太状なのでしょうか?
    行ってみたいです、こちらのお店。
    先日SFのジャパンタウンに行ってラーメンを食べたのですが、やっぱり違うんですよね・・・。日本で食事がしたいなあと、思いました。

    うっかりってありますよね。わたしも1日間違えて、病院に行っちゃったこととかあります。日本みたいに融通が利きませんから、翌日で直しました。自分の中では絶対今日!だったのに・・・おっかしいなあって頭かきかき。
    そんな日もありますよね!
    Sumiさん / 2009/06/04(Thu) / URL
    公衆電話もなくなって
    > イワハシマリさん
    最後のコインが落ちてしまう前に一言…、なんて、携帯電話で話をするのが当たり前になってしまった今ではもう伝わらないせつなさですよね。
    一ヶ月前のことより、20年前の出来事がはっきりと思い出せるようになってしまう。
    それもまた幸せなのかもしれませんね。
    サカキシンイチロウさん / 2009/06/04(Thu) /
    さだまさしとかオフコースとか
    > Sumiさん
    さだまさしさんとか、オフコースとか、この時代のちょっと切なく甘い歌がやはり一番好きですね。
    たまりません。

    ちなみにこのヒレカツ。
    程よい大きさの豚のヒレ肉の芯をそのままの形で揚げた物。
    この姿かたちは日本ならでは…、って思います。
    おいしいご飯とお味噌汁。
    そこにこうしたおかずがあること。
    日本人でよかったなぁ…、って思います。
    サカキシンイチロウさん / 2009/06/04(Thu) /
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