昼を同じく池袋…、パルコの中にある三笠会館でいたすことにした。
ちょっと気張ったランチでござる。
ただ三笠会館と言っても「銀座洋食三笠会館」という、三笠会館がプロデュースした業態みたいではあるのだけれど、スイスシャレーなシックな雰囲気、カフェイな感じの清楚でかっちりしたユニフォームとたしかに三笠会館的な雰囲気があって悪くない。
ヨーロッパ風の瀟洒な入り口の横に大きなサンプルケース…、中にはギッシリ、古典的にして上等な洋食料理がズラッと並ぶ。
そのショーケースの中はかなりの上等だけど、サンプルケース自体はまるでデパート食堂的な風情でそれが気軽でいい感じ。
ポタージュスープをまずはとります。
今日のスープはじゃがいものクリームスープ。
カップじゃなくてスープボウル。
食器すらもが上等で、テーブルの上にやってきた瞬間、ポワンとおいしい香りが漂う。
昔、銀座の三笠会館で食事をする。
それはすなわち、とても豪華で背筋が伸びる一大事。
「会館」と名前に付いているとおり、そこはただのレストランじゃなく、ビルが丸ごと美食の殿堂。
洋食があり、会席料理のお店もあり。
フランス料理のメインダイニングにはいつも真っ白いテーブルクロスがかかっていて、ナイフフォークがキラキラ眩しく輝いていた。
鉄板焼きのお店もあって、三笠会館のどこで食事をさせてもらえるんだろう…、ってワクワクドキドキしたモノでした。
ホテルで食事をしているような。
けれど宿泊客のためという縛りが全くない分、自由で新しい料理が次々、このお店から生まれていった。
銀座の昭和を代表する店。
そんなお店の流儀をしっかり受け継いだクリームスープはたしかに上等、正統派。
芋の繊維がザラッと軽く舌をくすぐり、けれどサラッとなくなっていく。
粉をバターと一緒にシッカリ炒りつけて、それをベースにブイヨン、ミルクで伸ばして作る…、昔ながらの手作りの味。
お腹がポカリとあたたまる。
季節のセットをえらんで食べる。
冬の季節の洋食料理といえば、牡蠣を使った料理。
中でも牡蠣のフライは王様。
それと洋食料理の定番でもあるハンバーグ。
それをひとつに盛りあわせたもの。
大人のお子様ランチのような、めでたくたのしく、うれしい料理の組み合わせ。
やってきた皿。
スープボウルとお揃いで、白い陶器に青い絵付けというクラシック。
絵付けの皿は使い方では野暮ったくなる。
けれどたのしく、盛られた料理に負けぬ力があれば互いを引き立てる。
コロンと丸いハンバーグ。
大きくもなく小さくもなく。
130gくらいの分量でしょうか?
大きすぎると下品に見えて、小さすぎるとキチンと焼けない。
中をジューシーに仕上げるためのギリギリバランスとったパテの大きさ、形にニッコリします。
牡蠣もポッテリ、小ぶりだけれど太った粒で、それに野菜の付け合せ。
ポテトサラダはサワークリームでそっとまとめたやさしい味わい。
葉っぱ野菜はシャキッと冷たく、トマトもカッシリ、歯ざわりもよい。
ナイフをサクッとハンバーグ。
一口大に切り取ってみる。
細かなメッシュのひき肉で、つなぎをほとんど使わず練って、肉の粘りで形にしている。
牛脂を足してジューシーにする最近流行りの作りではなく、赤身がメインでだからガッシリ。
ちょっと固めで歯ごたえがある。
その分、肉汁はかなり控え目。
切ってすぐさまほとばしりでるような無作法は起こさない。
肉の中にある旨みのジュースは、口でほのかににじみだし噛むと一気に飛び出してくる。
噛み味わってはじめてわかる肉のおいしさ。
みずみずしさに、ボクの好みのハンバーグだわい…、とニッコリします。
牛骨、牛肉、香り野菜でとった出汁を、焦がして煮詰めて丁寧に作ったソースも昔の味わい…、ドッシリしててなのにスッキリ、後味が良い。
カキフライはこれまた普通のカキフライ。
大きすぎない。
けれど中にタップリ海のジュースを含んだ健康的な牡蠣を使って、シッカリ揚げる。
細かなパン粉をまぶし軽く握るようにして油の中にポトンと落としてあげたのでしょう。
牡蠣のプチュンとなめらかな食感、そのまま。
中までシッカリ熱が入って、けれど決してバサッと固くはなってない。
火加減絶妙、添えたタルタルソースも玉ねぎにディル、パセリに玉子と具だくさんにて、浸すと言うより乗っけて食べる…、控え目ご飯と一緒にほどよき、昼とした。
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食事を終えて、パルコ1Fにあるカフェで、お茶を飲みつつまとめモノ。
カフェとは言ってもJR系のいろんなところにある「ベッカーズ」。
そこが運営するカフェ業態。
客席たくさん、しかもすわり心地の良い椅子で2層構造、1F部分が禁煙席で空気がおいしくキレイなところが駅周辺ではうれしいお店。
カフェオレもらって、テーブルにつく。
ビックリしたのがそれで一口すすったら、もうぬるかった。
マシンで入れるコーヒーは、温度設定ひとつでぬるくなったり、熱くなったり。
温度管理がむつかしく、おそらく冷たいカップを使っていれたに違いない。
味はともかく、やっぱり熱い飲み物は熱くなくっちゃおいしく感じぬ。
残念だなぁ…、って思ってゴクリ。
それにしても今日訪れた池袋パルコのレストラン街。
昨年暮れに大リニューアル。
三笠会館は昔からある店だけど、それ以外にも地方の銘店、あるいはこの場所のために新たに開発されたお店やコンセプト。
どれもがちょっと上等な店が揃っているのにちょっと意外に感じます。
パルコといえばかつては、時代の最先端のトンガッた、飲食店で言えばちょっと行儀悪いけどギラギラとしたエキサイティングがお店にあった場所だったはず。
それがなんだかおとなしく、乙にすました店が目立って、本当にこれでいいんだろうか?
パンクな体の首から上だけ七三分けのおじさんみたいな違和感感じる…、まぁ、それもよし。
電車にのって、北に移動をいたします。
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