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サカキシンイチロウノホトンドゼンブノブログ
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    鰻を食べる。

    神保町の「今荘」という店。

    254ac53e.jpegかつてはこの界隈は、古い商家の立ち並ぶ風情のある街だったのだろうけど、新しいビルにどんどんそれらも入れ替わり、最後に残った昭和の忘れ形見のようなお店の姿が目にご馳走。
    お店に近づくにつれ、ウナギが焼ける香ばしい匂いがどんどん強くなる。
    交差点の反対側にたったときには、もうたまらぬほどのおいしい匂いに信号無視して飛び込みたくなる。

    ガラガラッと扉をあけて、のれんをくぐる。
    カウンターの中に厨房。
    奥には無造作にテーブルが並ぶ座敷があって、蕎麦屋さんとか鰻屋さんとか、昔の専門店はみんなこんな姿をしてた。

    靴を脱ぎ、座敷座るとお茶と一緒におばさんが「ご飯の盛りはどうしましょうか?」…、って。
    というのもメニューはひとつ。
    2000円のうな重に肝吸いとお新香がついたものがあるきりで、だから注文はご飯の盛りを聞くだけでよい。
    お客様が入るであろう予想に従い、開店前から着々と鰻を焼くのであまり待たずに焼きたてのモノにありつけるようになっている。
    普通盛りにて、ユッタリ待ちます。



    やってくる。

    b0a08431.jpegズッシリ重い、お重の蓋をあけるとふた切れ。
    こんがり焼けた鰻がのっかる。

    鰻はフックラがいいのか?
    それともカリッとジュワッとしているのがいいのか?
    なかなかに悩む命題でありまして、個人的には表面カリッと照りがでるほど焼き上げて、脂が落としすぎぬ程度の鰻らしさを残した蒲焼の方が好き。
    ここのは照りこそあまりないけど、蒸しすぎずコッテリとした鰻の味わいをほどよく残したボク好み。
    やわらかめに炊き上がったご飯に最初はビックリするけど、鰻のムチョンとした食感にやわらかご飯がほどよくあって、悪くない。
    甘すぎぬ、醤油の旨みで焼きあがる、昼のご馳走。

    梅雨の合間の真夏のような今日の昼。
    体にじんわり、滋養に満ちた旨みがしみこむ。
    ご機嫌になり、神保町まで散歩する。


    そしてミロンガ。

    cc77cf8d.jpeg昭和が残る神保町の街。
    その中でも一際、寂れた裏路地感が濃厚な猫の道のような路地に面した喫茶店。
    「ミロンガって、なんて意味なんでしょうね?」って、一緒に入った人に聞かれて、たしかにどういう意味なんだろう…。
    語感だけから想像すると、ウルトラQで暴れる宇宙生物の名前みたいに聞こえるよね…、って。
    その場で答えが出てこずに、事務所に帰ってグーグルさまに問い合わせたら、wikipediaにて答えが出る。
    アルゼンチンのダンス音楽のひとつということ。
    すごいぞ、ウィキ。
    勉強になる。

    2bd63b15.jpeg大きな古いスピーカーから流れ出す、タンゴのリズム。
    なるほどあれが、ミロンガの正体だったのかもしれないなぁ…、って。
    レコードを針でひっかくそのノイズまでもが、とてもやさしくエキゾチックな音でやんわり満たされた、昔ながらの喫茶店。
    木の椅子。
    同じ素材の木のテーブル。
    白い塗り壁に古きの柱にガラスのランプ。
    アコースティックでアンプラグドなインテリアにて、普段、体につながっているいろんなコードやケーブルが一挙にスパッと抜け落ちる、そんな感覚。
    不思議なほどにほっとして、いろんな本音を語れる空間。
    ありがたい。

    アイスコーヒー。
    ddc9a9f1.jpegそれからピザをとってみんなでシェアーする。
    香ばしい、おそらく焦げる寸前にまでギリギリ焼いて深みを出した豆から出した濃厚コーヒー。
    それを冷やしてグラスに注ぐ。
    飲むと口と唇は当然冷たいと思うのだけど、喉を流れるその液体は熱くて、こんがり情熱的で、ああ、旨い…、ってしんみり思う。

    昼休み。
    決して小さくはない喫茶店としてはほどよい規模のお店が満席。
    緊張した顔。
    お店に入った瞬間のちょっと疲れた表情が、コーヒーと共に徐々にゆったり穏やかになり、背筋を伸ばしてお店を出てく。
    そんなみんなの姿をみると、忙しい街にはこうしたお店が必要…、ってそんなことを思ったりする。

    雨の香りが西から近づく。
    明日から雨になる気配。

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    ■ コメント一覧
    なつかしい!
    うなぎ屋さん!
    かれこれ10年以上前、
    このすぐ近くにある女子大に通っていたのです(笑)。
    学生ですし、入ったことはなかったのですが・・・。
    特徴的ですてきな建物だなぁと横目で見ながら、
    すずらん通りの「北井商店」にお昼ご飯を買いに
    いっていたなぁ・・・と懐かしくなりました。

    まだ元気に営業されているんですね!
    うれしくなっちゃいます。
    そういえば神保町にはよく行きますが、九段に近い
    界隈にはとんと足を運ばなくなりました・・・。
    tonamiさん / 2009/06/23(Tue) /
    神保町の西側って
    > tonamiさん
    まだまだ健在。
    家族で経営している老舗ならではの、ほんわかとした雰囲気がステキでしたよ。
    神保町から東に行くと、大衆的な大盛り文化の中心地。
    西に向かうとこうしたしんみりとした老舗が増える。
    本当に面白い地域です。
    サカキシンイチロウさん / 2009/06/23(Tue) /
    神保町~
    なつかしい店構えですね。
    昔は角のお店ってこういうところ多かったなあと思います。昭和の香り。
    神保町、なつかしゅうございます。
    鰻も・・・。
    山椒の香り、タレのしみたごはん。
    こってりなのにさっぱり。
    夏の味ですね。
    喫茶店も素敵。
    日本の喫茶店(モーニングがあるような、分厚いトーストがあるような)って、ほんとに日本的・昭和的でなつかしいし、いいなあって今更ながら思います。
    今風のオシャレなカフェもいいんでしょうけれど、昭和の香りがなんだかとてもなつかしく思えます。
    蒸し暑い雨の東京。
    どうぞご気分だけでもゴキゲンに、素敵な日をお過ごしくださいね。
    鰻のかほりがモニターから漂ってくるようです。ごちそうさまです!!
    Sumiさん / 2009/06/24(Wed) / URL
    おいしいもののカホリ
    > Sumiさん
    日本の昔の街にはいろんな匂いが渦巻いていました。
    鰻屋さんの香ばしい匂い。
    蕎麦屋さんの出汁の香り。
    お肉屋さんの店先に流れてくるメンチカツを揚げる匂い。
    そんな街がなくなって再開発都市ができるといきなり無臭になっちゃったりするのですよね。
    無臭空間って人間味までなくしちゃう。
    やっぱりボクは昔の街が好きだなぁ…、って思います。
    サカキシンイチロウさん / 2009/06/24(Wed) /
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