肉の万世にやってきました…、たまに無性にやってきたくなる。
いいお店です…、古き良き時代の上等なレストランの雰囲気がいまだに残っているお店にて、来るとシャキッと背筋が伸びる。
決して大げさな場所にあるわけじゃないのですけど。
新宿駅の地下街で、お店の雰囲気だって決してゴージャスって感じでもない…、かつてどこにでもあった大衆的なグリルレストランの形をしてる。
けれどステキなコトにココには、まだ洋食が贅沢だった時代の空気が漂っている。
働いている人がいいのです。
白くて糊のパリッときいた清潔なシャツ。
黒いベストに蝶ネクタイ。
昔、上等なお店はどこでもこうした格好でお客様をもてなしていた。
ホテルのコーヒーショップだったり、街場のグリル。
あるいは贅沢な喫茶室。
テーブルクロスがかかっているところには必ずこうした人たちがいた。
この店、さすがにテーブルクロスはなく、けれどココロにテーブルクロスを抱いてサービスしているように感じます。
何しろ40席ほどの小さなお店に、サービススタッフが全部で5人。
にもかかわらず手持ち無沙汰な人は1人としておらず、みんなキビキビ仕事をしている。
目当ての料理を選んでたのむ。
和牛切り落としの鉄板焼き。
昔からのここの名物。
小判型の大きな鉄板に野菜を山盛りしいて、そこに焼いた和牛の端材をたっぷりのっけて「さぁ、どうぞ!」という豪快にしてたのしい料理。
切り落としという端材を使って商品にする…、いまでこそいろんなお店がやっているけどレストランは割りと嫌った。
だって「端材」を出すのは料理人としてのプライド許さず、しかも大量に肉を売らなきゃ端材もでない。
だから躊躇するお店が多くて、けれどココ、もともと肉屋が母体ですから端材の確保はお手の物…、レストランの料理じゃなくて肉屋の料理というコトだったに違いない。
見た目は悪くて不揃いだけど、味わい深くてしかも安い。
歯ごたえに味。
あるいは口の中での存在感の不揃いをたのしむことができればこれほどたのしい料理はない。
しかもカメラを鉄板の反対側に向けて撮ったら、肉の料理じゃなくてまるで野菜の料理に見えるのが、なんともステキ。
キャベツにニンジン、玉ねぎ、ピーマン、それからモヤシ。
肉はたっぷり160g。
野菜はおそらくそれの倍くらいの量があるんじゃないかしら…、かなりのボリューム。
しかも野菜をたっぷり食べられるというのが、肉を食べてる背徳感に打ち勝つ勇気をくれてとってもアリガタイ。
ほんの少しの塩と胡椒で下味つけてはいるけれど、ぼぼ素材の味しかないこれをマスタードをたっぷり溶かした醤油のタレにトプンと浸してそして味わう。
クシュクシュスベスベした野菜。
赤身がメインで歯ごたえたしか、脂もキレイにほどよくのってて噛む楽しみを味わう肉との相性抜群…、たっぷりタレを染み込ませご飯に乗っけて丼風にたのしむ贅沢。
セットの豚汁がまたおいしくて、ココの味噌って分けてもらえるならほしいよなぁって思う程にコッテリ、濃厚、肉の脂をひきたてる。
ご飯はお代わり自由ではある…、けれど今日はそれを我慢し、ほどよき満腹で家に向かいます、ノッタリと。
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